■ 天邪鬼:「未知なる道へ」第五話

※ 第五話:魔王復活【戦え天邪鬼】です。。
第一章「魔王サーの復活」/ 第二章「いざ敵陣へ」/ 第三章「恐ろしき魔王」/ 第四章「魔王が消えた」/ 第六話:【運命】

■いよいよ対決の時。天邪鬼に待ち受ける運命とは。。。。

第五話:魔王復活【戦え天邪鬼】

修羅の山での戦いは、天邪鬼達の感が見事的中した。魔者のアジトを焼き討ちにし、勝利した。
だが、魔者の「頭」と部下の僕には、逃げられてしまつた。

「どこに、逃げやがった。」
「まぁ良い、ひとまず引き返そう。」
天邪鬼とジュオはそぉ考えていた。

その頃、逃げ延びた魔者の頭とその僕は、「暗がり渓谷」へ向かう道を陽の光をよけながら、進んでいた。

同じ頃セディ爺さんの家では、、、、、、、、

第一章:魔王「サーの復活」<前編>

■戦いが終わったのが、朝九時頃

暗がり渓谷へ入るには、どうしてもノンビリ山を越さなければならない。
【そのノンビリ山の小高い頂上付近には、セディ爺さんの家がある。】

まだ、天邪鬼達は、その事に気づいて居なかった。
気づく術さえなかった。

しかし、逃げた「魔者の頭」を諦めた訳ではない。
火の攻撃で、相当なダメージを受けたはずだ。
出来るなら、追いついて決着を付けたい。だが、何処へ逃げたのか皆目見当がたたない。

「とりあえず、セディ爺さんの家まで引き返そう。」
そぉ、決めて。急ぎ足で帰り道を下っていた。
もしやと思われる場所は、
魔者が潜んでいないかどうか確認しながらセディ爺さんの家に向かっていた。

下りの帰り道とはいえ、いくら急いでも、
「ここから爺さんの家まではまる一日半は掛かるだろう。」
そんな事を考えて山を下っていた矢先、
間者たちの集団に囲まれた。

魔者の頭が、修羅の山に点在している間者に、合図を入れたのだ。
俺達との時間差を開けるためにだ。
十人程いる。
俺達を取り囲み、グルグルと廻り始めた。

「ジュオ、背中合わせになろう。」
ジュオは、既に剣を構えている。俺も、緑の棒を出した。

「来い。雑魚が、、」
ジュオに教えてもらった、棒術「殺馬棒」で、相手をしてやる。
間者は、俺達を取り囲みグルグルと廻るばかりだ。掛かってくる気配が無い。
「時間稼ぎだ。」そぉ、分かったからには、こっちから行くぜ。

背中合わせの間隔を少し開いて、棒の先を右手で握り約2mの緑の棒を振りかざしながら、
間者の輪を崩すように出て行った。
一人は、交し切れず棒に当たって死んだ。
ジュオの剣が素晴らしい。
右から払う「一の剣」、返す刀が、燕返しで「二の剣」。
向かってくる奴には、「円月切り」。
逃げる奴には、片手剣での「突き」、
ジュオが、一段と強くなっている。
十人の間者も、わずか一時間程でかたずけた。
だか、すでに時刻は午後三時を過ぎようとしていた。

その頃、魔者の頭と僕は、少し落ち着きを取り戻していた。
それに、修羅の山は奴らにとっては、言わば「庭」だ。

近道も知っていれば、隠れ場所も分かっていた。
しかし、隠れる程の余裕は無かった。
もし、
今、天邪鬼達に見つかれば、勝ち目は無い事を知っていた。

近道を抜け、いち早く暗がり渓谷へ入る事を選択していた。
魔者たちは、ノンビリ山へ後、半日の所まで来ていた。
魔者の頭は、急いでいた。

「魔王様の復活の時が近づいている。急がねば」

早く、暗がり渓谷へ移動し、、
そこのアジトへ僕や間者の部下を結集さす事を考えていた。

間者を始末してから、ジュオも俺も何か胸騒ぎを覚えた。
「ジュオ。急ごうぜ。」
「あぁ。そうしょう。何か感じるのか、天邪鬼。」ジュオが聞いてきた。
「何か胸騒ぎがするんだ。」
俺達は再び、爺さんの家に急いだ。

もはや、天邪鬼達の行く手をさえぎる者は出てこない。
だか、枯れ草、茂る笹竹、群がる藪蚊が進路を阻み、思うように進めない。
急がなければ、、、
既に、陽は陰り出した。しかし、野宿などしている場合ではない。
明日の朝には、爺さんの家に辿りつかねば。。

同じ頃、魔者の頭と僕は既に、ノンビリ山のふもとに辿り着いていた。
暗がり渓谷へ入るには、ノンビリ山の小高い山頂を越さなければならない。
そこに、老いぼれ戦士が住んで居る事も、知っていた。

しかし、恐れるほどの事は無い。所詮老いぼれ。
僕が、喋った。
「頭様、あの爺が邪魔をすれば、私が始末いたします。」
「頭様は、暗がりのアジトへお急ぎ下さいませ。」

魔者の頭が、喋った。
「分かった。お前に任せよう。」
「魔王様の生贄に持って来いだ。」
「爺は、生け捕りにして、つれて来い。クゥェェェ。」
僕が、又喋った。
「頭様、見えてまいりました。もぉ直ぐ 頂上ですぜぇ。」


これで、第一章<前編>終わり。以下引き続きお楽しみ下さい。

第一章:魔王「サーの復活」<中編>

魔者の頭とその僕は、セディ爺さんの家の直ぐ下の道まで来た。

「爺め、まだ寝ておらぬようですぜぇ、、、、頭様。」

頭が喋った。
「お主一人で、大丈夫か。」

「頭様、、相手は老いぼれ。」
「幾らなんでも、玉を取り損ねる事は有りませんぜぇ。」

頭が、叱った。
「分かっておるわ。ワシの言う意味は、生け捕れという事じゃ。」

僕が答えた。
「へぃ。分かっておりやす。良い策が有りますので、お任せを。」
「それより、今朝方の奴らに追いつかれると言う事も御座います。」
「頭様は、暗がりのアジトヘお急ぎを。」
「それに、もぉそろそろ魔者のイァ様もアジトヘお着きの頃でしょう。」
「お急ぎを。。」

