■ 続編 「新:天邪鬼」第四話 前篇

※ 続編の第四話前篇です。。

第一章「戦いの夜明け」/ 第二章「五画場脱出」/ 第三章「開戦」/ 第四話後編

第四話:「五画場」前篇

第四話:第一章「戦いの夜明け」

ベルーザの手先がジョンの家に召集命令を伝えに来た頃、
開拓島から大陸へ帰港中の定期船ナショナル号は、
ジュオの特別隊が陣取る無人島の沖合いで汽笛を鳴らしていた。
そこには、コクの率いる「平和の盾本隊」もすでに陣取っていた。

この時代の汽笛は、手動式の圧縮空気を用いる物だったが、ジュオは、、
はっきりと聞き取った。
ナショナル号に対し、返礼の烽火を上げた。
ナショナル号は、旋回し大陸に向かって戻っていった。

そして、ナショナル号の船長にジュオの手紙を渡した馬車使いは、
天邪鬼の言いつけ通り、
その報告にブレツセの町を目指しジャントリアの街のすぐ手前迄来ていた。

天邪鬼が、ジョンに成りすまして召集に応じ、敵陣へ乗り込むと決めてから、
セデイとジョンに、天邪鬼はこれから起きるであろう、「超神達との戦い」を話した。

「順調に行けば、
後5〜10日もすればジュオの特別隊が、ブレッセの西南の海岸に上陸する。」
「そして、コクの率いる平和の盾の本隊も未来港へ上陸してくる。」
「これから、長い戦いになる。」
そして、万一、、ジュオ達の到着を待たずして、
天邪鬼が戦いを仕掛けた時の指示も、セディとジョンに話して聞かせた。

天邪鬼達が話し合っている頃、、、無人島では、ジュオが、檄を飛ばしていた。
「全員、よぉーく聞け。」
「これより、我々はこの島より出港し、天邪鬼の援護に向かう。」
「開拓島は、悪の巣に変わろうとしている。」

そして、コクも、立ち上がった。
「我々本隊は、未来港へ上陸する。」
「そして、ジャントリアを目指す。」

ジュオが、叫んだ。
「全員、乗船せよ。直ちに出港する。」

翌日十時過ぎ、
天邪鬼は平和の盾町支部の建物に出向いた。
ジョンに貰った作業服を着て小さな荷物袋を一つ持って、、
召集に赴いて来た格好にした。
帽子を被り、歩き方も真似てジョンになりすました。

天邪鬼が一番乗りの様だった。
ジョンを知っている者が、未だ来て居ない方が好都合だった。。
建物の外に、机を並べ中札と思われる受付が二人待ち受けていた。
天邪鬼は、名前を「ジョン」と小さく名乗った。
受付の中札が、「帽子を取れ」そう言いながら、、名簿へチェックをいれた。
天邪鬼は、帽子を取った。
ジョンに似せた薄化粧をしているし、こいつら中札はジョンを知らない。
中札のもう一人が、
「よし、中に入って待っていろ。」そう言って、入り口のドアを指差した。

天邪鬼が中に入ると、
木枯らしが数名と一人の女が居た。
その女が無言で二階へ上がれと、階段を指差した。
二階に上がると、もぉ既に二人が来ていた。
二人に軽く会釈をし、側の椅子に掛けた。
部屋には、捨て札が二人見張りに付いていて重苦しい雰囲気になっていた。
天邪鬼は、窓の外を見る格好をしながら、、
この建物にいるベルーザの手下共の動きを、逐次読み取っていた。

それから一時間ほどで、召集された全員が揃った。
それから暫くして、中札が二人上がってきた。
召集した者達に向かって、大きな声でがなり出した。
「お前達は、これから被害の大きかった農村地帯の復旧作業に当たって貰う。」
「下の馬車に十人づつ乗り込め。」
「これから、出発する。」
「直ぐに下へ降りて、馬車に乗れ。」

天邪鬼達が下へ降りると、既に8台の馬車が停まっていた。
そして、馬車使いは全て捨て札が担っていた。
先頭の馬車には、中札、木枯らしだけが乗りこんだ。
二番目の馬車から、十人づつの召集された者が乗り込み、
天邪鬼は、二番目の馬車に乗った。
七番と八番の馬車には、再び中札や木枯らし達が乗り込んだ。
ベルーザも最後尾の八番目の馬車に乗った。
上札と下札、それに木枯らしの半数と少しの中札は町に残った。

