■ 天邪鬼:「未知なる道へ」第四話

※ 第四話:決戦「未来は見えるか!」です。。

第一章「もう一つの竜」/  第二章「決戦:双頭の竜」/  第三章「魔者との死闘」/ 第五話「魔王復活」

第四話: 決戦「未来は、見えるか」

いよいよ、天邪鬼の旅もその目的なる者が見えてきた。いざ決戦に向けて、一刻一刻とその輪を狭めていく。

天邪鬼は、勝てるか?生き残れるか?未来を見る事は出来るか?


それでは、第四話:第一章のはじまり。

第一章: 「もう一つの竜」

深い山のボス竜を倒して、
俺は、ひょっとしたらと思い、、、
浮かぶ島の方角に向かって、気を送ってみた。
山ひとつ向こうだ、届くかもしれないと思った。
それに、気の力も強くなっている筈だ。
「婆さん。竜を倒したぜ。。。。。」
すると、どうだろう、、、、、、

婆さんの気だ。やったぜ。。
「さすが、お前さんじゃ。もぉ仕留めおったか。」
「じゃが、これから先決してあなどるで無いぞ。心して行けよ。」
俺は、返事ついでに気で尋ねてみた。
「婆さん。堕天使のサーはどこで、復活するのか教えてくれ。」

暫くして、婆さんから
「あほうぉ。。。この婆はそれほど意地悪ではないぞ。」
「復活する場所を知っていたら、とっくに教えておるわな。」

暫くしてもう一度、気が送られてきた。
「年のせいかのぉ、さすがの婆もボケておったわ。」
「ノンビリ山に住む、セディ爺を訪ねてみぃ。」
「爺さんなら、サーの復活する場所を知っておるやも知れん。」
「それからのぉ、婆の気の届くのはその辺までじゃ。」
「そっから先へは、もぉ届かんでのぉ。」
「気をつけて行くがえぇ。」

ノンビリ山は、士気の街の反対方向へ歩いて5日程の距離にある。

それから5日目にノンビリ山に辿り着き
小高い山頂を探索していると、
「あった。。」
やっと見つけた。セディ爺さんの家だ。
何かしら、婆さんの家に感じが似ている。

ジュオが声を掛けようとするのを、俺は制止し、
家の外から、
気を送ってみた。
「婆さんが紹介する爺さんなら、気を受けるぐらいできるはずだ。」
案の定。
家の中から、体格のがっしりとした。爺さんが出てきた。

爺さんが喋った。「誰に、聞いて尋ねてきたのじゃ。」
ジュオが答えた。
「浮かぶ島の婆さんにだよ。」
「入れ」
爺さんが、俺達を家の中に入れてくれた。

「よぉ来たのぉ」
「要件は、聞かずとも分かっておるわ。」
「じゃが、先に一つ教えてくれ。」
「婆さまは、元気か。」
爺さんが俺達に喋ってきた。

俺達は、それから婆さんとの出会いを話して聞かせた。
爺さんは、
時折涙を見せながらも顔は、崩れる事は無かった。
婆さんの話を聞き終えると、
爺さんが、喋り始めた。

「堕天使の復活の場所は、ハッキリとは、この老いぼれにも分からんのじゃ。」
「しかしじゃ、」
「堕天使が復活しても、完全に元の力を得るには時間が掛かるし、」
「【魔者】の力添えが必要なのじゃ。魔者が居なければ、復活しても魔王にはなれんのじゃ。」
「間者とは違うぞ。間者は雑魚じゃ。」

「それゆえ、堕天使:サーは魔者の居る場所にしか、復活せんはずじゃ。」
「サーが復活する前に、一人でも多くの魔者を倒しておく必要があるのじゃ。」
「さすれば、復活する場所は限られてくるからのぉ。」

ジョオが質問した。
「爺さんよぉ。なら、俺達が倒した深い山の竜はどっちの部類じゃ。」教えてくれ。
爺さんが「あの竜は、ちょうど中間あたりの竜じゃ。」
「完全な魔者ではないはずじゃ。」
それを聞いて、俺達は少し寒いものを感じた。

爺さんの話は、まだ続いた。
「魔者の中で、まずは双頭の竜は倒しておく必要があろう。」
「しかし、双頭の竜は手強いぞ。並みの竜ではないぞ。」
「それから、上級魔者は倒しておく事じゃ。3〜4人はおるはずじゃ。」
「そのほかにも3人ほど、手強いのがおるはずじゃ。」
「こいつらを先に倒しておけば、」
「たとえ、サーと言えど元の力を取り戻すには相当な時間が必要じゃろう。」

「双頭の竜を倒せば、糸口が見つかるかもしれん。」
「居場所は、この玉が教えてくれよう。」
そう言って、ジュオに小さな水晶玉をくれた。
「この玉は、魔者に近ずけば赤く光って教えてくれる。」
「このノンビリ山を過ぎて、
修羅の山に入ったらもはや魔者の領域と心得ておくがよかろう。」