「よし。任せたぞ。」
「手こずる様な場合は、これを使え。」
頭は、そぉ言って一本の剣を僕に与えた。

「これは、魔剣じゃ。」
「如何なる、鎧も切る事が出来ようぞ。」
「先に参る。」
そぉ言い残すと、魔者の頭は暗闇に消えて行った。

その頃、天邪鬼とジュオは夜の闇の中をノンビリ山へ急いでいた。

下り坂も幸いして、爺さんの家には思っていたより早く着けそうだ。
もぉそろそろ、修羅の山を抜けようかと言う付近まで辿り着いていた。

俺は、ジュオを止めた。

「何者かが、こちらへ向かってくるぞ。」
「魔者か。」

ジュオが、水晶玉を出した。「白く光っている。」
ジュオが、合図してきた。
「気をつけろ、何か近づいている。」

更に接近してきた。ジュオにも、足音が聞き取れる程に接近してきた。
ジュオが剣を抜いた。
俺は、反対側に移動した。ジュオとで挟み込む形を作った。

「来た。」
俺は、背後から首に腕を回した。ジュオが、剣を喉元に突きつけた。
「助けて。。」
何か、聞き覚えの有る声だ。
剣を突きつけていた、ジュオが「あっぁ、お前はあん時の若者じゃん。」
俺も、腕を緩めた。

若者が、喋った。
「私はの名は、フゥォンと言います。」
「詳しい説明は、後で、、」
「今、セディ爺様が危ないの。魔者達が、爺様の家に迫っているの。」
「急いで。。」

「分かった。」
俺は、ジュオとフゥォンに言った。
「俺は、先に行く。」
「2人は急いで、俺の後を来い。」
「ジュオ、頼むぞ。」
そぉ言うなり、天邪鬼の姿は闇に消えた。

急げ、天邪鬼。セディ爺さんを救え。。
セディ爺さんの運命は。。。


これで、第一章<中編>終わりです。


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第一章:魔王「サーの復活」<後編>


「グゥェェェェェルルルル」
魔者の頭の呻き声が闇に轟き渡った。
その呻き声は、天邪鬼の耳にも達する程だった。

「爺さん、待っていろよ。後少しだ。」
天邪鬼は、爺さんに最大限の気を送った。テレパシーだ。

「天邪鬼、早よぅ来てくれぇぇ。。」
爺さんからの返事を感じ取った。

天邪鬼は、安心した。
「まだ、爺さんは生きてる。」

セディ爺さんも、相当なダメージを受けた。動けない。

魔者の頭は、足を引きずりながら爺さんに詰め寄ってくる。

爺さんは、半身を起こして剣を構えた。
「ワシも、これまでか。」

魔者の頭が、渾身の力を振り絞った。
宙に舞い上がった。
上空から魔剣を振りかざし爺さん目がけて、舞い降りてきた。

「我が力を知れ。。。爺、死ね。。」

その時、
「ビュュュー。」風を切る音がした。
天邪鬼の投げた、シュートソードが魔者の腕に突き立った。

魔者が、爺さんに「トドメ」を入れ様とした瞬間だ。

爺さんは、魔剣をかわした。
何とか、かわした。
斜め前方に、天邪鬼の姿を見た。幻では無く、ハッキリと天邪鬼の姿を見た。
そのまま気を失った。

次の瞬間、天邪鬼の重量波が魔者を押し潰した。

「爺さん。気が付いたかい。」天邪鬼が、声を掛けた。
セディ爺さんは、鎧も脱がされて自分の部屋に寝かされていた。
痛めた腰と足には、天邪鬼とジュオの雌雄の紐で治療してくれている。
廻りを、
天邪鬼、ジュオ、フゥォン達が囲んでいる。

フゥォンが喋った。
「爺様、もぉ安心して私達が付いてるから。」
「グッスリと休んでいいのよ。」

セディ爺さんは、遠い昔を思い出した。
目に涙を浮かべながら、再び眠りについた。

翌日、昼前になって、爺さんが何事も無かったかのように起きてきた。
そして、すぐ三人を傍に集めた。

「おい、お前達。心して聞けよ。」
「ワシは、魔者と戦っている時に、」
「何故、奴は、こんなに暗がり渓谷へ急いでいるのかを考えておった。」
「奴は、体力の回復が出来るまでの間、身を潜められる」
「別の安全な隠れ家を持っていた筈じゃ。」

「それにじゃ、」
「ワシの家にも、僕だけを差し向けおった。」
「奴は、自分だけは、暗がり渓谷へ向かおぅとしておった。」
「何故じゃと思うかのぉ」

「魔王が、復活したかもしれんぞぉ。」

「何か、思い当たる事はないか。」

ジュオが、
「そぉ言えば、アジトに火を放っ時に石室があったなぁ。」
「あれは、魔王の復活用の部屋のようだったしな。」

爺さんが、
「そ、それじゃ。間違いない。」
「万一を考えて、復活の場所は2〜3箇所用意されていたじゃろう。」
「修羅のアジトの復活の部屋は、お前達によって破壊された。」
「それで、第二の復活の場所へ急いでおったのじゃ。」

魔者は、別な場所にもいる。
暗がり渓谷にも、あの魔者と同格の者も一人位は要る筈じゃ。
「魔王は、既に復活したかも知れんぞぉ。」

魔王退治の用意じゃ。

ジュオが訊ねた。
爺さん、一つ質問するが、良いかのぉ

「僕は、どぉしたのじゃ。」

そ、それと、もぉ一つ。
「爺さんの体は、大丈夫か。」

爺さんが、喋った。
「あぁぁ。あの僕か、そこの鳥かごにはいっておるわ。」
「ピィピィ鳴いておろうが。。。」
「ワシの体か、大丈夫じゃ。頭は、少しボケておるがのぉ。。ハハハハ。」

フゥォンも、質問した。
「あんな鳥篭じゃ、すぐ逃げられるわよ。」

「なぁーに。あの小鳥は、あの籠を出れば死ぬわ。」
「何なら、フタを開けてみぃ。よぉ逃げんわ。」
そぉ言うなり、爺さんは鳥篭のフタを開けた。

「ピィピィ ピィ」
鳴くだけで、外には出無い。出れないようだ。

爺さんの表情が険しくなった。
「天邪鬼。そこの棚の中の道具を、外へ出してくれ。」

これは昔ワシが、
魔王に一泡吹かせてやろうと思って準備しておいた物じゃ。

この辺りで、天邪鬼の「波紋」を説明しておこう。

ココ迄で、第一章の終わりです。


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第二章 :いざ敵陣へ<前編>

天邪鬼が、棚から降ろした箱の中の一つを爺さんが開けて皆に見せた。
見ると、
黒く光る直径1cmほどの玉が30個ほど入っている。

爺さんが、皆に言った。
「良ぉーく見るのじゃぞぉ」
良く見ると、白く光っている場所も有る。斑模様になっている。
「これはな、銀の玉の中へ小さな穴を開けて、龍の鱗を溶かし込んで作った玉じゃ。」