召集した者達が全員乗ると、馬車のドアに錠が下ろされた。
天邪鬼には、錠が掛けられたのは分かったが、知らぬふりをしていた。
錠が掛けられた以外は、手荒な事はしてこない。
おそらく目的地に着くまでは、「偽の平和の盾」を装い本性は見せないだろう。。
馬車が動き出した。

馬車の群れは町を出ると、西へ向かった。
しかし、最後尾のベルーザの乗った馬車はジャントリアの方角へ向かった。

天邪鬼達の乗った馬車七台が、町の西北の農村地帯を目指して進み出した。
町を出て、三十分程で農村地帯に入ったが、馬車は止まる気配を見せず更に西北に進んだ。
暫くして、ブレッセの炭鉱が見えてきた。
そして、その炭鉱の入り口を過ぎ更に西北に進んでいった。
町を出て、一時間ほどでブレツセの西北の農村地帯へ入った。
しかし、
天邪鬼の探査で、この農村地帯に人の気配は感じられなかった。

召集された町の人の一部が、
「おぉ。やっと着いたな。ここで、何の復旧作業をするんやァ。」
馬車使いの木枯らしが、怒鳴った。
「未だ先だ。座っていろ。馬車は山岳地帯へ入る。」

その農村地帯を過ぎて、暫く行くと、
景色が一変した。まるで、、、草原のようになった。
そして、それを通り過ぎると、巨大な柵が現れた。
柵と言うより、「壁」に近い巨大な柵である。
その柵は、一般の者を拒むように何処までも続いていた。

召集された町の人達が騒ぎ出した。
「ここは、どこだ。。」
「何処へ行くんだ。こんな場所は、以前は無かったぞ。」
「馬車を止めろ。俺達をどこへ連れて行く気だ。」

突然、馬車が止まった。
先頭の馬車から木枯らしが降りてきた。
後尾の馬車からも木枯らしが降りてきた。
中札も、降りてきた。
「いいか、良く聞け。」
「貴様らは、これから我の里へ行き、、働いて貰う。」
「逃げようなどと、思うな。。」
「貴様らは、今から我らの奴隷だ。」
「文句のある者は、今すぐ殺す。」
そう言い終わると、、

中札の一人が、柵に向って叫んだ。
「開門」
すると、巨大な柵の一部が開き始めた。
そこは、超神の作った「五画場」への入り口であった。
柵が開くと、馬車はその中に入って行った。

天邪鬼は、柵の内側に物凄い殺気を感じとっていた。
まるで、魔王サーが復活したかと、思うほどの殺気だ。
しかし、
天邪鬼は、自らの闘気は消していた。
よほどの事が無い限り、
天邪鬼の闘気エネルギーを察知するのは難しい。。。

柵の内側には、数人の捨て札を従えて、「刃」が守りに就いていた。
「刃」は、魔王に勝るとも、劣らぬ、屈強の守護の者であった。
超神の指示に従い、守護を使命にしている。
この柵より外へ出るには、「刃」を倒さない限り無理であろう。

刃の姿を目視確認できなかったが、居場所は掴み取った。
柵の直ぐ内側の茂みの下にいる。
「恐らく、あの下は地下室のようになっていて、
その中の部屋にいるに違いない。」
天邪鬼の探査力が、刃の居場所を察知した。

「この人達を、何としても無事に町へ戻さなければ。。」
「しかし、とにかく中へ入ったぞ。」
「中の様子をつかみ取るまでは、、、町の人達、辛抱してくれ。。」
天邪鬼は、一人心の中で念じた。

馬車は、更に柵から奥へすすんで行き、
小い山にでくわした。そこを迂回すると、広大な台形の丘が見えてきた。
そこで、馬車は停まった。

馬車を使っていた捨て札が「降りろ」と叫びながら、ドアを開けた。
馬車から降りると、
中札が、召集した天邪鬼達を集めて再び、怒鳴った。
「逃げると、殺す。」
「逆らえば、殺す。」
「お前達、奴隷に自由はない。」
「分かったら、あの丘まで歩け。」