俺は改めて、誓った。
「堕天使、サーは俺が倒す。」

俺達は、爺さんから色々な助言を聞き、
夕方、修羅の山に向かった。
修羅の山には、まだ3〜4日はかかりそうだ。

ついに決戦の時が迫る。
魔者が、ひしめく修羅の山、果たして何が待ち構えているのか。
強敵「魔者」との戦いに、2人は生き残れるのか。

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第四話:第二章「決戦:双頭の竜」

修羅の山。
そこは、鬼さえも食い殺す魔者達の住む場所。
人の侵入を拒むように、山の裾野には漆の木が密集している。
少し入ると、笹竹が山を覆うが如く生えている。
その中を潜り抜け、闇の中に入って行った。
「光あらば、闇も有ると知れ。」そう言いたげな闇の森となっている。

「出るなら出て来い。」
「俺達は逃げない。」
「臆したか、双頭の竜よ。」
俺は、見えぬ敵に気を送った。

「天邪鬼。気をつけろ。出てくるぞ。」
「水晶玉が光っている。」
ジュオが、そぉ言った時だ。

「弱き者よ、何用か。」
「生きては帰さん。」双頭の竜が現れた。

思ったより、ずっーと小さい。
胴は、牛よりも小さい。尻尾も2mほどだ。
しかし、その威圧感は深い山の竜などとは比較にならない。
見るからに、すばしこい動きも出来そうだ。

ジュオに俺から離れるように気で伝えた。

「来い。双頭の竜よ。」
「俺を見くびるなよ。」
俺からの戦闘開始の挨拶だ。

竜からギドラビィームが放たれた。
それも、双頭だ、クロスで向かってくる。
「かわせない。」俺は、バリアーを張った。
ビィームを食らった瞬間10mほど飛ばされた。

立ち上がったとこへ、竜が飛んできた。
空中よりそれも至近距離で、再びビィームがクロスで来た。

俺は瞬間的に、球体バリアーに切り替えた。
ビィームが当たった時、球体バリアーごと空中に上げられた。
竜が体当たりして来た。

「今だ。」
俺は、バリアーを解除すると同時に、衝撃波をぶっけて行った。
双頭の竜が地面に落ちた。
構わず、重量波を上空からお見舞いした。
が、、、、
「逃げた。」
「俺の重量波をかわした。」

「どこへ逃げた。」そぉ考えた瞬間背後から、ビィームが来た。
まともに受けてしまった。
地面に叩きつけられた。
だが、婆さんに貰った雄紐のおかげか。受身は出来た。
しかし、相当なダメージを食らってしまった。

竜が近づいてくる。
「ふん。口ほどにもないわ。」
「餌にしてくれよう。」
「とどめじゃ。」
俺は、竜の油断を見逃さなかった。
今度は、至近距離から俺の重量波をお見舞いした。

「グゥェ」
悲鳴を上げながら、竜は崖にぶち当たった。
崖が崩れ落ちた。
「死んだか。」俺はそぅ思った。
ピクリとも動かない。
が、、、
次の瞬間
二つ有る頭の一つが、俺にリトルビィームを放った。

俺は、又まともに受けてしまった。
しかし、地面に叩きつけられる事だけは防いだ。
「油断は禁物」婆さんの言葉が、頭をよぎる。
竜は、どこだ。
「崩れた崖のところに居る。」
「少しは、ダメージを受けたようだ。」
俺は、竜に向かって電撃波を放った。

竜も同時に、ギドラビームを放ってきた。
空中で、それらが交差した。
「ビッシッィ、ビッシッィ」凄い爆発音となった。
少しだけ、俺のが勝ったようだ。
勝った分だけ、電撃波が竜に当たった。
竜の鱗が、虹のように空に舞った。

竜が、気を送ってきた。
「なめるなよ。」
竜が水平に向かってきた。強力な尻尾の攻撃だ。

波紋を集める間が無い。
竜の尻尾攻撃を廻し蹴りでかわした。
足に激痛が伝わった。足首を捻挫したらしい。

竜は、尻尾の軟骨が折れたらしい。くの字に曲がっている。
が、、、
竜が気で喋った。
「尻尾なら、なくても良いわ。」
「そのうちに、自然に治るわ。」
次の瞬間ビィームを放ちながら、再び水平に向かってきた。

足を捻挫して、動きが取れない。
ビィームは、バリアーで防いだ。
体当たりを食らった。
俺の方が、崩れた崖まで飛ばされた。
崖にぶち当たった。
球体バリアーを張っていたので、ダメージはさほど無い。