「魔王には弾き返されるやも知れぬが、」
「非常に堅くて、魔族の奴らには致命傷を与える事も出来る筈じゃ。」

そぉ言いながら、もう一つの箱を開けて、中からY字型の奇妙な物を出した。
「これはな、龍のアキレス腱で作った玉を飛ばす道具じゃ。」
「パチンカー」と言う物じゃ。
「見ておれ。」
そぅ言うなり外の石塀に向かって、
パチンカーに玉を噛ませ、思いっきりその腱の分部を引っ張り撃った。
「ガヂャッ」と言う音と共に石垣に穴が空いた。
凄い飛び道具だ。
「只の銀の玉では、こうはいかんぞぉ。」
「それにじゃ、奴らの体内へ入れば銀が溶けて毒素が廻るようにしてある玉じゃ。」

爺さんが、さらに続ける。
「魔王が復活したとなれば、天邪鬼は魔王を倒す事だけ考えろ。」
「残るワシ等は、魔者とその部下共を引き受けようぞ。」
「どうじゃ、ワシの案は。。」

ジュオが、
「よっしゃ。爺さん、ワシにそのパチンカーの打ち方を教えてくれ。」
「ワシの方が、力が強いし、奴等に当たればその効果は大きいぞ。」

爺さんが、うなずきながら。。
「よっし。そぉと決まれば、ワシとフゥォンはお前達の援護役じゃ。」
「フゥォンよ。異存はあるまい。」

それから、爺さんの話を聞きながら四人で作戦を立てた。

暗がり渓谷の入り口まで、約二日の道のりらしい。
まだ、魔王も復活したままで進化していない筈じゃ。
しかし、急がねば成らんぞ。
「暗がり渓谷」へは明日未明の出発に決定した。

爺さんが若い頃使っていた手ごろな荷袋に、決戦の為の道具を色々詰め込んだ。
本格的な弓まで、揃っている。
扉をぶち破る斧も用意した。
縄はしごも、用意した。
携帯用の食料は、七日分。これ以上長引けば勝ち目は無い。
魔王の方も、俺達を待ち構えている事だろう。

魔王を倒すため、魔者達の巣へ再び、、「恐れてなるか。」

午後から、各々体を休め出発に備えた。
俺とジュオは、久しぶりのお風呂に浸かった。
やっと、あのドブ池の臭いが無くなった。
爺さんは、高いびきで寝ている。なんと言う体力だ。
フゥォンは、一日分でもと弁当を作っている。
携帯用と違い、美味しそうな香りが風呂場まで伝わってくる。

風呂から上がって、俺達も少し睡眠を取った。

どの位寝ただろうか、フゥォンが起こしに来た。
「爺様が、皆を集めろと言っているわ。」

何だろう。
居間へ行くと、爺さんが俺達に、服を差し出した。
「これは昔、魔族退治に向かう戦士の為の服じゃ。」
「ちょうど、ワシのも入れて四着ある。」
「フゥォンには、少しばかり大きいが我慢せい。」

濃紺の薄い、石綿で出来た服のようだ。
着てみると、体になじみ着心地が良い。
爺さんが、
「これは、動きも制約されんし、布の鎧の役目も有るしのぉ。」
「第一に、心が引き締まるじゃろぅ。」

俺達四人は、同じ衣装に身を包んだ。
身支度を済ませ、外へ出た。
まだ、外は暗い。
先頭ジュオが進み、その後ろを爺さんが道案内で続く。
次に、フゥォンが続き。俺は最後尾を行く。

ノンビリ山を出るまでは心配する事も無かろうが、
万一の為、隊列行進作って安全確保だ。

その日の夕刻、ノンビリ山の出口に辿り着いた。その日は、そこで野宿した。
翌日も、夜明けと共に暗がり渓谷へと進んだ。
昼過ぎに、周囲の景色が暗がり渓谷に入ったのかもしれないような雰囲気になって来た。
爺さんが、
「まだ、暗がり渓谷の入り口ではないと思うが、」
「用心した方が良いぞ。」
「ワシも行った事は無いが、暗がり渓谷には、その入り口に洞窟があるらしい。」
「その洞窟の中が、魔者の巣になっている筈じゃ。」

「それにしても、なんと静かな森じゃ。」
ジュオが、ひとり言を呟いたときだ。
何か、前方で話声の様なもの音を聞いた。
俺は他三人に、テレパシィで
「シッィ。何かいるぞ。」
合図を送った。
戦闘態勢を取った。

ジュオが一人、先鋒として様子見に行った。
手招きで、来いと合図してきた。
俺達も後へ続いた。
そこは、広い台地になっていて前方が崖のようになっている。
誰もいない。

崖を覘くと、その中腹にポツカリと穴が開いている。
ジュオと2人で、洞窟の様子を崖の上から見ていた。
「あれが、洞窟の入り口に違いない。」

そ、、その時だ。
「ほ、ほぉぉ。もぉ来たか。」
「お前が、天邪鬼か。」
「我が部下を、いたぶってくれたそうで、何か礼をせねばな。」
其処には、体格の良い上品な青年が立っていた。
脇には、似ても似つかぬ、醜い僕を一人連れている。

天邪鬼が、声を上げた。
「き、貴様が、魔王:[サー]か。」
「貴様の命貰いに来た。」

「ハハハッハハ」
「代の名を知っておるのか。光栄の至りじゃ。」
「しかし、お前如きに、代が討てようかの。」
「指一本触れる事も、できまいぞ。」
青年、いや、、魔王が笑う。
だが、どおみても青年だ。
ジュオが隙をついて、パチンカーで、魔王を撃った。
魔王に当たった。