ここ迄で、第四話:第一章の完了です。

◎遂に、天邪鬼が超神のアジトの一つ「五画場」の見える場所迄来たぞ。
五画場に待ち受けるものは何なのか。。戦え天邪鬼。。。。

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第四話:第二章「五画場脱出」

中札が示した丘は高さが、おおよそ120〜130m程有り切り立った台形になっていた。
上から見ると、五角形の形になっていて、その中央に五角形の建物が建っていた。
中央の建物の周りにも小さな建物が並び、まるで雪の結晶のような感じに建物のが配置されていた。
そこは、「五画場」と呼ばれている場所だった。

近づくほどにその大きさが分かる、巨大な丘であった。
天邪鬼達は、中札や木枯らし達にせかされながら、その丘まで歩いた。
丘のふもとまで来ると、巨大な絶壁の岩壁のようになっていて、
そこには丘に登る階段が作られ、捨て札が武装して番に付いてた。

そして、
ここでも天邪鬼は、物凄い殺気を感じ取った。恐らく、刃が近くにいるのであろう。
五画場を出るにも、「刃」を倒さねば無理のようだった。
この五画場から、通常人は脱出不可能のように造られている。

天邪鬼たち召集された町の者達は、絶壁に張り付いたような階段を上れと命じられた。
町の一人が、
「俺達をどうする気だ。」
「こんな所へ来る為に、召集に応じたんじゃないぞ。」

それを聞いた、木枯らしが歩み寄って来て睨みつけながら、
「ベルーザ様から、逆らう者は殺せと命じられている。」
次の瞬間、スクリュードライブを浴びせた。
文句を言った町の男は、20mほど飛ばされて切り立った絶壁の岩にぶち当てられた。
そして、下の木の茂みに落ちた。
そして、動かなくなった。

中札が、大声を上げた。
「逆らう者は殺すと言った筈だ、さっさと、階段を登れ。」
中札の一人を先頭に、町の人達も階段を登り始めた。
後尾には、中札や木枯らしが付いている。
絶壁をらせん状のように回る形に階段が作られているので、
さほど苦痛に思うほどの傾斜にはなっていないが、頂上に着くまでに一時間は要した。
頂上は、きれいに整地され絶壁の端まで田畑に開墾されていた。
わずかに端1m程が、路肩のように残されているだけで、柵はなかった。

頂上へ着くと直ぐ、建物の中に全員が入れられ、一つの部屋へ閉じ込められた。。
しかし、身体検査をする風もなく武器を持っているかも調べる風もなかった。
割と大きな部屋だったが、窓は天井付近に一つあるだけだった。

絶壁の階段を上ってきた疲れからか、誰も口を利かず落胆の様子を見せていた。
しかしそれもつかの間、ベルーザとは別の元締めが木枯らしを伴って部屋へやって来た。

「全員整列だ。」木枯らしが声を掛けた。
もう一人の木枯らしが、鞭を鳴らした。「パッシィィ」
「コノ鞭が欲しくなかったら、早く整列しろ。」
整列し終えると、
元締めが、
「お前達は、今日から名前はない。」
「お前達は、レッドの組だ。即ち、レッド1〜レッド49までの番号を振り当てる。」
「レッド50は死んだ。」
「これから渡す服を着ろ。」
「これを着てなかったら、よそ者が侵入したと見なされて殺されるぞ。」

天邪鬼には、レッド20の服が渡された。
渡された服は、袖なしのベストのような形をし、前後に大きく数字が書いてある。
全員がその服を着終えると、番号順に再び整列させられた。
奇数が前列で偶数が後列の二列に整列させられた。

元締めが、これからの規律を喋りだした。
「朝6時から、夜11時までが労働。休憩は一時間。」
「日没後は、屋内作業。」
「指示にそむけば、食事を抜く。」
「逃げようとしたら、容赦なく殺す。」
「以上だ。」
「それでは早速、外の畑の手入れ作業をする。」
「おっと、、言い忘れた。」
「作業中の無駄口には、鞭が飛ぶぞ、、コノ鞭を食らって死んだ奴もいる。」

外へ出ると、先ほどは気が付かなかったが、
奴隷となったほかの人達が畑の手入れをしていた。
良く見ると、その人達も服が色分けにされ大きな番号が前後に書かれていた。
各色別に組に分けているようだ。
その組ごとに、木枯らしが2〜3人鞭を持って見張っている。

