■ 続編 「新:天邪鬼」第五話

※ 続編の第五話:「五画場攻撃」前篇です。。

第一章「探索」/ 第二章「進入」/ 第三章「超神出現」/ 第五話後編

第五話:「五画場攻撃」前篇

第五話:第一章「探索」

天邪鬼はジュオとの打ち合わせを終えると、セディを連れて一足先に五画場に向け出発した。
ジュオの率いる特別隊が来たとは言え、、あくまでも天邪鬼の援護隊なのだ。
「援護の者達の犠牲は極力避けたい。」それが、、天邪鬼の思いだった。

天邪鬼とセディは五画場へ向かう道中にジュオ達だけが分かる道中陣を施した。
ブレッセの町を出て、早足で一時間半程歩くと炭鉱が見える場所まで来た。

天邪鬼はその場所から炭鉱の中のざわめきを感知した。
セディには、少し引き返した場所へそのことを知らせる道中陣を作る様に指示し、
天邪鬼は、炭鉱を探る事にした。
「セディ。道中陣を作ったら、ここで待機しろ。俺は中の様子を調べたら直ぐ戻る。」

天邪鬼は、闘気を消して炭鉱の入り口へ近づいた。
入り口は、廃鉱の様な雰囲気だが薄明かりが漏れている。
そして、、中からは、凄まじいほどのアヘンの臭いが洩れ出ている。
そして、中で何かを組み立てているような物音が伝わってくる。
「この炭鉱は、あの五画場とつながっているな。」
「この炭鉱が、精製工場か。。」
「保全工場も兼ねているのか。。。」

天邪鬼は、炭鉱の入り口に見張りがいるかどうか調べた。
見張りはいない様だが、、張詰めた気配がうかがい知れた。。
炭鉱の入り口は頑丈な鉄製の戸で閉ざされていたが、
薄明かりの漏れている隙間から中を覗いて見た。
人の姿は見えなかったが、そこは武器庫のような気配だった。

炭鉱の中を覘き見た
炭鉱の中
そこは、武器庫の様だった

炭鉱の入り口を、おおよそ調べ、再び二人は五画場へ向かった。
炭鉱から早足で約二時間程で五画場を覆う柵に到着した。
セディには初めて見る建造物で、驚きの表情を表した。
五画場を脱出したのは、今日未明。まだ、17〜18時間しか経過していない。
にもかかわらず、天邪鬼が破壊した柵は完全に補修されていた。
それどころか、、、以前にも増して、柵は頑強になっていた。

天邪鬼は先ず柵の外周辺を調べる事にした。
「仕掛けでもされていたら、逆襲されてしまう。」
「セディ。下の砂利にも気つけろよ。鳴り石をばら撒いている可能性もあるからな。」
天邪鬼は、テレパシーの気を使ってセディに注意を与えた。
「セディ。お前なら、この柵を上れるか?」
セディは、心の中で話しかけた。
「ロープがあれば上れます。」
天邪鬼はセディの返事を読み取った。そして、、もう一度セディに話しかけた。
「よし、とりあえず中の様子だけ頭に入れておけ。」
そぉ言うと、セディを抱えて柵の上部まで浮遊した。
以前は、天邪鬼一人でも浮遊は難しかった。以前は空中へのジャンプに頼っていた。
今は、セディの様な大柄な男一人位は難なく抱えて浮遊できる。

柵の中の様子、五画場ををセディに見せる為だ。
「よぉーく、頭に入れておけ。」
柵の上から頭だけだす格好で、二人は中の様子を探った。
五画場脱出の時、天邪鬼が刃達と戦った跡が消えていた。
「アレだけの破壊の跡を完全に修復してしまうとは?」
「超神の仕業か、、それにしても、、、、」
天邪鬼は改めて、超神の不気味さを実感した。

五画場の建つ切り立った広大な丘を目にして、セディは声が出そうになった。
「こんな物を作る奴がいるのか。。」
「ボス(天邪鬼の事)は、ここから、、50人もの町の人を脱出させたのか。」
「どちらも、凄すぎるぜ。。」
セディは、これから始まるであろう戦いを前に、身震いするほどの勇気が湧いてきた。
「相手にとって、不足なし。」
「ボスと一緒に戦えて、光栄至極。」

