■ 天邪鬼:「未知なる道へ」第二話

※ 第二話:「未知なる未知へ恐れず行けよ!」です。。

第一章「天邪鬼の記憶」/  第二章「冒険者達」/  第三章「宿の女将」/  第四章「探索」/  第五章「浮かぶ島」/ 【 第三話 】

第二話: 未知なる未知へ恐れず行けよ!

第一章: 天邪鬼の記憶

「士気の街」に泊まる事にし宿も決まり、俺は一人で街に出た。
ジュオは部屋で久しぶりのお風呂を楽しんでいる事だろう。
宿を出ると直ぐ右側に小さな花屋があるのに気づいた、何の気なしに入ってみることにした。
なぜか気にもなったし、店の中に入った。
俺は、花の名前すら良いようには覚えていないが嫌いではなかったらしい。
自分で自分を分析するのも可笑しなものだ。
期待したとうりの品の良い中年の女性が「いらしゃいませ」と奥から現れた。
俺は率直に、「花の名前すら知らないが、気になって、、、」入ってきたと告げてみた。


その女性は、暫く俺の体つきやら見ていたが、
「貴方は、初めてみる種族ね。見かけはヒューマンに似ているけど、私には分かるの。」
「その体に秘めた物凄い、気、が分かるわ。」と言いながら、お茶を差し出した。
俺は、「ありがとう」と言ってお茶を飲み干した。
俺がお茶を飲み終えると、その女性は嬉しそうな顔をして「やはり、叔母様の言うとうりだったわ」とつぶやき、
その訳を俺に話し始めた。


「さっきのお茶は、”ある花の葉”を煎じた物なの」
「普通の人には、絶対に飲めないお茶なの」
「このお茶を飲める男性が、この店に来る。」
「それまで、どんな事が有ってもこの店を守るのよと、叔母様の遺言を守ってきたの」
「長かったわ。叔母様が亡くなってから、もぉ25年になるわ。」
「あのお茶を飲める人は、波紋と言う能力があるの。」
「波紋の無い人には、飲めないどころか気絶するほど苦く感じるのよ」
それからどのくらいの時間が経ったのか分からないが、
外が暗くなるまでその女性は話を聞かせてくれた。
天邪鬼自身、超能力のあることは知っていたし、その使い方にも慣れてはいるが、
その「力」がどういう物なのかと言う事までは、考えた事は無かった。


話を聞き終えて宿へ戻ろうとした時、女性が、、
「もぉ会えないかも知れませんが、貴方はどんな敵と遭遇しようと恐れてはなりません。」
「貴方には、それを打ち破る力がある事を忘れてはいけません。」
「これは、貴方しか使えない武器です。」
「波紋の力が通じない時にだけ使いなさい、そうすれば恐ろしいほどの波紋が出るはずです。」
そう言って、緑の指輪を差し出した。
「何時もは、左手にはめておきなさい。使う場合にだけ右手にはめなさい。」
そう言って、その指輪を天邪鬼の左の薬指にはめた。
すると、不思議な事に指輪の大きさが天邪鬼の指の太さに同化した。

指輪をはめられた時、天邪鬼に一つの記憶が蘇った。
それは、「彼が触れば枯れかけていた花が再び、蘇る事をだ。」
だから、彼の部屋に飾られていた生け花は何時も生き生きとしていた。
しかし、それ以上は思い出せなかった。

宿の部屋へ戻るとジュオが、「おぉぉ、ちょうど良い時間だ飯に行こうぜ」と待っていた。
俺達は、街の居酒屋にでも行く事にし身支度を整えてから外へ出た。
宿を出て、先ほどの花屋を見ると店員らしき若い女性が店終いをしている。
しかし、よく見ると店終いと言うより、引越しの用意に見える。
気になるので、ジュオと二人で立ち寄る事にした。

店の中は、昼間と違い沢山の花が片付けられている。俺は若い店員らしき女性に尋ねた。
「この店の女主人は、どこに?」
すると、
「奥様はもぉお戻りになりません。引越しされました。」
「引越し先は分かりません。何も聞かないでと言って出て行かれました。」
「もしや貴方は、天邪鬼さまでしょうか。」
「奥様よりお手紙を、お預かりしています」
そう言って、一通の手紙を貰った。
すぐ開封した。