天邪鬼は、暫くは様子を見ることにした。

三日も過ぎると、大体の事が分かってきた。
朝は5時起床で、組ごとに食事を取り、6時からの作業に備え昼は2時から食事と休憩。
食事は、ドンブリ飯だが普通の人間の食べれる範囲内の物だった。
奴隷の中の一組が、炊事、掃除、洗濯を受け持っている様だった。
夜は11時から食事でその後、自由時間となり12時消燈となる。

作業は大きく二つに分かれている。
一つは大麻栽培畑の手入れと食料畑の手入れだ。
大麻は、あの大雨のせいで壊滅的打撃を受け、新しい苗に植え替える作業だ。
もう一つは、ケシ畑のケシの実、いわゆる「ケシ坊主」にキズを付けてのケシ乳液の採取だ。
少しでも、作業が停滞した者には容赦ない鞭が飛んでくる。
この鞭で、命を落とした者が幾人もいるらしい。

ケシの実(アヘンを採取)
ケシの実

建物の中で、労働についている奴隷も相当多数いるらしい。
女性もかなりの数が奴隷にされ、上札、中札達の世話をしているらしい。
中には、慰み者になっている女性もいるようだつた。
建物の中に、炭鉱に続くトンネルの入り口もあることが分かった。
天邪鬼が、自らの超聴力で情報を集めたのだった。

五画場に来て、四日目が来た。
その日は、晴天で朝から畑作業に何組もの奴隷が借り出されていた。
天邪鬼たちの向かい側で、、
丘の端に近い畑を作業をしているグリーンの組の木枯らしは気が荒いようだった。
先ほどから、やたらと鞭を浴びせている。
天邪鬼は、作業をしながらその様子を見ていた。

グリーン組の木枯らしが、一人の奴隷に集中的に鞭を浴びせている。
その奴隷が、動かなくなった。
木枯らしが、動かなくなった奴隷にスクリュードライブを浴びせた。

その奴隷は、飛ばされて崖の下へ落ちていった。
その木枯らしが、
「オイ、貴様ら。グタグタしていると同じ目に遭うぞ。」
グリーン組の者に怒鳴りつけ、崖の下を覗きに丘の端へ歩いていった。

天邪鬼は、作業をしながらその木枯らしの背に精神を集中した、
そして、
そぉっと、後からその背に重量波を掛けた。
その木枯らしは、丘の端に来ても歩く事を止めず、そのまま下へ落ちていった。
その木枯らしが、崖下へ落ちていった事に気がついた者はいなかった。
グリーン組の連中は、恐怖に引きつり木枯らしを見る事も出来なかったからだ。

天邪鬼は、一旦ここから逃げる事にした。
町の人達を連れて一緒に逃げるか、それとも、、とりあえず一人で逃げるか。
天邪鬼は、危険な方を選択した。
「ブレッセの町で、召集を掛けて来たベルーザの一群を粉砕していれば、」
「町の人達は、ここへ来る事はなかった。」
「俺の作戦の為に、道連れにしたようなものだ。」
「一緒に逃げれば、それだけ危険も増すが、この程度を恐れていては超神に勝つ事は不可能だ。」

天邪鬼がもう一つ気づいた事があった。
超神の部下達は、この五画場が難攻不落と思っている事だ。
奴隷の身体検査もしない。
自分達仲間の点呼もしない。
先ほどの木枯らしが居なくなった事に気づいたのは、昼飯時の事であった。
「足を滑らせての落下で処理された。」

天邪鬼は、作業しながらこれからの作戦を考えながら夜を待った。
部屋消灯の後、部屋の人達にそっと声を掛けた。
「皆、黙って聞いてくれ。。俺は天邪鬼だ。」
「魔王サーと戦った、、天邪鬼だ。」

「訳あって、ここへ忍び込んだ。その為に、皆には迷惑を掛けた。」
「これからここを脱出する。俺を信じて一緒に逃げよう。」
一人が、小声で喋った。
「俺は、了解した。あんな奴らの奴隷で死ぬより、戦って死にたい。」
「他の皆も、同じ思いと思うぜ。」
ほかの者も皆同じ思いだった。