波紋を集中させた。
バリアーを取り払った。バリアーは透明だ。
竜には見えない。

竜が踏み潰しに来た。
まともに踏み潰されると、死ぬ。
転がりながら、竜の足の爪を交わした。
俺は片足で、渾身の力で空に舞った。竜の背に乗った。
「食らえ。波紋。」
鱗がはげ落ちて、地肌が出ている背肉へ、
俺は波紋を流し込んだ。

双頭のうちの片方が、ガクと首をうなだれた。
先ほどの崖にぶち当たって、ダメージを多く受けていた方だ。
片方は、まだ俺を背から振り払おうとしている。
竜がしゃがみ込んだ。
残る片方も首をうなだれた。

勝った。
「やったぜ。婆さん。」

ジュオが俺に肩を貸してくれて、ようやく立つ事が出来た。
そして、ジュオが星の剣を竜の首元へつきたてた。
とどめを刺した。

まだ「修羅の山」へ入ったばかり、鬼さえ逃げると言う魔者。
果たして、天邪鬼たちの運命は?

◎ 皆様へ
ここまでは、Simpel Qestの小説募集への応募作品です。
「第四話:第三章」からはHPでの連載となります。引き続きお楽しみ頂ければ幸いです。

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■この辺りで、天邪鬼が使う「超能力」を簡単に解説します。

第四話:第三章:「魔者との死闘」

<その一>「進む」

修羅の山への入り口の守、双頭の竜との戦いは、まだ序章にしか過ぎないだろう。
ここは、「山」と名がついているが地形的には「森」である。
しかし、「山」と呼ばれるだけの風格がある。
立ち入る者に圧倒的な威圧感と恐怖感を与えてくる。

誰かに、「見られている」そんな雰囲気が常に漂っている。
おそらく、修羅の山の主なる魔者の「長」は双頭の竜が倒された事は、
先刻承知のはずだ。
次なる者は、どのような者が立ち塞がってくるのか。
どんな奴を差し向けて来るのか。
更なる敵は、屈強たる修羅となった魔者が現れるであろう。
魔者に恐れをなして、「立ち退くか、」それとも「進むか。」、、、、、、、、

「決まっている。」
俺達は、
「一命を掛けて、魔王なるサーを倒すが為に来た。」
「魔者如き、恐れはしない。」
「魔者を待つなど、俺達の選択肢にはない。」
「未だ見ぬ魔者の長よ、待っていろ。その首貰いに行く。」

双頭の竜を倒して、そのまま近くで野宿す事も考えた。
ジュオの水晶玉も光っていないし、そこで野宿しても良かったが、
何故か、
先に進む事を選んだ。

足の捻挫は、婆さんの雄紐のおかげで、殆ど痛みはない。
歩行も普通に出来るが、完全に回復はしていない。
「今の状態で、魔者に相対する事は不利だ。」そぉ、思った。
ジュオも、賛成だ。

俺達は、あえて夕刻の不気味な闇の中を奥へ進んだ。
薄気味悪い闇の森だか、
「寝込みを襲われるよりはマシだぜ。」とジュオが笑う。
暫く歩くと、
ジュオが
「ちょっと待っていてくれ、良い木が有るわ。」と言って
傍の木を星の剣で切って、
「これは栃の木だ、樫の木より密度が高くて非常に丈夫な木だ。」
そぅ言って、2m程の棒を削り出してくれた。

「天邪鬼。足が完全に治るまでは、これを杖代わりに使え。」
「万一魔者に遭遇した時も、この棒が有れば時間稼ぎぐらいにはなるぜ。」
そぅ言いながら、俺に、
棒術の手ほどきをしてくれた。俺が聞くと、
「子供の頃から、家の近くに住んでいた警察官の叔父に習っていた。」そぅ教えてくれた。
「道理で、、剣の筋が良い理由が・・やっと分かった。」
ジュオに基本の型を教えてもらい、暫くは「栃の棒」を杖代わりに使うとしよう。

今まで武器は手にした事はないが、
只の棒でも、有ると気分が少しだが落ち着くものだ。
森も、闇の中に埋もれてしまった頃、
大きな枯れ木を見つけた。
「今夜は、この枯れ木の上に寝ようぜ。」
ジュオが先に上がり、俺を引っ張り上げてくれた。
「灯台元暗しだ。」
「さすがの魔者も、まさか膝元近くで寝ているとは考えまい。」
そぅ良いながら、眠りについた。

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<その二>「遭遇」

暫くウトウトしただろうか。ジュオが、小さな声で、
「おぃ、起きろ。静かにな。」
そぉ言いながら、俺を揺り起こしてきた。
俺も仮眠程度だったし、直ぐに気がついた。
又、ジュオが小声で、
「あれを見ろ。」