魔王は、玉を手で受け止めた。
「ほぉう。珍しい物を作っておるのぉ。」
「子供の、おもちゃにしては良く出来ているわ。」
そぉ言って、傍に捨てた。

ジュオは、ひるむ事無くもう一発を僕に向かって撃った。
僕が、呻き声を上げた。
「グゥェェェェルルルル。」

魔王は、平然としている。
「これしきの事で、泣き声など上げおって。」
そぉ言ったかと思うと、僕に向かってファィアーブレードを浴びせた。
「見苦しき、僕などに用は無い。」

魔王が喋ってきた。
「どうした天邪鬼。。臆したか。」
「かかって来い。」
「それとも、逃げ出すか。」
「こちらから、行こうか。」

「うぉおおお。」天邪鬼の、貯めに貯めた重量波が、魔王に炸裂した。

魔王が、「ズズッズ」と2〜3歩後退した。

魔王が、笑いながら
「ほっおぉ。」
「珍しい技を使う事も出来るのじゃな!」
「ならば、これはどうかな。」
そぉ言なり、

天邪鬼に向けて、ハンマーブレードを浴びせてきた。
天邪鬼は瞬時に、球体バリアーを張った。
だが、そのまま地面にめり込んだ。
二発目が来た。
三発目が来た。
「ミッシィッッ」バリアーがきしみ音を発した。

その時、ジュオと爺さんが同時にパチンカーと弓で魔王を狙った。

その隙を見て、天邪鬼は
四発目が来る瞬間に球体バリアーから出た。
出ると、同時に衝撃波を魔王にぶっけた。

しかし、魔王は、
「お前達如きに、我が部下が殺されたとはな。」
「恥ずかしいわ。」

「そこの若いの、ジユオとか言うそぉじゃの。」
「それと爺、お前達は後で魔者の餌にしてくれよう。」
「フゥォン。そなたは美しい。我が妻にしよう。」
、、、、、、平然としている。
その、セットした髪型さえも崩れていない。

「まず、天邪鬼。貴様は八つ裂きにしてくれよう。」
そぉ、叫びながら天邪鬼に殴りかかってきた。

天邪鬼が張ったバリアーの上から、物凄い圧力の打撃を掛けてくる。
バリアーなど、意に介せずと言う凄さだ。
蹴りを食らった。
バリアー毎、吹き飛んだ。

魔王は、振り向きざまジュオと爺さんに向かって電撃をぶっけた。
2人とも、声を上げる事も出来ず失神した。
「これで、邪魔も出来まい。」

「そんなバリアーで何処まで、絶えられるかな。」
同じように、天邪鬼にも電撃をぶっけてきた。

バリアーを通り越して、電撃が伝わってきた。
「うぅぅぅ」
天邪鬼は呻き声を上げた。

天邪鬼はバリアーを取り払った。
「来い。魔王。」
「俺は、一命を掛けて貴様を倒しに来た。」
「貴様如きに、後ろは見せん。」
天邪鬼は、緑の棒を出した。

魔王が、又笑った。
子供のチャンバラか。
魔王の蹴りが、来た。

天邪鬼は棒で、辛うじて蹴りは防いだが、
上段突きを貰った。
「グッフゥゥゥ。」
うずくまった。
アバラ骨が折れたようだ。
動けなくなった。

「ハッハハッハ。」
魔王は、笑いながらトドメの蹴りを入れに来た。
辛うじて、かわした。

フゥォンが、爺さんの聖剣を持って魔王に切りかかっていった。
「この人は、殺させないわ。」

魔王が、又笑った。
「フゥォン。お前は殺さん。我が妻にする。」
そぉ言いながら、フゥオンに当身を入れた。

「天邪鬼よ。これで、誰も邪魔する者はいない。」
「ゆっくりと死ね。」

俺は、、、、動けない。
「次に、蹴りが来たら死ぬ。」
そぉ、思った時、、物凄い力で、首を締め上げられた。
「意識が薄れていく。」
「、、、、、、、、、、、、、、、、、、」

意識が薄れていく中で、花屋の女主人の事を思い出した。
「どんな事が有っても、恐れてはダメよ。」

浮かぶ島の婆さんを思い出した。
「死を恐れていては、勝てぬぞ。」

俺は、薄れいく意識の中で自分の首を掴んでいる魔王の手首を握り返した。
精一杯の波紋を流し込んだ。

瞬間、、、、、魔王は、手を離した。

「うぬは、天上界の者か。」
次の瞬間、、、
魔王は、自らの腕を手刀で切り落とした。

「不覚であった。お前如きが、<波紋>を使えるとはな、、うかつであった。」
(※魔王は、波紋が脳と心臓へ達する前にその右腕を切り落としたのである。)

「だがな天邪鬼。生きて帰れると思うな。」
魔王は、切り落とした右腕を残したまま崖下へ姿を消した。

暫くして、
崖の下から、物凄い叫び声が上がった。

「グゥェェェルルルル。グゥェェェルルルル。」魔者達が洞窟から一斉に出て来た。

押し寄せる魔者達、果たして、四人の運命は、、、

ここ迄で、前編の終わり。


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第二章: いざ敵陣へ<後編>

俺は叫んだ。

「ジュオ。起きろ。」
「起きてくれ。」
ジュオは、まだ気絶したままだ。
今、魔者達が来たら殺される。
「ジュオ。起きてくれ。」
俺は、一か八かジュオに弱い衝撃波を浴びせた。

「ぅぅん。ううぅぅぅ。」
ジュオが気がついた。

俺は、再び叫んだ。
「ジュオ。爺さんとフゥォンを頼む。」
「魔者達が、来るぞ。」
ジュオが起き上がった。
ジュオは、まだ意識がハッキリしていない。
俺は、最大の気をジュオに送り込んだ。
「ジュオ、しっかりしろ。」

が、、、、、、、
ジュオは、何を思ったか、
パチンカーを俺の方に構えた。
「伏せろ。」
ジュオが力なく喋った。
しかし、パチンカーは最大限に引いている。
俺は瞬間、身を伏せた。

「ビッシィ。」
ジュオのパチンカーの玉が俺の背後の魔者を射抜いた。
俺が、ジュオたちに気を取られている隙に、
既に魔者は俺の背後まで来ていたのだ。
危うく、殺されるところだった。