天邪鬼がセデイに話した。
「あの絶壁のような丘が見えるだろう。」
「あの丘に五画場が建っている、内部には超神の手下も大勢いるはずだ。」
「手強い奴らもいるだろうが、、、、」
「奴隷にされている人達も大勢いる。」
「幾つかの組に分かれて、長時間の重労働を強いられている。」
「なんとしても助け出したい。」

セディが答えた。
「やりましょう。」
「戦いが始まれば、奴らは下へ降りてくるでしょう。。」
「その隙に、俺が建物の鍵を開けます。」
天邪鬼が、もう一度確認した。
「セディ。頼むぞ。」
「ジュオ達がここへ到着するには、まだ2〜3時間ある。」
「よし。お前を、あそこまで連れて行くぞ。」

天邪鬼はセデイを抱えて、一旦着地した。
そして、柵の外側から五画場の裏手に移動した。外側からだと、半時間も掛かる距離だ。
不思議と、警戒している雰囲気はなかった。
超神もそうだか、手下共も、この五画場が奇襲されるなど夢にも思っていないであろう。

天邪鬼は、五画場の裏手にたどり着くと再び、セディを抱えて浮遊した。
今度は、柵の上から周囲を確かめると、、柵の内側へ着地した。
そして暫くあたりの様子を探った。
警戒の者たちの気配がない事を確認してから、慎重に丘の方へ前進した。
セデイには初めての経験で、緊張している雰囲気が天邪鬼に伝わってきた。

天邪鬼が、話しかけた。
「安心しろ。万一の時は、俺を呼べ。。」
「見殺しにするような事はない。」
セディが安心したように笑った。。

丘の端までたどり着いた。
丘は、周囲が切り立った絶壁になっていて通常では登れない。
登り口の階段を利用するしか上の五画場に入れない仕組みになっている。
高さ、おおよそ120〜130m。
天邪鬼は地面にイージスの棒を突き立てた。
「セディ。このイージスを握れ。この棒を伸ばして一気に上まで上がる。」
セディが棒を握り締めた。
天邪鬼は、左手でセディを抱えると右手でイージスを握り、、気で命じた。
「イージスよ、伸びろ。」
音もなくイージスは伸びた。
丘の頂上へ一気に到達した。

五画場は、奴隷の人達の作業も終わり、奴隷部屋の明かりは消えていたが、、
中央棟の明かりだけは、赤々と付いていた。

天邪鬼は、
丘の一面に広がるケシ畑に身を伏せながら、五画場の様子をセディに説明した。
「あの明かりがついている建物には、超神の手下共が詰めているはずだ。」
「下で戦いが始まれば、必ず下に降りていく筈だ。」
「降りなければならない程の戦いにしてみせる。」
「その時が、チャンスだ。」
「俺が合図したら、、降り口の反対側のケシ畑に火をつけろ。」

セデイは天邪鬼から譲られた黒のコートに身を包み、一人ケシ畑に潜む事になった。
少し、心細い事は確かだが、、、それ以上に、天邪鬼の片腕となれた嬉しさの方が大きかった。
「ボス。大丈夫です。合図があるまで、ここに潜んでいます。」
「それより、ボスの方こそ気を付けて。。。。」

「よし。頼むぞ。」
「それと、これを使え。」
天邪鬼は、セディにパチンカーを手渡した。
「これは、お前の尊敬しているセディ爺が使っていた物だ。」
「玉も、24〜5発はある。」
「威力は、お前も知っているだろう。。」そぉ声を掛けると月明かりの中に天邪鬼は消えた。

再び丘の下へ降りると、慎重に柵に向かった。
浮遊して柵の外に出ると、急いで、、ジュオ達との合流地点へもどった。

天邪鬼が合流地点へ戻るのと同時ぐらいに、ジュオが率いる攻撃部隊が到着した。
特別隊の中から、140名の精鋭を連れてきたのだ。

天邪鬼がジュオと攻撃打ち合わせを済ませた。
「相手の予想しない正面突破だ。」
「絶壁の丘に登る階段上り口は、刃を含めた強力な守護の者が警護している。」
「そこを、最初に叩く。」
「不意を疲れた奴らは、階段のぼり口へ戦力を集中させるだろう。」
「そこが狙い目だ、俺が、最大攻撃を掛ける。」
ジュオが、了解した。
「天邪鬼。お前の力なくしては我々は勝てない。」
「全て、承知。」