見ると、俺達が寝ている大きな枯れ木から、わずか10m程の場所で、
魔者の僕(しもべ)と見られる者二人が、大きな狼を仕留めようとしているのだ。
少し、離れた場所に貫禄有る魔者らしき者が2人立っている。
全部で四人らしい。他にはいないようだ。

「俺達を探しに来たのだ。」
「途中の腹ごしらえと言う事だろう。」
幸い、俺達には未だ気づいていない。
ジュオが聞いてきた。
「天邪鬼、足は大丈夫か。」
俺は、忘れていた。
「何ともない。婆さんの雄紐のおかげだな。」そぉ言いながら、腰紐に巻き替えた。
攻撃するか、このままやり過ごすか。暫く様子を見る事にした。
すると、、、
仕留めた狼を、俺達のいる木の近くへ引っ張ってきた。
魔者と思われる者が、それを生のまま食べだした。

ジユオが、剣を握った。闇の中に緑に光る星の剣が現れた。
俺は、精神を集中した。
気で、ジユオに合図を送った。
「魔者の2人は、俺がやる。」
「お前は、僕を頼む」

ジュオが、魔者達に木の上から声を掛けた。
「オーィ。俺達を探しているのじゃないのかぁ。」
「余裕を出して、食事かぁ。」
言い終わらない内に、魔者が叫び声をあげた。
「ギュルルルルゥ。」

魔者の一人が、叫びながら宙に舞い上がってきた。
俺は、最大強の重量波を浴びせてやった。
そいつは、地面に叩きつけられて潰れた。
いかに魔者と言えど、まともに最大強の重量波を食らったらひとたまりも無い。

ジュオは、木から飛び降りざまに、僕の一人に剣を突き立てた。
僕も、残るは一人になった。

残った魔者が、大声を出した。
「ギュルルルゥ。貴様ら生きては返さん。餌にしてくれるわ。」
「闇討ちとは、小ざかしい。」

俺は構わず残る魔者にも、重量波を見舞って行った。
魔者が、
「同じ手は食わぬわ。」
動きが早い、かわされた。
魔者の攻撃だ。
スクリュウドライブを放って来た。
バリアーを張ったが、そのまま吹き飛ばされた。

着地した時、ズツキと足首に痛みが走った。
「まだ、完全には足の傷が癒えていないな。」
だが、杖がある。
「何とか立ち上がった。」
ジュオが心配になった。
ジョオが苦戦している。僕と言えど、並みの相手ではない。
一瞬、他の事に気を取られた。

その時
二発めのスクリュウドライブが向かってきた。
俺は、バリアーを張ると同時に、
ジュオの作ってくれた、杖がわりの「栃の棒」を投げつけた。

スクリュードライブが来た。
また、吹き飛ばされた。
今度は、地面に叩きつけられた。
「バリアーが無かったら死んでいたかもしれない。」
「立ち上がれない。」

魔者が、叫んだ。
「口ほどにも無い。」
「とどめを刺してくれよう。」
そぉ、言いながら俺の投げつけた、杖を拾った。
「杖が無くては、立ち上がる事も出来ぬか。」
「この杖で、とどめを刺してくれようぞ。」

「勝った。」俺は心の中で、そぉ言った。
俺は、腰の紐で足首を縛った。
「痛みが、引いた。」

魔者が近づいて来た。
「いまさら、足の治療か。死ねっっ。」

「死ぬのは、貴様だ。」
「その杖を握ったのが、身の破滅だ。」
「その杖には、波紋を送り込んである。」
「既に、波紋はお前の体に入ったはずだ。」
俺の言葉が、終わりきらないうち、、、、、魔者は、、、、、、

「何ぅ。。。。。。」
そぉ言いながら、しゃがみ込んだ。
「お、、お前も、道連れにしてやる。」

三発目のスクリュウドライブを放ってきた。
しかし、三発目は俺の衝撃波と衝突し、消滅した。

天邪鬼は立ち上がると、魔者から杖を取り上げた。
そのまま、魔者に杖を突きたてた。

ジュオが危ない。
ジュオは、僕のドレインに根負けしている。
「ジュオ。根負けするな。」
俺の声に、うなづいた。

僕が喋った。
「僕と思って、舐めておるのか。」
「お前ら2人、頭様のみやげにしてくれるわ。」

僕の動きが、早くなった。
又、ドレインした。
魔術は使えぬが、敏捷性なら魔者にもひけを取っていない。
僕の刀が、ジュオの左腕をかすった。
「うぅぅぅ。」ジュオが唸った。