「天邪鬼。気をつけろ。大丈夫か。」ジュオが叫んできた。
俺は、自分の背後の崖を振り返った。

もぉ既に、僕達が後少しで台地の位置まで登って来ている。
しかし、体が動かない。

爺さんも、気がついた。
爺さんがフゥォンを抱き寄せた。

ジュオが、駆け寄って俺を抱えて起こしてくれた。

胸に激痛がある。アバラ骨が折れているせいだ。

「天邪鬼。大丈夫か。死ぬ時は、一緒だぜ。」
ジュオが、薄笑いで元気付けてくれる。
「天邪鬼。お前だけを死なせはしないぜ。俺もいるぜ。」

今、奴等が来れば、勝ち目は薄い。殺されるかも知れない。

花屋の女主人の言葉を思い出ししていた。


「もぉ会えないかも知れませんが、貴方はどんな敵と遭遇しようと恐れてはなりません。」
「貴方には、それを打ち破る力がある事を忘れてはいけません。」
「これは、貴方しか使えない武器です。」
「波紋の力が通じない時にだけ使いなさい、そうすれば恐ろしいほどの波紋が出るはずです。」

もしや、
指輪には、波紋以外の別な力も秘めてはいないのか。
「指輪よ力を授けてくれ。」
今、助かる道は指輪の力を信じる事だ。
俺は、左手の指輪を抜き取って、右手の薬指にはめた。

次の瞬間、指輪がまたしても右手の薬指にピッタリと同化した。
「うぅぅぅ。」頭に激痛が走る。
体中が、蠢きだした。「うぅぅぅ。」
力がみなぎって来る。「うぅぅぅ。」
記憶も蘇えり出した。
「うぅぅぅぅ。」
記憶が、ほぼ蘇った。
「俺は、闘天使。」
「この緑の指輪は、俺の封印されていた力を解く事が出来る指輪だ。」

天邪鬼が、「闘天使。勇者ロッカ」の姿に変身した。

天邪鬼が、ジュオと爺さんに叫んだ。

「この台地から、出来るだけ離れろ。」
「この台地ごと、洞窟を破壊する。」
「急げ。」

その時、魔者の一人が崖から浮上して来た。
魔者も、「魔王:サー」の力により陽の光を全く気にしていない。
魔者のスクリュウドライブが天邪鬼に命中した。

しかし、天邪鬼は微動だにしない。横目で魔者をにらみつけた。
その顔は、「勇者ロッカ」の顔だ。
魔者が、怯んでしまった。余りの威圧感を感じ取ったのだ。

ジュオは、それを見逃さない。パチンカーでその魔者を打ち落とした。
ジュオと爺さんが、
「天邪鬼。後は頼むぞ。」
「先に行くぞぉ。」

天邪鬼は、宙に浮上した。
洞窟の位置を確かめた。
そして、崖の縁から内側へ25〜6m移動した。
再び浮上した。

魔者や、僕が台地に上がってきた。
魔者達は、一斉に天邪鬼に向かって攻撃を仕掛けてきた。

天邪鬼は、その攻撃を気に掛ける事なく。
ただ、気を集中させる事に専念した。
台地に向かって、最大限の重量波を掛けていった。
それも、連続して。。

「ミッシ。」
「ミッシ。ミッシ。」
「ミッシ。」

二度、三度。地割れのような音が渓谷にこだました。

次の瞬間、大音響と共に、

台地に穴が空いた。崖下の洞窟が陥没した。

魔者達は、天邪鬼に向かってくるのを止めた。
崖下に、全て逃げていった。
魔王:サーを救出するためだろう。

しかし、天邪鬼にもそれを追うだけの力は残っていなかった。
台地に降り立って、歩くのが精一杯だった。

幻が、見えてきた。前に、ジュオ、爺さん、フゥォンが見える。
意識が薄れてきた。

その時、
「しっかりせぇぇ。これしきの事で、、、、」
セディ爺さんのダミ声だ。聞き覚えの有る大声だ。


天邪鬼は、先程の重量波を放つ時に魔者達の集中攻撃を受け、動けなくなっている。

「ここは、ひとまず逃げよう。」そぉ言って
ジユオが、天邪鬼を背負った。

ココ迄で、第五話第二章が終了です。

ジュオ達は、陽が落ちてからもノンビリ山を目指して進んでいたが、
少し小高い丘に出た所で野宿する事にした。
天邪鬼は、まだ一人で歩く事が出来ない。この辺りでゆっくりと寝かせてやる必要があるからだ。

その頃 魔王は、、、、、、


ページの始めに戻ります。


第五話第三章:恐ろしき魔王<前編>

ジュオと爺さんは、
野宿している時、魔者達に襲われる事を一番に心配した。
何時襲われても可笑しくない状況だか、
魔者達の方も直ぐに追っ手を差し向ける状況には無いだろう。
爺さんが、指示を出した。年の功だ。

「フゥォンは、天邪鬼の手当てをしてやれ。」
「ジュオは、とにかく休め。天邪鬼を背負って来て、相当疲れておろぉ」
「ワシは、万が一の時の為、罠を仕掛ける。」
「なぁーに。。ワシに任せておけ。」

爺さんは、目立ちそうな場所を選ぶと其処へ、仮ごしらえのテントを張った。
テントの中には、携帯用のランプも付けた。
テントの外には、周囲に細いロープを張り巡らした。

しかし、実際に寝袋を敷いたのは少し離れた、枯れ木の横たわる反対側だ
少し穴を掘って、枯れ木が陰になるように寝袋を敷いた。

それから、
爺さんは、天邪鬼を寝かせると整体を施した。
そしてフゥォンが、天邪鬼の胸を緩めて雌雄の紐で痛めた胸を固定した。
爺さんが、
「この天邪鬼は、殺しても死なんぞ。」
「整体をして分かったが、アバラ骨も既に治っておるわ。」
「今は、あの台地で洞窟まで陥没させるエネルギーを出した為の疲れじゃろうて。」

天邪鬼の辺で、ジュオが死んだように眠っている。

爺さんが、フゥォンに喋った。
「すまぬが、今夜はワシと2人で寝ずの番をしてくれ。」
そして、
万が一の時の、手筈をフゥォンに話して聞かせた。
フゥォンも、武装したままでいる。
フゥォンは、水晶玉で魔者の気配を見張っている。
爺さんは、罠の仕掛けを続けている。