天邪鬼が、又小声で喋った。
「よし。決行だ。。。少し、待っていてくれ、外の奴らを始末してくる。」
ドアの鍵など、天邪鬼に取っては無いも同然だ。
外に出ると、夜中何時も部屋を見回りに来る「中札と木枯らし」を詰め所を訪ねた。
詰め所は、組ごとに分かれていて、レッド組の詰め所は直ぐ隣にあった。
「こんばんは、部屋の鍵が掛かっていませんので報告に来ました。」
「貴様。。かぎは掛けたはずだが、、」と言いながら木枯らしが胸ぐらを掴み睨み付けた。
同時に、天邪鬼はその木枯らしに「波紋」を流した、
そばの中札にも波紋をお見舞いした。二人とも瞬殺した。

部屋に帰ると、天井近くの窓を利用して町の人を外へ全員下ろした。部屋には、内側から鍵を掛けた。
下へ降りる絶壁階段には、見張りはいない事はここへ来てから分かっていた。
町の人達に、「音を立てづに下へ降りろ。」
「後10mぐらいの場所まで降りたら其処で、俺の合図を待て。。」
「俺は、後から行く。俺の力を信用して行け。」

町の人達が、絶壁階段を降りて行った。その夜は、月明かりで好都合であった。
天邪鬼は、五画場の丘の上の階段の側で見張りについた。
それから、おおよそ三十分経ったが、レッド組の部屋の異変には誰も気が付いていない様子だ。

天邪鬼は階段を離れ、丘の最端へ立ち、マザースペシャル、イージスの棒を指輪から外した。
「イージスよ伸びろ。」
天邪鬼の念じで、イージスは崖下に向かって伸びて行った。
そして下の地面に届いた、更に地下に向かって伸び止まった。
音も無くイージスは伸びて、下の地面に突き立ったのだ。
イージスを伝って下の地面まで難なく降りた天邪鬼は、
階段の下の入り口にいる、「捨て札」の始末にむかった。

入り口の捨て札は、三人になっていた。武装している。
三人の瞬殺は、難しい。
それに、近くに「刃」の殺気もする。
天邪鬼は、考えるのを止めた。
行動有るのみ。。

「オイ。。」そぉ言いながら、捨て札の前に立った。
そのまま一人の捨て札に、イージスの棒をドテッ腹に貫通させた。
一人の捨て札が、スクリュードライブを放ちながら、槍攻撃に出てきた。
それを交わして、お返しに電撃波をお見舞いした。
その捨て札は、来ている兜ごと黒こげになった。

その時だ、凄い重力が体に圧し掛かってきた。
「刃」だ。。
「貴様、何者だ。」
天邪鬼は刃の重力に押さえ込まれたまま、
残った捨て札のスクリュードライブを何発も貰ってしまった。
捨て札が、動けなくなった天邪鬼に十数発のスクリュードライブを見舞った。
「刃様。こいつは只者ではない様ですが、もぉ内臓破裂してるでしょう。」
そう言って、動かなくなった天邪鬼の顔面に蹴りを入れた。

天邪鬼は、その蹴りで地面に叩きつけられた。
「刃様をナメルからだ。お前達に勝ち目などないわ。」
そぉ言いながら、再び、横腹に蹴りをいれた。

「刃」が、吐き捨てるように、、、
「たわいない。それにしても、よくここまで逃げられたな、レッド20番か。」
刃は、天邪鬼の首を鷲づかみにすると、その顔を月の光に照らした。
「ほぉ、人間にしては、面構えの良い顔をしているわ。」
「殺すには、惜しいような男だが、、トドメだ。。」
刃は、天邪鬼の首を握っている腕に力を入れた。

シュノン
超神の配下刃の一人

天邪鬼が、微笑んだ。
「甘いわ。刃よ。」そぉ言いながら、刃の手首を握り返すと、波紋を流し込んだ。
刃が、波紋に抵抗する為変身しようとしたが、そのまま白く輝いて消滅した。
天邪鬼は、鼻血を拭きながら、、「よくも顔面蹴りを入れてくれたな。」
側で震えている捨て札の顔面に兜の上から正拳突きを叩き込んだ。
捨て札は兜ごと鼻が陥没し、息絶えた。