僕がジュオに飛びかかろうとした。
俺は、とっさに持っていた杖を僕に投げつけた。
僕は、杖を自分の刀で払った。
「カキューン」
鋭い音を立てて、僕の刀が折れた。

一瞬、僕も「まさか」と言うような表情をした。
杖を投げた俺は、もっと驚いた。
「栃の木で作った杖が、僕の刀を折った。」
ジュオも驚いたのか、僕の隙を見逃した。

僕が、刀を捨てた。
「手傷を負った貴様らなどに、刀は不要じゃ。」
そぉ叫ぶと、ジュオに上段蹴りを放っていった。

ジュオも既に左腕には、婆さんに貰った雌紐を巻いている。
僕の蹴りを、かわした。
そのまま、僕の左足のすねに地獄蹴りを入れた。
まともに入った。
「グゥッキ」
ジュオも、学生時代は日拳の副将だった男。
僕のすねの骨が折れた。
しかし、まだ立ち向かって行こうとしている。
恐ろしき僕だ。
とどめは、ジュオが剣を突き立てた。

ジュオが、
「さっきは、危なかった。」
「天邪鬼が杖を投げてくれて、命拾いしたよ。」
「それにしても、あの杖はいったい。どうなっているだ。」

俺は、杖を取ってきた。
「杖が変化している。」
「以前の杖ではない。」
重さ形は、同じだが不思議な棒に変化していた。

【天邪鬼の新しい武器の解説】

ジュオが栃の生木を星の剣で削りだした時に、
「不思議な石の持つ神秘の力の影響を受け。」
さらに、
天邪鬼が波紋を、注ぎこんだ時、
「天邪鬼の意思を感じ取る緑の棒」に変化したのだ。
この「緑の棒」は屈強な武器にして、天邪鬼の手に持つ唯一の武器と成った。/解説終わり。

俺もそうだが、ジュオも左腕に深手を負ってしまったらしい。
今ここで、新たなる魔者に遭遇したら危ない。
俺達は、身を潜める場所を探した。

「ジュオ。ここは、危ない。移動しょうぜ。」
「天邪鬼。お前の足は大丈夫か。」
2人とも、危機感を感じていた。新たなる追っ手が来たら、
「殺れるかもしれない。」
とにかく、ゆっくりと休める場所を探さなければ、、

果たして天邪鬼達は、身を隠す場所を探す事が出来るのか、運命はいかに。


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第四話:第三章<その三>「魔者との死闘」前夜

闇の中で恐怖感を覚えながら、隠れ場所を探すなど、
俺たちは、考えてもいなかった。
しかし、今の状態なら「隠れる」事が生き残る事に繋がる。
2人とも焦っていた。
だが、冷静さは欠いていない。慎重に闇の中を進んでいった。

何気なしに、
「それにしても、腹が減ったな。」そんな事をジュオがつぶやいた。
又、ジュオが
「さっきの魔者の奴ら、生肉を食べていたな。」
「不味いのにな。あいつら平気やな。」

又つぶやいた。
「ひょっとして、奴ら『火』が苦手と違うか。」
俺も、
「そぉかも知れんな。」そぉ思った。
2人とも、立ち止まった。
もし、ほんとに「火」が苦手だったら、、、、武器になる。
「戦い方にも巾が出てくるしな。」

そんな事を喋りながらふと見ると、
前方の茂みの中からキラ、キラと光るものが見えている。
なんだろうか。
用心しながら、キラキラ光る正体を確かめに近づいた。
ジュオは、剣を握って身構えている。
俺は、呻いた。「うぅん。」目の前に小さな池が見えて来た。
光る物の正体は池の水面だった。

「ジュオ、あの池の中に隠れよう。」
「冗談だろう。池の中に隠れたら死んでしまうぜ。」
ジュオが、本気にしない。

「ジュオ。以前巨人族に遭遇した時、球体バリアー毎、地中に埋もれた事があったろう。」
「球体ハリアーで池の中に沈むのさ。」
「相手の攻撃さえ受けなければ、相当な時間はバリアー消滅はない筈だ。」
俺の説明に、ジュオも渋々納得した。

目を凝らして、池を良く見ると、幸いな事にドブのような臭いがある「ドブ池」だ。
ここなら、見つかる事もあるまい。
暫くは、時間稼ぎが出来そうだ。

俺達は素早く準備して、池の縁に移動した。
俺は、「バリアーを張った。」
池の縁から、反動をつけて転がり落ちた。
少しだけ、重量を掛けて沈めた。

ジュオが、質問してきた。
「おぃ、天邪鬼。バリアーから出る時は、如何なるんだ。」
俺は、答えてやった。
「ずぶ濡れさ。。」
「な、何。。」ジュオが悲鳴を上げた。
俺が、又言ってやった。
「何なら、今すぐ出るか。。」
ジュオも諦めた。

どの位、経ったのだろうか、少しだけ陽が差し込めてきた。夜が明けたのだ
でも、外を見ても濁っていて何も見えない。
ジュオが、セディ爺さんに貰った水晶玉で、魔者が近くに居るかどうか、気配を見ている。
「天邪鬼、気配はないみたいだぜ。」
「それにしても、腹が減ってきたな。」ジュオが呟く。
「ジュオ。我慢しろ、傷が治るまでは食事抜きだ。」
でも、腹が減るなどと感じる事は、体が回復してきた証拠だ。