どの位時間が経ったであろうか。。
ジュオが静かに、目を覚ました。
隣にでは、天邪鬼が深い眠りを続けている。

ジュオが傍のフゥォンに合図した。
「奴等が来るぞ、爺さんに伝えろ。」

爺さんも、既に気づいていた。
ジュオの所へ戻って来て呟いた。
「ここからは、ジュオの指示に従うぞ。」
「ジユオ。指示をしてくれ。」

ジュオが話し始めた。
「魔者達は、俺が引き受ける。」
「爺さんとフゥォンは天邪鬼を守ってくれ。」
「それと、爺さんパチンカーを頼むぜ。」
そう言うと、天邪鬼から緑の棒を引き抜いた。
「天邪鬼、ちょいと借りるぜ。」
「ガキの頃習った棒術の技を見せてやるぜ。」

ジュオが、ショートソードを額に鉢巻を巻いて差し込んだ。
腰には、伝家の宝刀星の剣を備えている。
「爺さんよ。仕掛けを楽しみにしているぜ。」
そう言って、ジュオはテントの向こう側に移動していった。

フゥオンの水晶の玉が赤く光り出した。
爺さんが、テントの中のランプの炎を紐で操作して少しだけ明るくした。
爺さんが、喋った。
「フゥォンよ。俺達は、命を掛けて天邪鬼を守るのじゃ。」
「この男こそ、未来を切り開く者ぞ。」
「この天邪鬼を死なせてはならん。」
「この老いぼれ、命を掛けるぞ。」
フゥォンがうなずいた。
「私は、最初からそのつもりよ。爺様。」

暫くすると、足音が聞こえてきた。
五人いや、六人ほどが近づいて来る。
闇に姿が見えてきた。
体のデカイ魔人が2人、僕が3人、間者が一人の合計六人居る。
テントを確認できる距離で止まった。
テントの様子を見ているようだ。

爺さんが、紐の操作でランプの明かりを少し暗くした。
暫くして、更にランプの明かりを小さくした。

罠に引っかかった。
六人が二手に分かれた。
「魔人と僕2人の計三人」と、「魔人と僕一人間者一人の三人」に分かれた。
テントを両側から挟む体制でテントに近づいて行く。
六人共、手には魔剣を握り、黒い魔衣を装備している。

二手の僕が一人づつ両側から、テントに近づいて行く。
残りの魔人達は、少し離れてテントを囲んだ。

テントに近づいた僕が両側から同時にテントに突入した。

爺さんが、それと同時にテントを吊り下げていたロープを切った。
更に、ランプの明かりを最大にした。
テントに火が点いた。

中から、、、
僕の悲鳴が上がった。
「ヒェェェェェェイ。。」
火ダルマに成った僕が二つ転がり出てきた。
闇の夜が明るくなった。

爺さんが、パチンカーで一番近くの僕の顔を狙った。
「ビューッ」、音と共に僕の顔が吹き飛んだ。

魔人が当たりを見渡すのと同時に、
ジユオが魔人の前に立ちふさがった。
ジユオと比べると、体は倍ほどもデカク見える。
魔人が、2人同時にジユオに切り掛かった。

ジュオは、ひるむ事無く緑の棒を振りかざした。
緑の棒が、音を発てて廻る。
「ビュ、ビュ、ビュッ」「ビュビュ、ビュ」
ガキの頃覚えた、「殺馬棒」だ。
荒馬さえ一撃で殺せる「廻し棒術」の一つだ。

魔人ドジンガーが間者に指示を出した。
シド爺達の居場所を見つけたのだ。
間者が、爺さん達の枯れ木に向かって行った。

ジュオが叫んだ。
「おい。そんな余裕を出していいのか。」
「三人で、俺に掛かってこないと勝てないぜ。」

ジュオの棒の回転は、更に速くなった。
魔人も棒をかいくぐれない。
ジュオの棒が、ドジンガーの隙を見逃さなかった。腹へ棒を突き入れた。
トドメを入れ様としたとき、エボルガーの魔剣が上から降りてきた。
ジュオは、棒を上に振り上げて剣を交わすと同時に、
バク転した。
魔人と、距離を置いた。
そして間髪をいれず、棒の先を握り、棒を支点に廻し蹴りをエボルガーに浴びせた。

間者がジユオに向かってきた。
ジュオは、額のショートソードを投げつけた。
間者は、辛うじてそれをかわしたが、、
ジュオは、立て続けに緑の棒を間者に投げつけた。
間者のどてっ腹に、緑の棒がめり込んだ。

エボルガーが素手になったジュオに切りつけてきた。
ジュオが、雄たけびを上げた。
「なめるな」
星の剣を抜いた。闇に光った。
魔剣を払いのけると、傍でうずくまっているドジンガーに星の剣を投げつけた。
「ドシュ。。」星の剣がドジンガーに深深と突き立った。

エボルガーが、叫び声を上げながらジュオに向かっていった。
ジュオは、武器がなくなった。
しかし、慌てていない。
ジュオが、エボルガーに叫んだ。
「これで、一対一だ。」
「貴様如きに、武器などいらんわ。」
「こい。日拳の怖さ見せてくれるわ。」

しかし、相手は魔剣を持っている。切りつけられると命の保障はない。
ジュオは、爺さんを背にする体制をとった。
「爺さん、頼むぜ。」内心そぉ念じた。
エボルガーが、切りこんできた。剣を避けるのが精一杯で蹴りを入れられない。

エボルガーが一瞬体制を整えようとした瞬間、
ジュオは再度、バク転し、爺さんの方へ転がった。
エボルガーが、それを目がけて切り込んできた。
「ビューッ」
爺さんのパチンカーが炸裂した。魔人の頭が半分無くなった。
「グゥゥゥ。」
まだ動いている、
爺さんが出て来て、聖剣を突き入れた。

ジュオは、気絶しそうなほどの緊張感から開放されて、ホッとした。
しかし、天邪鬼が気がかりだ。
天邪鬼は、まだ意識が戻らない。

その時、「うぅぅぅぅ。」
天邪鬼が呻きながら、ジュオを呼んだ。

「気がついたか。」ジュオが微笑む。

天邪鬼が、、、小さく喋った。
「まだ、、、次の魔者が近づいているぞ。気つけ、、、、ろ。ジュオ」

ジュオの顔が、再び、引きつった。

この局面を、どぉかわせるか?天邪鬼達の運命は??