天邪鬼が、合図した。
階段から、町の人達が降りてきた。

その時、近くの茂みから一人の男が出てきた。
階段を上れと、命令された時に文句を言ったあの男だ。
木枯らしの、スクリュードライブを貰って絶壁の岩にぶち当てられる寸前に、
天邪鬼の超念力によって、衝撃を吸収され、
短いテレパシーにより、「隠れていろ」と教えられていた。
その男にはそれが、、「天の声」の様に聞こえ四日間耐え忍んでいたのだった。
その男が「貴方でしたか。。私を救ってくれたのは。」
「あっ、馬車をしまってある小屋を見つけました。」
「私は、馬の餌を盗み食いして飢えをしのんでいました。」

天邪鬼が、微笑んだ。「よかった。生きていてくれて。」
「よし、馬小屋へ案内してくれ。」
「4〜5人一緒に来てくれ、他の人はここへ隠れていてくれ。」


ここまでで、第四:話第二章の完了です。
天邪鬼たちは、更なる「刃」が守る柵を突破し、脱出できるのであろうか。。

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第四:話第三章「開戦」

馬小屋は直ぐ見つかったが、「荒くれ」6人ほどが見張り番についていた。
天邪鬼は、連いて来た5人に馬車三台を用意するように指示してから、荒くれの始末に向かった。

馬小屋入り口の2人には、「熊の首折」をお見舞いした。
左、右の両腕で2人同時にそいつらの首へラリアット気味に腕を打ち込んだ。
馬小屋の中の3人は、仮眠していた。起きていた1人には、背後から近づいた。
夜の闇の中の戦いは、天邪鬼の研ぎ澄まされた超力が役に立つ
そいつには、首の頚動脈へ得意の手刀を叩き込んだ。
馬を馬車に繋ぐ際少し音がした。

「グシャ」
「カチャ、ガチャ」
その音で、仮眠していた3人が目を覚ました。
しかし、目を見開くまでのほんの一瞬の間に、3人とも天邪鬼の蹴りで首をへし折られた。

馬車を用意し終わると、隠れていた他の人達を馬車まで誘導し三台に分乗させた。
馬車使いには、馬を扱いなれている者が当たった。
天邪鬼が、馬車に乗った人達に言った。
「俺が合図したら、まっしぐらに町へ向かえ。」
「俺を信用し、まっしぐらだ、良いな。。。」
「俺の事は、心配無用だ。」
「町へ着いたら、ジョンの家にいるセディの指示に従え。」
「町の住人達全員を、町から退避させよ。」
「町の西南の海岸へ向かって逃げろ。」
そして、念を押すように三台の馬車使いの者達に言った。
「良いな。俺の事は気にせずに、まっしぐらに町を目指せ。」

そぉ言い終わると、天邪鬼は闇の中を柵の方に向かった。
馬車小屋に近い柵を壊して、ブレッセの町の方へ向かうには、、
刃の守る柵の出入り口の横を駆け抜けなければならない。
柵を倒す音で、刃を含め、捨て札など全ての五画場の守護の者が異変に気づくだろう。
しかし、それを恐れていては時を逃す。

天邪鬼は、馬小屋の荒くれが持っていた魔剣で、柵を縛ってある太いロープを叩き切った。
失敗だった。

「バッチーン」太いロープの強く張ってあった緊張が音を立てて弾けたのだ。
おまけに振動を立てて、柵全体に伝わった。
「シマツタ。」
天邪鬼は次の瞬間、柵に向かって衝撃波をブチ当てた。
柵の一部が、ごう音と共に飛び散った。
天邪鬼が、号令を大声で掛けた。
「行け。。まっしぐらだ。」

合図と同時に馬車が、動き出した。
「パッシィ、パッシィ」馬使いの鞭の音が夜空に響いた。
「ゴッ、ゴッ、ゴッ、ゴロ、ゴロ、カッラ、カッラ、カ、カ、カ、カ」
馬車が騒音を立てながら走り出した。

天邪鬼は後方の馬小屋にも衝撃波を放った。馬小屋から火の手が上がった。
馬小屋の馬が叫びだした。
馬は馬車を拝借する際、放しておいたので火が上がると同時に驚いて外へ嘶きながら出できた。
少しでも、奴らをかく乱させる為に馬小屋に衝撃波を放ったのだ。