ジュオと天邪鬼が隊員に作戦を説明した。
ジュオが身振りで、隊員に確認した。
「全員、覚悟は良いな。出発。。。」
ジュオが合図の剣を振った。

「ここから先は、要注意だ。俺が先に行く、合図したら来い。」
天邪鬼が先頭になって、進む。
天邪鬼が30mほど前進し安全を確認してから、ジュオ達が後ついていく。
暫くして、登り口に近い位置まで移動した。

天邪鬼は、力の強そうな隊員を選ぶと「縄梯子」を持たせ、その隊員と共に浮上した。
まだ、夜は明けていない。
月明かりの中で、目立たないように隊員を柵の上に下ろした。

天邪鬼は、柵の内側に降り立った。
周りを確認すると、柵の上の隊員に合図した。
柵の上から、「縄梯子」が外側と内側に二本づつ下ろされた。
「よし、登ってこい。」
柵の上の隊員が、下の隊員に合図した。
「忠臣蔵」を思わせる縄梯子での柵への侵入が始まった。

先ずクロスボー隊が先に侵入し、敵の攻撃に備えた。
秩序よく行動しても、最後の隊員が侵入完了するまでに、おおよそ40分が必要だった。
天邪鬼が予想したとおり、巡回見回りの荒くれが二人組で近くへ接近してきた。
クロスボー隊が狙うのを制した。
天邪鬼は聖剣を取ると、荒くれの背後にしのび寄り、首を叩き落した。

この荒くれ達のことが、奴らに知れる前に、、階段登り口へ近づかなければ、、
又、天邪鬼を先頭に、登り口まで前進が始まった。
柵から中心に向かって進むと、小さい山に出くわした。
この山を迂回すると、五画場のある丘に出くわすのだ。

天邪鬼が、クロスボー隊にもぉ一度説明した。
「この小さい山を迂回すると、丘への登り口は、目の前にある。」
「ここから先は、地面を這って前進する。」
ジュオが、戦闘態勢を指示した。

天邪鬼が、這いながら前進していった。
闘気は、完全に消している。
広大な丘が視界に入ってきた。
「出来るだけ近づきたい、しかし、デカイ丘を作ったものだ。」
心の中でそんなことを考えながら前進して行った。
登り口も視界に入ってきた。

更に前進して止まった。
登り口までの距離、おおよそ120m。
クロスボーの射程距離(殺傷能力を有する距離)約80m。到達距離(飛距離の事)100〜120m。
登り口の守護の者をクロスボーで射止めるには、距離が有りすぎる。
しかし、これ以上は近づけない。

天邪鬼が、合図した。
「ジュオ。クロスボーを撃たせる時は、俺の事は一切気にせずに撃たせろ。」

ジュオから了解の合図が来た、、「承知。」

天邪鬼が立ち上がり、イージスを手に取り、、、
登り口へ一人で、向かっていった。
遂に天邪鬼が、本格的攻撃態勢に入った。
聖闘衣に身を包んだ天邪鬼が、月明かりに照らし出された。

主人公
主人公:天邪鬼
天邪鬼

ここ迄で、第五話:第一章の完了です。

ページの始めに戻ります。


第五話:第二章「進入」

「ズッ、ズッ、、、」天邪鬼の足音が、丘の登り口へ近づいていく。

「誰だ」
登り口守護の者が大声を上げた。

天邪鬼が、答えた。
「俺は、天邪鬼。」
「この五画場を開放に来た。」

「ふざけるな。」
刃の、怒鳴り声と共に刃の放った衝撃波が向かってきた。
「無駄だ、、、」
天邪鬼は、それを正面から受け止めながら答えた。

後方で、ジュオが指示を出していた。
「クロスボーを囲め。」
合図と共に、武闘隊が円陣を組むように囲んだ。
武闘隊員の持っている「盾」を組み合わせて、「陣」を作ったのだ。
ジュオが更に指示を出した。
「陣が完了次第、射程距離まで前進。。」
「クロスボーは、6人一組で八方向を狙え。」
「俺の指示するまでは、撃つな。」
「天邪鬼の事は、気にせずに撃て。。あいつには、当たらない。心配無用ぞ。」