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第五話: 第三章:恐ろしき魔王「後編」

ジュオが、天邪鬼の口元へ耳を持っていった。
天邪鬼が、テレパシーを使ってきた。
テレパシーが使えるまでには、回復した様だ。しかし、体はまだ起こす事が出来ない。
天邪鬼が、ジュオに伝えてきた。
「一人で、こっちへ向かってきている。」
「今までの奴より数段、腕の立つ奴だ。」
ジュオが、聞きなおした。
「相手は、一人か。」

「そぉだ、一人だが油断するなよ。ジュオ。」

ジュオが、爺さんとフゥォンに指示を出した。
「もぅ一人腕の立つ魔者が、こっちへやって来る。」
「この魔者は、俺が片付ける。」
「その間に、2人はここを逃げる用意をしてくれ。」
「それと爺さんよぉ。逃げる時にこの暗がり渓谷全体に火を放つ事が出来るか?」

爺さんが、
「任せておけ。この暗がり渓谷を禿げ山にしてくれるわ。」

ジュオが、再び身支度を整えた。
今度はジュオの方も一人で、魔者を迎え撃つ。
「俺が、ここへ戻ってくるまでに火付けの用意を頼んだぜ。」
「それと又、緑の棒を借りるぜ。」
そぉ言い残して、暗闇の中へ消えていった。

水晶玉と、天邪鬼のテレパシーでの誘導だけが頼りだ。
ジュオに、怖さは殆ど無かった。
魔王は別にして、
他の魔者なら、、、それも一対一なら怖さは克服出来るまでに、
格闘術の技量を上げていた。

天邪鬼から、テレパシーが届いた。
「気をつけろ、近くなったぞ。」

ジュオが、闇に向かって叫んだ。
「魔者よ、俺ならココにいるぜ。姿を現せ。」

その時、ヒューと黒い影が横切った。

ジュオが瞬間、その影に向かって緑の棒で突きを入れた。
影の中から、何か飛んできた。
ジュオが、棒で叩き落とした。
足元にそれが転がった。
コウモリだ、口ばしの大きな洞窟コウモリだ。

今度は、黒い影が網のように広がって向かってきた。
ジュオが殺馬棒の回転棒術に切り替えた。
バッシ、ピッチャ、バツシ、バッシ、コウモリが群れで足元に転がり落ちてくる。
背後からコウモリがジュオに襲い掛かって来る。
ジュオは、とっさに頭巾をかぶった。

殺馬棒の八掛け回し棒、綾掛け回し棒。
ジュオの回す、棒の音が闇の中でうなる。
「ビュ、ビュビュ、ビュ、ビュビュ。」
回転の激しさによって、超音波が起こった。

コウモリの群れがバラバラになった。

ジュオが又、叫んだ。「ケチな術を使うんじゃねぇ。このコウモリ使い野郎。」

闇の中から、黒い影が現れた。
「貴様が、天邪鬼か。」

ジュオが答えた。
「俺が天邪鬼なら、どぉしようと言うのだ。」

黒い影が喋った。
「俺は、上級魔者イゥだ。」
「戦闘なら、魔者の中でも最強と言われている。」 「貴様の生首、貰いに来た。」

ジュオが、答えた。
「あいにくと、俺はジュオと言うが、」
「自分で最強と名乗る奴で、強い奴はいないぜ。」

イゥが、更に続けた。
「お前が、天邪鬼の腰巾着か。」
「掛かって来い。雑魚が。」

ジュオが、殺馬棒の回しを始めた。

イゥが喋る、
「その棒術、先ほどコウモリ退治で見せてもらった。」
「既に、見切った。」

そぅ言うなり、イゥが宙に舞い上がった。
上からジュオに
魔者の技スクリュードライブの魔法技を放ってきた。

ジュオには、魔法技に対する防御は無いに近い。
せいぜい、緑の棒の持つ不思議な力と、殺馬棒の回転で出る超音波の壁しかない。
まともに、受けてしまった。
濃紺の布の鎧しかつけていない。後は雌紐を腰へ巻いているだけの防御力しかない。

およそ10mほど飛ばされて、地面に叩きつけられた。
意識が薄らいでいく。

「パタパタパタ。。。。」
身動きできないジュオに、先ほどのコウモリが襲い掛かってきた。

ジュオは、辛うじて顔を頭巾で覆う事しか出来ない。
手の甲は、コウモリに噛まれて血が噴出してきた。
痛みのおかげで、意識はハッキリしてきた。しかし、激痛で我慢出来ない。

「ハッハハハ」
勝ち誇ったイゥの笑い声がやみに響く。

ジュオの頭巾も破れてきて、顔からも血が噴出してきた。

イゥが、近づいてきた。
コウモリが去っていった。

ジュオは、足首からも血を噴出している。

イゥが、動けないジュオに蹴りを入れた。

「グッフ」
「ウゥゥワァ」
ジュオが呻いた。右足をへし折られたのだ。

イゥが笑いながら、
「次は、左足だ。」そう言いながら二発目の蹴りを入れた。
左足も折れた。

イゥが笑いながら、「痛いか。」
「次は、アバラ骨でもへし折るか。。」
「死なない程度にな。」
「なぶり殺しにしてくれるわ。」
そぉ言いながら、又蹴りを入れた。

ジュオは、断末魔の叫びを上げた。
薄れる意識の中で、天邪鬼との旅を思い出していた。

イゥが、笑いながらジュオの腹に小刻みに蹴りを入れてくる。

しかし、イゥの「驕り」をジュオは見逃さなかった。

ジュオは、薄れる意識の中で、腰の星の剣の「柄」を握った。
(第一話:第三章を参照)

瞬間星の剣の柄から、剣が飛び出した。
イゥは右足でその剣を蹴る格好になった。
イゥの右足首から先が、無くなった。

「ギャッッッ」イゥが叫び声を上げて後ろへ、倒れ込んだ。

ジョオは、最後の力を振り絞った。全身に痛みが充満した。目の前がかすんで来た。
イゥに向かって、星の剣を投げつけた。
そのまま、意識を失った。

ジュオの投げた星の剣は、ジュオの脇に転がっている。
投げたように思っただけで、イゥには当たっていない。

イゥが、右足首を紐で縛って止血している。
イゥがやっとの思いで、魔剣を支え棒にして片足で立ち上がった。
回りを見渡して、杖になるような物を探した。

10mほど先にジュオが使っていた緑の棒を見つけた。

緑の棒を拾って、それを杖にした。
そして、
地面で横たわる、ジュオに向かって
「くっそー。死にそこないが、トドメを入れてくれるわ。」
そぉ言いながら、ジュオに近づいて再び魔剣を抜いた。