手紙には
「貴方が、死に直面するような敵と遭遇することが有っても恐れてはいけません。」
「その時は、貴方の友が貴方を守るでしょう」
そう書いてあった。ほかには、何もかかれていない。
「どういう事なのだろうか?」
俺は、そんな事考えながらその手紙を胸のポケットにしまった。


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第二話第二章: 冒険者達

ジュオと二人で小さな居酒屋で飲んでいると、まるで中世の騎士の様な出で立ちで、三人の男達が入って来た。
ガシャ、ガシャと音を立てながら、俺達が座っている近くの席へやって来た。
見ると、鉄兜までまとっている。何だこいつらは??
暫くすると、なにやら賑やかに話を始めた。

ジュオが聞き耳を立てている。俺も奴らの話の方へ気をやった。
どうやら、モンスターを倒した事を自慢しているのだ。
そのうちに、俺には聞き耳を立てなくても、聞こえるほどの声で喋り始めた。
奴らの話を、要約すると


この街から歩いて三〜四日入った所に山があるらしい。その山の奥深くに住む竜を倒したらしい。
ジュオが聞き耳を立てている事にきずいたのか、、
男の一人が言った。

「おい。そこの若いの、俺達の真似をしてあの山には行かない事だな。」
「命取りになるぜ。」
「まぁ、行く気になったところで、俺達ほどの装備は揃えられないだろうしな。」
「それに、腕ぷしも弱そうだしな。ハハハ。」
もう一人の男が言った。
「まぁお前達には、これを手に入れる事など出来ないことさ。」
そう言って、袋の中から大事そうに何やら取り出し、周りの別の客にも見せている。


それを見て、ジュオが小さな声で、
「あれは、天邪鬼が持っていた竜の鱗と同じ鱗だぜ。」
「天邪鬼。お前あの鱗をどうやって、手に入れたんだい。」
と聞いてきた。
俺は、記憶が定かではないがと前置きし、、
「あの竜なら、倒した事があるような気がする。」
「たしかに倒したような気がする、その時手に入れたと思う。」
そぉ答えると、ジュオが更に訊ねてきた。
「奴らの言うとおり、手ごわいモンスターか?」
俺は、
「いや、そんなには強くないと思うが、、なにさま記憶が定かで無い。」
「しかし、俺にはあんな装備は必要ない」
そぉ答えると、ジュオが、
「そりゃそうだ。お前なら、その特殊能力だけで十分だわ。」


そんな事をジュオと酒を飲みながら話していたが、ふと見ると、、
先ほどの三人の男達の周りに、他の客が群がっている。
どうやら、装備の事、戦いの事、収穫した鱗の事などを聞いているらしい。
「ふぅ〜ん。どうやら、この店に食べに来ている連中は、ほとんどが冒険者のようだ。」
あぁ、それで、、この街の名が「士気の街」か。。


第二話第三章: :宿の女将

四日目にもなると
同じ宿に泊まっている、冒険者風の人達とも親しくなれたが、
それにも増して、宿の女将には気安く話が出来るほどになっていた。
しかし、俺もジュオも「モンスター」の事は話題にしなかった。
女将に話す話題では無いし、「話ても嫌がられるのが落ちだ。」そぉ考えていた。

ところが、
この宿も明日は旅たつという日の夕暮れ。
ジュオと二人で荷物の整理をしているところに、女将が「これ、美味しいわよ」と果物を持って部屋に来てくれた。
見ると、もぎたてのような林檎だ。
女将は、俺達の前で林檎の皮をムギながら

「あなた達、あの山に行くつもりね。」
「あの山の竜には、勝てないわよ。」
「まず、空に浮かぶ島を探す事ね。」
「私の弟は、何も知らずに装備だけを揃えて、」
「それも、全財産を売り払い最高品を用意して、」
「あの竜に、、、、向かっていったの。」
「でも、勝てなかったわ。」
「今、生きていればあなた達と同じぐらいの年だわ。」
そぉ言って、あの山の竜について話を聞かせてくれた。