天邪鬼が更に前進しようとした時、左後方向から、、
柵を守護している、刃が「ハンマーストーン」を撃ってきた。
登り口の刃からも、「ハンマーブレード」が放たれた。
同時に登り口の守護所から、仲間に知らせる「警戒音」が鳴り響いた。

天邪鬼は、イジースを持つた右手で、防御の垂直平面バリヤーを張った。
後方のジュオ達を守る為だ。
左手で、衝撃波を放った。
登り口の刃の放つたハンマーブレードが、バリヤーにぶち当たった。
「ビッシィィィ」
左後方から来たハンマーストーンにも、天邪鬼の衝撃波がぶち当たった。
「ビッシィィィ」
天邪鬼の衝撃波は、刃のハンマーストーンをもろともせず押し返して、刃に炸裂した。
柵守護の刃は、全身に痺れが走った。
「うぅ。。」

天邪鬼のパワーが炸裂したのだ。。
しかし、、、さすが「刃」。。呻きながらも倒れなかった。

だが、
ジュオは、「刃」の受けた衝撃の度合いを見逃さなかった。
「八時方向のクロスボーを撃てぇ。。。」
「ビュ、ビュ、ビュー」
クロスボーが刃に向かって行った。
ジュオの読みは当たっていた。
刃は、必死の力で身をよじりながらクロスボーを交わそうとした。
が、、、、、
腹部と胸に二本づつ、クロスボーがぶち当たった。
その内二本は、貫通した。
「グゥゥゥ。」
柵を守護していた刃は、座り込むように倒れていった。

天邪鬼が、イージスを地面に突き立てた。
「逃げるなら、今のうちだぞ。」
「今度は、俺の番だ。」
そぉ言いながら、深呼吸をし、闘気を最高度に持っていった。
「シャァー」
気合と共に、天邪鬼スペシャル「重量波」が放たれた。。。

「最高度の重量波」が、青白く光ながら登り口の側方へ向かって行った。
周りにいた、「荒くれ」や「捨て札」を巻き込みながら丘の壁面へぶち当たった。。

「ドッシュ。。」

壁面の岩が四方八方に飛び散った。
少し離れていた「捨て札」や「刃」にも岩の破片が突き刺さった。
丘全体に揺れが生じた。
丘の頂上に潜むセディも、一瞬、、ケシの茎を掴まなければならない程の揺れを体感した。
まるで地震だった。
頂上の五画場の建物には、斜めにひび割れが生じた。

その揺れは、炭鉱に迄伝わって行った。
五画場及び、周辺にいた殆ど全ての超神の手下供が丘の登り口へ向かって来た。
丘の頂上の五画場の建物に残っていた荒くれや、中札、上札達も、一斉に建物から出ると、
降り口に向かって走っていった。

登り口を守護していた刃だけは、額から血を流しながら、立ち上がってきた。
「そんな大技は、長くは使い続けられない。」
「次は、俺達の怖さを思い知れ。」
そしてその刃は、再び仲間を集める「警戒音」を鳴らした。
左前方から、柵の北側を守っていた一群が、視界に入ってきた。
既に、全員が武装している。
その数、約40人。
一斉に、掛かって来た。全員スピルソードを振りかざしてくる。
その後方から、馬小屋を守護している荒くれ達が、弓を放ってきた。

天邪鬼も、地面に突き立てていたイージスの棒を引き抜いた。
天邪鬼が、先に切り込んでいった。
一振りで、2〜3人の捨て札や荒くれをなぎ倒して行った。
刃が、二人係で、天邪鬼に向かってきた。

ジュオが、叫んだ。
「向かってくる敵は容赦なく撃ち殺せ。」
「火矢を放て。。」

クロスボー隊が火矢を左右に打ち込んだ。
明け方前だったが、戦いの場が赤く照らし出された。

刃が、同時にハンマーストーンを掛けてきた。
天邪鬼にぶち当たった。天邪鬼が、右方向に吹き飛んだ。。
続けざまに、捨て札の一群が、スピルソードで襲い掛かった。

ジュオが叫んだ。
「二時と三時のクロスボーを撃て。。」
「ビュ、ビュ、ビュー」
天邪鬼に襲い掛かる捨て札の群れの中に、クロスボーが飛んでいった。
「ギェ、ギェ、ギェ、、、、」
捨て札達の悲鳴が響いた。
一人の捨て札の首を掴んだまま、天邪鬼が立ち上がった。
「無駄だ、そんな軽いハンマーストーンでは、俺は倒せない。」