が、、、、、、、、、
「グッゥゥ、、、、、」と言いながらうずくまった。

緑の棒の持つ「不思議な力」が働いたのだ、
魔者に対しては、封印の力を発するのだ。
緑の棒は、既に天邪鬼の超力も吸収している。
ジュオに対しては、作用しないが、、、魔者に対しては拒絶作用を起こすのだ。

イゥが、緑の棒を放り投げた。
「ウゥゥ。」
イゥの両手が腫上がっている。

イゥが、兄「イァ」に向かってテレパシーを送った。
「兄者、助けに来てくれ。不覚を取った。。。。」

ここ迄で、第五話:第三章は終わりです。

果たして、天邪鬼達は、ジュオを救出できるのか、
それとも、又しても 魔者イァ の配下の魔者達が攻めて来るのか。。

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第五話:第四章 「魔王が消えた。」

天邪鬼は、ジュオを救出するとセディ爺が火を付けた燃え盛る林の方向へ進んで行った。
まだ夜が明けきらぬ闇を炎の光が赤く照らしていた。
「燃え盛る火の中を行けば、魔者達の追跡は避けられる。」
それに、
「暗がり渓谷は魔の巣だ。焼き尽くしもう一度、獣達が住める森を作りたい。」
そんな事を思いながら、炎の中を突き進んだ。
天邪鬼は、薄いベールバリアーを作り、炎からジュオを守った。

爺さん達と再び合流したのは、その日も暮れようとした夕方だった。
暗がり渓谷を抜け、ノンビリ山へ向かう途中で落ち会う事が出来た。

爺さんのはからいで、
ノンビリ山のふもとの村に居る爺さんの知り合いの家に身をゆだねる事になった。
爺さんがまだ若い頃、武道を教えた若者の家だ。言わば、弟子の家だ。
もちろん、今はその弟子も年を重ね老人となっている。
ノンビリ山のふもとには、十軒程の家がある。
その中で、一軒だけ村の雑貨屋をしている家がそうだ。
陽が落ちる頃に、ようやくその家に辿り着いた。

訪ねると、直ぐに昔の爺さんの弟子が出てきた。
一目みると、爺さんよりも老いぼれている。
改めて、セディ爺さんの凄さが分かる。

「おーい。皆出て来い。」
その弟子だった年寄りの爺さんが部屋の奥に向かって声を掛けた。
奥からその年寄りの、息子、娘、奥さんが直ぐに出てきた。
その年寄りが、家族に喋った。
「この人は、ワシの武道の師匠じゃ。」
「話して聞かせた事もあろう。セディ先生じゃ。」

セディ爺さんが、
「紹介は、後でえぇ。それよりも、この若者の介抱をしてくれ、ユウエン。」
そう言って、ジュオを指差した。

娘と、奥さんが直ぐに奥の居間に布団を敷いてくれた。
ジュオを横にした。
天邪鬼が、足の傷を心配した。
セディ爺さんがジュオの足を確認した。
天邪鬼の気のエネルギーと雌雄の紐の力によって、骨折した部分の骨がほぼ繋がっている。
浮かぶ島の婆さんのくれた、雌雄の紐の威力には驚くものがある。

セディ爺さんの見立てでは、
「十日もすれば、歩けるようになろう。」
「とりあえず、天邪鬼も休め。」
「天邪鬼、フゥォン。ここは、遠慮はいらんぞ。ワシの家じゃと思うて休め。」
「魔者達も、俺達がここへ居るとは気が付かんじゃろうて。」

ユウエン爺さんが、息子に告げた。
「皆に、連絡しろ。セディ先生の一大事じゃ。」
「皆を集めろ。」

セディ爺さんが、ユウエン爺さんに尋ねた。
「何事じゃ。大騒ぎをするな。」

ユウエン爺さんが喋った。
「先生。昔、ワシ達が武道を教わった時の言いつけは守っておりますぞ。」
「村の家、家は、地下道で結ばれております。」
「万が一、魔者が現れたときの用心に。」
「ワシ達の家は、要塞になっておりますじゃ。」
「ご安心して、養生して下され。」
「必要な物は、何でも言って下され。」
「遠慮は要りません。」

セディ爺さんが、答えた。
「うん。世話になるぞ。」
「この天邪鬼は、魔王に勝てる只一人の男じゃ。」

「天の使いじゃ。」
「ワシ達は、命に代えてもこの男を守らねばならん。」
「ユウエンよ。頼むぞ。」

天邪鬼の目から涙があふれ出た。

天邪鬼達が、ユウエン爺さんの家で床に就こうとしている頃、
暗がり渓谷を越えた平原に在る「静かな村」に異変が起き始めていた。

「静かな街」は、この辺りでは「士気の街」に次ぐ大きな街だ。

魔者イァが、弟魔者イゥを助けて洞窟地下へ連れ戻ると、
魔王サーが僕達の介添えで、ようやく血の池から上がろうとしているところだった。

魔王サーがイァに告げた。
イゥは、傷が治るまでここへ残れ。僕達もイゥの介抱に残れ。
間者を「闇の森」へ遣わし、魔族達を呼び集めろ。
「代とイァは、静かな街へ移るぞ。」
「僕も一人付いて来い。」
「街で、完全復活するぞ。」
「それまでは、野に下るぞ。」

まだ、顔の肉もそげ落ちてはいるが、服を着て頭巾をかぶると、
体格の良い、上品な青年が顔に傷を負った風な感じになった。
イァも義手を付けて、人間の服を着ると、
今までの魔者のイメージが無くなった。
魔王サーが、数名の僕の中から顔立ちの良い僕を選んだ。
その僕にも、人間の服を着せた。
誰が見ても、「三人連れの旅人」風になった。

魔王サーが、旅発つ前にイゥに告げた。
「傷が治り次第、闇の森へ移れ。」
「魔族達を集結させて、アジトを築け。」
「そして、代の命令が有るまで里へは出るな。」
そして、さらに続けた。
「天邪鬼を見くびり過ぎたわ。」

「イゥ。決して、闇の森のアジトを気ずかれてはならん。」
「天邪鬼は、代が始末する。」

そして、
魔王サー達三人は旅人となって、「静かな街」の一軒の宿に泊まっていた。

静かな街へ野菜を売りに行こうとしていた若者が、途中行方不明になり、
夕方になっても自宅へ戻っていない事など、まだ誰も知らなかった。


ここ迄で、第五話は完了です。

続きは、第六話:【運命】を、お楽しみに。


ページの初めに戻ります。

wujingと天邪鬼の正門