天邪鬼は、全力で柵の出入り口の刃が陣取る出入り口に走った。
柵は既に開き、捨て札達が柵の外の道を封鎖していた。
馬車も全力で近づいてきていた。

捨て札の中心に「刃」が立っている。
刃が馬車に向かって体制を構えようとした隙を、天邪鬼は見逃さなかった。
以前にも増して力強くなった「天邪鬼スペシャル重量波」の中心を刃に向けて放った。
側に居た捨て札達は、その重量の大きさ負けて潰れた。
刃は、馬車を阻止する為ハンマーストーンを出そうとしていた矢先だった。
不意を突かれて、後方へ吹っ飛んでいった。
天邪鬼が馬車に向かって、テレパシーを送った。
「まっしぐらに、町へ向かえ。俺の事は心配するな。」
馬車が、ごう音と共に走り去った。

イージスの棒を握った。そして、棒の先を円錐形に変化させた。

「来い。」
天邪鬼は低く叫ぶと、取り囲んだ無数の捨て札や荒くれの群れの中に飛び込んだ。
天邪鬼にとっては、久しぶりの本格的な戦闘だった。
先日の超神に遭遇した時は、防御だけの一方的な戦いだったが、
今夜は違う、、自分の成長した攻撃力を試す良い機会になった。
「俺の、力を試してみるか。超神に立ち向かう前の力試しだ。」
「シャァー。」気合と共に、天邪鬼の右足が空を切った。
蹴りは、以前の数倍の威力になっていた。
捨て札の放つスクリュードライブに対しても、蹴りの衝撃波でそれを跳ね返した。
イージスの棒は、「荒くれや、捨て札」の武装鎧を、まるで紙の如く突き破っていった。

先ほど、闇の中にふっ飛ばした刃が、戻ってきた。
「貴様。何者だ。」そう言いながら、天邪鬼に拳を打ってきた。
天邪鬼は、その拳を左の手で交わしながら、、
「お前に名乗るほどの者じゃない。」
そぉ言いながら、右から蹴りを入れた。

後方から、「シュノン様が、そ奴に殺られた様です。」
一人の荒くれが、刃に大声で伝えた。「お気を付けを。。」
刃が、慌てたそぶりを見せた。
「お前がシュノンを、殺っただと。。」
「あのシュノンが、拳で負ける筈はない。貴様、別な技も使うな。」
「先ほどの、重量波如きでシュノンが死ぬわけがない。」
「貴様、ただの者じゃないな。」

天邪鬼は、問答など、どうでも良かった。
イージスの棒を刃の腹に突き立てた。
刃が、うめいた。「グウゥゥ。」
しかし、刃はイージスの棒をガッシと握ると、天邪鬼から奪い取った。
イージスの棒を腹から抜くと、闇に向かってイージスの棒を放り投げた。
刃の腹の傷は、瞬く間に回復して行った。
首をかしげ、「お前の力は、そんなものか。なんとも無いわ。」そぉ言って、
刃が薄笑いを浮かべながら、天邪鬼に近づいて、殴り掛かってきた。

拳がクロスした、一瞬早く。。
天邪鬼のジャブが顔面にヒットした。二発、三発、連続して顔面に当たった。
刃は、天邪鬼のジャブを交わしきれなかった。だが、逃げる様子は見せなかった。
右フックも炸裂した。
ようやく、刃が一歩後退した。
刃が、身構えながら「お前の力は、見切ったぜ。」

天邪鬼が、返した。「どうかな、、、」
そして、先ほど刃に奪われたイージスの棒を手にしていた。
刃が、「き、、貴様、いつの間に、、その棒を、、」
天邪鬼が、笑いながら「この棒は、俺の意思で動く。。誰も、この棒を奪う事は出来ん。」
言い終わると、もう一度、、刃の腹へ突き立てた。
刃が、「無駄だ、、、その棒では、俺は倒せん。。。」
そぉ言って、突き立ったイージスの棒を徐々に抜いてきた。
今度は、手を使わず腹だけの力で、、笑みまで浮かべながら棒をはじき返してきた。