あと、どの位バリアーの中に居れるか。
精々あと2〜3時間だろう。息が苦しくなり始めている。
それから、2時間ほど経っただろうか。

「限界だ」
「息苦しい」
バリアーを浮上させた。幸い、池の縁から近い場所だ。
ジュオに合図して、バリアーを取り払った。
「うぇ。。」
凄いドブ水の中だ。

ドブ水を飲まないように、犬かき泳ぎで池の縁まで辿り着いた。
俺が先に上がり、ジュオを引っ張り上げてやった。
2人で、顔を見合わせて、
「何だ。。お前の顔は。。ドブ鼠だぜ。」
「お前こそ。。ハハハ。」二人で大笑いした。
「それにしても、くせぇな。」
その時、

ジュオの水晶玉が光りだした。
俺達は、直ぐ脇の木陰に身を伏せた。
魔者の僕とその手下達だ、近くに来た。
すると、手下の三名が、、、
「な、何と」先程の池に入っていった。池の縁の浅い場所で何やら探し始めた。

その様子からして、何かを取っているか、捕まえているようだ。
目を凝らしてよく見ると、どうやら「魚、スッポン亀、蛙、トカゲ、」
「うぅ。蛇までも」「こいつ等は、食料調達班のようだ。」
池の縁に立っている僕の腰には、野鼠が数匹と狐らしき物を、ぶら提げている。

「こいつらの後をつけよう。」
ジュオに気で合図し、用心深く5〜60m離れて後ろをつけていく事にした。
「こいつらは、必ず魔者達のアジトへ戻る筈だ。」
体が、ドブで気持ちが悪いが、傷の方はもぉ心配ない。
「こんなチャンスは二度とない。」
「安全に、奴らのアジトへ辿り着ける。」

やつらは途中何度も、食料となる獲物を捕らえては、その量を増やしていった。

2〜3時間経っただろうか、平原に出た。
「隠れる場所が無い。」
もぉこれ以上は、後をつけられない。

そぉ思った矢先、
「奴らが視界から消えた。」
「階段を下りていく感じで消えていった。」
「あのあたりに、入り口があるのかもしれんな。」

しかし、あの入り口付近までは、2〜300mは有る。
今あそこまで行くには危険だ、俺達は夜まで待つ事にした。

夜までの間、ここに居ては奴らの通り道だ、他の奴に見つかる危険が有る。
俺達は近くの茂みに、夕刻まで隠れている事にした。

それにしても、腹が減った。もぉ、まる一日以上何も食べていない。
ジュオは、盛んにあたりを物色している。
俺も
何か、食べられる物はないか。あたりを物色した。
ジュオが「おぃ、あれを見ろ。」と前方を指差して合図して来た。

少し、離れた場所に野生の柿の木がある。
よく見ると柿の実がついている、良く熟れていて美味しそうだ。
だが、今は近づけない。食事も夜までお預けだ。

ジュオと交代で仮眠を取りながら、夕刻を待った。
どんな作戦を立てれば良いのかを、2人で考えた。「火」だ。
焼き撃ちを掛ける事にした。しかも、夜明けを待ってから。。

俺もそうだが、ジュオも同じ疑問を抱いていた。
「奴らは、この修羅の山に篭もったままだ。」
「何故なんだろう。」
「ここは、非常に茂みが多い森になっていて陽が当たりにくい。」
「陽の光も、好まないのだろうか。」
「しかし、100年前は人々を襲ってきている。」
俺達は、そんな事を考えていたが、

有る事に、思いがいった。
「魔王:サーも復活して、元の力を得るには相当な時間と共に、魔者達の力添えが要る。」
「魔者達も、魔王の居ない間は何か弱点が有るのではないか。」
だから、
「魔王の復活の時までは、修羅の山から出てこない。」
「出て、来れないのではないか。」
そぉ、考えた。

弱点は「火」と「陽の光」だ?