「空に浮かぶ島には、神秘の力を秘めた不思議な石があるらしいの。」
「その不思議な石で磨いた武器を使わないと勝てないって、後で知ったの。」
「でも、その武器を持っていても普通の人じゃ勝てないの。」
そう言って、弟の仇を取って欲しいと話出した。

すると、ジョオが
「でもさ、女将さん。」
「先日居酒屋で飯を食べていた時に、その竜を倒したと言う三人組が偉く自慢していたけどなぁぁ。」
そぉ問いかけた。

すると、女将が
「あの三人組は、最近この街へ現れたほら吹きよ。」
「あのほら話に寄って来る人達に、物を売り付けて稼いでいるのよ。」
「だから、いかにも本当らしく武器や防具を装備していたでしょう。」
「飯屋、酒場、広場、銀行、雑貨屋、、、いろんな所で商売してるわ。」

あぁ、それで納得できた。
俺も奴等を見てそんなに強いと思わなかったし。半信半疑だった。
俺は、女将に聞いてみた。
「なぜ、俺達に弟の仇の竜狩りの話を?」
すると、女将が
「私は、隣の花屋の奥様とは仲の良いお友達だったの、、」
「だから、あの人の叔母様の遺言の事も、少しだけは聞いたことが有るのよ。」
「貴方の左手の指輪を見て分かったの」そぅ言ってニッコリと微笑んだ。

「俺達は、頼まれなくてもその竜は倒しにいくぜ。」そぅ返事すると、
女将は、「お願い。」と言って寂しそうに微笑んだ。

第二話第四章 :探索

「浮かぶ島」を探すといっても、手がかりは全く無い。何処にあるのだ。
しかし、ジュオが、
「お前の恐ろしい程の感に頼るしかないぜ。」
「お前の本能が、浮かぶ島を知っている。」
「お前の感じるままに進め。」と
そぅ言う。
そうかも知れない。

俺達は、さらに川沿いを上へ上へと登っていくことにした。
途中、幾度かモンスターが現れたが、ジュオが適当に始末してくれていた。
ジュオも星の剣を手に入れて以来、俺が手を貸す事は必要なくなっていた。
だが、相変わらず下手な回し蹴りはやめようとしない。
「左回し蹴りの次に右から星の剣」
これが、ジュオの攻撃パターン。
「一の剣をかわされると、燕返しで二の剣が入る。」
この「燕返しでの二の剣」は素晴らしい、そして正確だ。
俺の予感どおり、ジュオの剣の筋は並みではない。

探索を始めて四日目の明け方、とんでもない奴が出てきた。
正確に言うと集団盗賊。いや盗賊の集団だ。七人ほど一度に現れた。
モンスターと違い、戦いたく無い奴等だ。
しかし、聞き分けの無い連中だ。
ジュオは特に嫌がっていた。なぜかって、、、
中身はモンスターに成っていても姿かたちが、人と同じだからだ。

ここは、俺の出番だ。
俺は、手に持つ武器は使わない。

二人が同時に掛かってきた。
「重量波を、お見舞いした。」
「二人とも肩まで地面にめり込んだ。」
次に一番でかい奴が、鎌を振りかざしてきた。
「そいつには、持っている鎌に重量波をお見舞いした。」
「鎌が反転し、そいつの腹にめり込み。そのまま下へ沈んでいった。」
でかい奴は二枚開きになった。

次に、盗賊達の頭目と思える奴が俺にマジツクパワーをぶつけて来た。
「鶏が少しバタついた。そのぐらいの感じを受けた。」

盗賊の頭目は、どれくらいの強さを持っているのか ? 試したくなった。
「受けたマジックパワーをそのまま反転させて頭目に返してやった。」
頭目に当たった瞬間、頭目は口から血反吐をはいた。
暫くして地面にうずくまった。
「おぃおぃ。自分のマジックバワーで、そんなにダメージを受けてたら体が持たないぜ。」
俺の励ましに激怒したのか、頭目は鬼の形相に変化して立ち上がってきた。
しかし、俺は構わず電撃波をぶつけてやった。
「頭目の首から上が、無くなった。」