ファルン
超神の配下二人目の刃

天邪鬼が、もう一度笑った。
「刃よ。俺を甘く見すぎだ。」
「お前達の力がどの程度か試している事がわからんか。」
「片を付けるだけなら、とっくに終わっているぜ。」

天邪鬼は、イージスに意思を伝えた。「径大に変成せよ。」
次の瞬間、刃の上半身と下半身が二つに分かれた。血が飛び散った。

「グゥフェ。。。」
「貴様、いい気になるなよ。俺達が、この程度と見くびるな。」
「、、、、、、刃族の真の力を、、、、」そぉ、呻きながら、
刃は体を復元させようと、、二つに分かれた半身同士の距離をジリジリと縮めていた。
天邪鬼が少し横を向きながら言った。。「遊びは、終わりだ。」そして、、
直径30cm大になったイージスの棒を刃の顔面に打ちつけた。
「グゥェ」
二人目の刃も片付けた。

しかし、刃に気を取られていた隙に、「捨て札や木枯らし」の一群に回りを取り囲まれていた。
その数、実に100人。
二人一組になり、一人の肩越しにもう一人が立てる形で、
天邪鬼を円の中心に置くように50組に回りを囲まれていたのだった。

捨て札、木枯らしの念動波「ブルーシックス」が一斉に天邪鬼に放たれた。
50箇所からそれも、上下二連のショットガンの様に、それは放たれた。
天邪鬼は、油断していた。
捨て札や木枯らしは、「魔者級の力」を有している。
そいつ等100人での合成攻撃を受けたのだった。
幾ら天邪鬼の防御力が成長したと言え、、、防御姿勢ナシで、、、、、

すり鉢の底で、火花がぶちあたる様な形で「ブルーシックス」が炸裂した。
青白い火花が上がった。
「ブッチィィ」「バッチィィ」「パチィ」、、、、、、
「バシィィーン」、、、、、青白い光が輝いた。
白い土煙に中心が覆われている。天邪鬼は、、、、
「ウゥゥ。」うめき声が漏れてきた。

天邪鬼は、死んだのか。。。だが、、、、
、、、、、、、、、

「ドタ。ドタ。ドド。ガシャ。ドン。ドド。。」闇の中で、物が倒れる音が響き始めた。
それは、連鎖的に響きだした。
土煙が収まりだすと、捨て札や木枯らしが地面に倒れていた。
その殆どは、息絶えていた。
命を取り止めた者もわずかに居たが、口から血反吐を吐いていた。

天邪鬼の姿が浮かんだ。
「俺は、生きている。」
「今のが、マザーフラッシュか。」
天邪鬼自信、正直、何がどうなったか分からなかった。
腕の「卍」が疼いていた。

敵から強烈な波状攻撃を受けた時、
反射的に防御と攻撃態勢を起こす「マザーフラツシュ」が作用したのだった。

「光の防御と光の矢が全ての攻撃源へ迎撃に発せられる」

エイトゾーンの面会門で、マザーから授かった新しい力だった。
「マザーフラッシュ」は任意でも使用できるが、
意識なしでも反射的に発生する防御&攻撃の超能力だった。

「マザーよ、感謝します。この素晴らしい力を無駄にはしません。」
「必ず、悪に打ち勝ちます。」
「マザーから授かった、力と勇気がある限り、俺は負けない。」
天邪鬼の姿が、月の光に映し出された。

生き残った捨て札や木枯らし達は、歯向かって来なかった。
戦意を消失し、地面を這いながら、、、五画場の方向へ逃げていった。

天邪鬼も後は、追わなかった。
直ぐに、五画場からより強力な第二陣の一群が来る事は分かっている。

一刻も早く町へ戻る事を選択した。

馬を探した。
馬小屋から逃げ出した馬の群れを見つけた。
一頭の裸馬に飛び乗った。馬のたて髪を掴むと、右足で横腹に軽く蹴りを入れた。
「ヒィヒィーン」
月明かりに照らされる闇の中を、天邪鬼を乗せた一頭の裸馬が走り出した。
「シャァー。。」
天邪鬼が気合を入れた。馬が更に走りを早めた。。

ここ迄で、第四話第三章の完了です。
五画場での戦いは、直ぐに超神に知れるだろう。
次は、超神の反撃が始まる。破壊神とも言われる超神の反撃が始まろうとしている。。。

天邪鬼は、町の人達を守る事が出来るのか、、、、
戦え。。天邪鬼。。。

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続きは、後編でお楽しみ下さい。。「第四話後編へ

wujingと天邪鬼の正門