「万一、火が効果が無い場合でも、時間稼ぎにはなる。」

「あの、魔者達の巣になっているアジトで見つかれば、」
「魔者達が、総勢で押しかけてくるだろう。」
そぉ成れば、勝てる保障はない。

夜明けを待っての「焼き撃ち」に賭ける。

しかし、
「火の効果が無い場合は。。。。。」

だが、
「少くとも火を放てば追って来る人数は減るだろう。」
「一度に、総勢で向かっては来れまい。」
後は、「火」の効果を祈るしかない。俺達の感が当たるのか。

ジュオが言う。
「天邪鬼。お前は天の子。」

花屋の女主人が言っていた。
「どんな敵が来ようとも、恐れてはなりません。」

俺は、心の中で誓った。
「魔王:サーを倒すため、魔者ごときに遅れは見せん。」


第四話:第三章<その三>「魔者との死闘」生か死か


夕暮れになった。
俺達は、胸の高鳴りを感じていた。
恐怖感は、不思議となくなってきた。
これからの戦いを、どぉくぐり抜けて行くか。
魔者達の、狼狽する姿までが浮かんでくる。

魔者達も、俺達の居場所を探している筈だ。
まさか、こんな近くまで来ていようとは、想像もしていないだろう。

完全に闇に包まれた。「始めよう。」
どちらともなく、声を掛けた。

武器を点検した。
俺は、「緑の棒」そして、「雄紐」をしっかりと腰に巻きつけた。
「ショートソード」はジュオに預けた。ジュオの投げ剣に使えるからだ。
ジュオは、「星の剣」と「シュートソード」を2本、そして「雌紐」を腰にしっかりと巻きつけた。

それから、火の付き易い枯れ草を袋に詰め、一袋づつ背に負える様にした。
枯れ木の小枝も、用意した。
生木を利用して、火を飛ばす弓と矢も用意した。
錯乱さすために、投石用の小石も用意した。
それと、少量だが瓶入りの「野宿用の燃料」が、各自一本づつ有る。
「これは、火をつける際の導火紐として使えるだろう。」

ドブ池で、濡れた衣服もすっかり乾いている。
ズボンの裾も邪魔にならないように紐で縛った。
顔には、、、、、何も塗らなくて良いようだ。。。二人とも、まだドブで真っ黒だ。

暗くなって来た。よし、腹ごしらえだ。
暗闇の中を、慎重に慎重に、先ほどの柿の木に近づいた。
枝から柿の実を二つもぎ取った。
「ガッブッッ」
「ウェッッ」

渋柿だ。
だが、食わずにはいられない。腹が減りすぎている。
何とか、一個食べた。
一個で、十分だ。。。渋くて食べれない。

柿を食べ終わって、更に、、暗闇の中をアジトの入り口と思われる付近へ、
慎重に慎重に接近した。

「有った。。」
少し、窪んだ地形のなかに五角形のような背の低い建物が窺がえる。
表面は、枯れ草や小さな木で覆われている。
たぶん中は、地下構造になっているのだろう。
一箇所だけ、草が生えていない場所が見える。
「あれが、入り口に違いない。」

入り口付近を、少し観察していると僕の手下が巡回している。
巡回間隔を測って、入り口まで近づいた。
又、手下が帰ってきた。
俺が、
「後ろから、羽交い絞めにした。」
と同時にジュオが、
「頚動脈へショートソードを突き立てた。」
何とか、進入した。しかし、急がねば何時、手下を殺った事が知れるかもしれない。

中に、入ると同時に
昼間、2人で作戦を練った通り、
「二手に分かれた。」
一人づつが、出来るだけ奥まで進み、火を付ける準備をする為だ。

夜明けまでに、後3〜4時間だろう。
その間は、俺の気で連絡を取り合う事にした。
危険は大きいが、それだけ効果も大きいだろう。

俺は、左へ進んだ。
少し奥に入ると、思ったとおり階段になって地下に降りるようになっている。

下へ降りる前に、この階段の裏側に枯れ草を詰め込んだ。

階段を下りて、角を曲がると小さな部屋に差し掛かった。
凄い臭いだ。
用心しながら、中を覘いて見た。
「先程の食料班の手下達が取ってきた、食料を乾燥させて干物に吊るしてある。」
臭いには参るが、「火を付けるには、持つてこいだ。」
気持ちは悪いが、良く乾燥した物だけを集めてその中に枯れ草を入れて火付けの仕掛けをした。
地下一階の突き当たりまで来た時だ。

地下二階から階段を上がってくる足音がして来た。
俺はすぐ引き返し、先程の干物の食料部屋に隠れてやり過ごした。
「うん。奴は、手下の者だ。ひょっとして、入り口の巡回の交代の奴かも知れんな。」
俺は、後をつけた。
やはり、交代の手下だ。
外へ出たところで、始末した。

ジュオに気を送った。
返事が来た。
地下三階の石室のような場所に居るらしい。
又、ジュオからだ。
「天邪鬼、ここは大変な場所だぜ。」
「魔王の復活の場所として、準備中みたいだ。」
「ここには、燃えそうな物がないが、入り口のドアだけが木製だ。」
「このドアを燃やせば、奴らきっと慌てるぜぇ。」

俺は、気でジュオに合図した。
「余り、無理はするな。」
「そこに、仕掛けたら、合図するまで、隠れていろ。」

巡回の手下を始末して、元の場所に引き返した。
こちらの、地下二階は奴らの居間になっているようだ。
居間には、数人がいるらしい。話し声も聞こえてくる。
居間の直ぐ隣の空き部屋へ、入った。
乱雑に成っている。たぶん手下達の部屋だろう。