「次は誰が相手だ。」
そう言って振り返ると、残りの三人はジュオを取り囲んでいる。
見ると、ジュオはまだ戦いあぐねている。剣も抜いていない。
俺は、
「ジュオ、そいつらは中身はモンスターだぜ。戦え。。。」
そぉ、大声を出した。
その瞬間、ひとりの盗賊がジュオに飛びかかった。
「あぁぁっ。」
俺も一瞬ひゃっとした。ジュオの身を案じた。
だが、一瞬早くジュオの剣が、そいつの首をはねた。返す刀が二の剣になった。
残りの二人も、同時に倒れた。

盗賊達を倒した時、俺は確信した。「この先には、何かある。」

第二話第五章: 浮かぶ島

「空に浮かぶ島」、、そんな島があるだろうか。
ある訳がない。
しかし、、、、宿の女将は確かにそう言っていた。
俺達二人は、そんな思いを抱きながらも川沿いに上流へ上流へと登っていった。

宿を発って、もぉ二週間が来ようと言うのに川幅は狭く成るどころか、
以前よりも広く感じられるようにもなっている。
それに、山も相当高くなって来ている。
恐らく標高は1500M付近と思われたが、川幅は狭くならないでいた。
こんな大きな川があっていいのかと不思議な思いと不安を持ちながら、
さらに上流を目指していた時、突然、川が消えた。

消えたと言うより、山に吸い込まれているといった光景だ。
別な表現だと、大きな岩ハダの下部から大量の水が噴出している。
源流だ。源流に辿り着いたのだ。
しかし、その幅は優に100M以上はある。
「こんな事ってあるのか。」ジュオが、あきれ返っている。
「ここは登れないぜ、他の場所を探そうか。」ジュオが独り言のように喋ってきた。
俺もそうだが、ジュオも上に登る気でいる。
川沿いを歩いてきたのと違い、ここからは山登りになる、険しい道のりになるだろう。

俺達は、比較的なだらかな場所を選びながら、山を登っていく事にした。
山登りも険しくなったが、出てくるモンスターも手強いのが多くなって来ていた。
だが、モンスター狩りはジュオが楽しんでいる。
俺の出番はないが、油断はしていない。

ジュオはここ四〜五日で、見違えるほど腕を上げている。
昨夜も、野宿の場所探しをしていると、馬の化け物みたいなのが現れたが、
ジュオはその化け物の足を、廻し蹴り一発でへし折っていた。
一戦毎に、ジュオは強くなっていた。俺も安心して見ていられるほどに腕を上げている。

だか、もぉこの付近へは普通の冒険者は来られないだろう。
モンスターの餌食にされてしまうだろうから、、、
そして、少しづつ変化していくものがあった。霧だ。
場所にもよるが、霧が凄い。全体ではなく群らがっている。
霧の濃い場所が有ったかと思えば、場所によってはよく晴れていたりと、、、
そぉ。「地上に雲が降りてきた。」そんな感じだ。

下から見ると、高原のように見える場所が現れた。
そろそろ山頂かもしれない。
登り道は侵入者を拒むがの如く険しい。しかし、そこに見える山頂は雄大で穏やかにさえ見える。
最後の難関であろうと思われる、急斜面の森を登っていったが、
山頂に近づけば近づくほど、霧が濃くなって来る。
どの位登ったであろうか、急に晴れた。

山頂に出たのだ。
「あぁぁ。」俺は、声をあげた。
目の前は大きな湖だ、湖面には一面霧が漂っている。
その霧で覆われた湖面に島が浮かんでいる。
浮かんでいる様に見える。
霧で島の裾野部分が消えて見えるのだ。
「空に浮かぶ島」だ。間違いない。
ついに見つけたぜ。

ジュオが大声で俺に告げた。
「摩周湖だ。」
「でも、でか過ぎる摩周湖だ」
「これは、摩周湖の三倍はあるぜ」と言う。
ジュオが住んでいた世界に、大きさは違うがこれと似た湖があったらしい。
ほぼ年中湖面を霧が覆っていたそうだ、

山頂の平原より湖面までの深さは、およそ100Mは有りそうだ。
水深は幾らだろうか。少なくとも40〜50Mは有るだろう、いや100Mは有るかもしれない。
この湖が、あの川の源だったのだ。

あの島へ渡るには、、渡る方法はあるのか?


ココ迄で、【第二話】完了です。

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