ココから先へは行けそうにない、
この部屋に持ってきた枯れ草や枯れ木で火付け用の仕掛けを作った。

ジュオに、気で合図した。
「準備が出来次第、火をつけろ。」
「導火紐で、どの位の時間が稼げるんだ。」
ジュオから返事が来た。
「精々、5分かな。」
俺が、再び確認した。
「5分で、いり口まで戻れるか。」
「戻れなくても、戻れ。」
「外へ出たら、この建物の上を覆っている枯れ草にも、火をつけてくれ。」

待つ事、約20分。ジュオから合図が入った。
「今から火付ける。」
「火をつけたら、入り口へ移動する。」
「後は、運を天に任せたぜ。」
「点火したぜ。」

俺は、魔者達が火に気付くのを、居間の隣の空き部屋で待つてから、
火を付ける事にした。
5,6,7,8分経っただろうか、ジュオからも返事が来ない。
まだ入り口まで、戻っていない様だ。
その時だ。

「グォォォ。グルルルル。」魔者達の叫び声が響き渡った。
居間に居た、手下達がジュオが火をつけた石室の方へ飛び出して行った。

俺も、直ぐ火をつけた。部屋が赤々と照らし出された。
「ここは、まさしく魔者の巣だ。」
周囲には、餌食になったであろう、人の頭髪も散乱している。
「化け物め、ゆるさん。」

俺は、燃える枯れ枝を一束、隣の居間にも投げ入れてやった。
先ほど居た、手下達の姿は無い。
居間にも、火がついた。
居間も赤々と照らしだされた。
「居間にも、人の屍が散乱している。」
長居は、無用だ。

直ぐに、一階の階段へ引き返した。
食料の干物部屋にも、火をつけた。
先ほどの居間の方でも、「グォォルルルル。」と魔者達の叫び声が上がった。

「もぉ、遅いわ。」
「お前達の餌食になった人達の、悔しさを知れ。」

地下への降りる階段へも、火をつけた。
追っ手は、来ない。
「火の効果があるんだ。」
その時、ジュオからの返事を感じた。
「今、外の枯れ草にも火を放ったぜ。」
「それに、外は朝陽が出始めたぜ。」

その時、僕達が煙にむせびながら追ってきた。
階段には、もぉ火が廻り始めている。
俺は、階段の上から、
火に怯え、煙にむせぶ僕達に衝撃波を、お見舞いしてやった。
僕達は、煙の中へ消えていった。

今度は、重量波を壁に向かって放った。
ポッカリと壁に穴が空いて、風が入ってきた。
火の勢いが増した。おまけに、陽の光も差し込みだした。

俺も、外へ出た。
ジュオが心配して、駆け寄ってきた。
建物の上の枯れ草も、勢い良く燃え出した。

出てくるぞ。
魔者が、出てくるぞ。その時が、勝負だ。

俺は、精神を集中した。
ジュオは、入り口から「火の矢」を中に向かって放っている。
この火の中を出てこれるのは、魔者ぐらいしか居まい。

俺は、入り口から下に向かって最大級の重量波を放った。
「ガッガガッッッ」「ドッドドッッ」
地鳴りと共に、建物の屋根が崩れ落ちた。

その時だ、黒装束の魔者が四人と僕が2人。剣を構えて飛び出てきた。
ジュオの「火の矢」が魔者の一人に当たった。
「グゥェ」と言う悲鳴を上げて、転げ回っている。
「火の効果は、想像以上だ。」

俺は、再び重量波をお見舞いしてやった。
魔者も、弱っている。一人は、かわし損ねて潰れた。

残り魔者が二人と僕が二人。
手下共は、全て焼け死んだだろう。
ジュオが、向かっていった。

魔者の一人と僕が一人逃げた。
残る僕が俺に向かってきた。

魔者の一人は、もはやジュオの敵ではない。
ジュオが首をはねた。

俺に、向かってきた僕は腕が立つ。
俺の「緑の棒」から二度、身をかわした。
三度目の突きで、うずくまった。
僕が、呻きながら
「今日の恨み、頭様が、晴らしてくれようぞ。」
そぉ、言いながら死んでいった。

逃げたのが、「頭」か。
先ほどの「火の矢」に当たった魔者が、焼け焦げて死んでいる。

とにかく、今日のところは、俺達の勝利だ。
2人して、肩を抱き合った。
「それにしても、2人とも酷い顔だぜ。」


ココ迄で、第四話完了です。

この続きは、第五話「魔王復活」に続く。

第五話より、物語は「二場面構成」となりますので、ご期待下さい。


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wujingと天邪鬼の正門