立ち上がった天邪鬼に、刃の一人が掴み掛かった。
「アッ。ハハハ。」天邪鬼が、笑った。。
「俺に、掴み掛かるとは、酔狂が過ぎるぜ。」
「俺の波紋を味わうが良い。」
掴み掛かって来た刃の手首を握り返し、波紋を流した。
刃は、声を立てる事もないまま、、座り込んで動かなくなった。

それを見ていた、他の連中が一瞬たじろいだ。
波紋の凄まじい威力に、恐怖を感じたのだ。。

ジュオが、その隙を見逃さなかった。
「クロスボーを一斉発射せよ。」
「そして、前進。」
「ビュ、ビュ、ビュ、ビュビュビュ、」
クロスボーが一斉には発射された。
捨て札や、荒くれの武装などお構いナシに、貫通していった。

残っている刃が、魔長剣を構えた。
魔長剣から、否妻斬りを放ってきた。
天邪鬼は、とっさに垂直平面バリヤーを張った。
「この否妻斬りが当たれば、隊員に犠牲が出る。」
「ジュオ気をつけろ。刃の技を侮るな。」
天邪鬼が、ジュオにテレパシーで伝えた。

「承知。」
ジュオから返答が来た。

刃に向かって、天邪鬼が衝撃波を撃った。
「ビィシュ。」
刃が衝撃波を交わしながら「大技も連続しては、使えまい。」
そぉ言いながら、捨て札を集結させた。
「狙うは、天邪鬼一人。」
「三人一組で、念動派ブルーシックスを撃て。」

刃の衝撃波が天邪鬼に向かってきた。
同時に、捨て札のブルーシックスも放たれた。
天邪鬼は、逃げなかった。
二つを同時に受け止めた。
その表情には、余裕があった。

天邪鬼は再び衝撃波を刃に向けて、、連続的に速射した。
刃は必死で二発目、三発目と交わしたが、四発目は顔面に炸裂した。
刃の全身に痺れが走った。
刃が、膝をついた。

ジュオが容赦なく、指示を出した。
「二時のクロスボーを撃て。」
六本全てのクロスボーが、刃を貫通した。
「続けて、正午と一時のクロスボーを撃て。」
刃の周囲にいた捨て札も容赦なく射抜いた。

天邪鬼が、丘の頂上にいるセディに合図した。
「セディ。降り口の反対側のケシ畑に火をつけろ。」
「側の作業小屋にも火を放て。」
「火を放ったら、建物の鍵をぶち壊せ。」
「慎重にやれよ。」
「もし、捨て札や、木枯らしが向かってきたら、離れてパチンカーで狙え。」

セディが、ケシ畑に火を付けようとしていた頃、
炭鉱から刃の長「ヘルン」が、
配下の捨て札を引きつれ五画場へ通じるトンネルに向かおうとしていた。
先ほどの巨大な揺れを感知して、全員が重武装していた。

刃の長「ヘルン」
超神の配下
超神十人衆の一人

セディは、ケシ畑に潜んでいる間に、枯葉を集めていた。
暗闇でも、乾燥した葉ぐらいは見分ける事が出来た。
「慎重に、しかし確実に火をつけなくてはいけない。」
セディは、自分に言い聞かすように行動した。
ケシの畑に火が付いた。
臭いが、鼻に沁みる、凄い臭いだ。
急いで、作業小屋に移動した。
作業小屋には、容易く火が付いた。

火をつけると、セディは急いで建物に移動した。
近づくと、巨大な建物だ、それも五画形に配列されて、見た目は美しい建物だった。
天邪鬼に教えてもらっていた、奴隷部屋がある建物の入り口迄移動した。
その頃には、外のケシ畑が、激しく燃え上がりだした。
夜が明け始めたが、その炎は空を赤く照らし始めた。
建物の中で、ざわめきが聞こえ始めた。
「おーい。外が燃えているぞ。」
「誰か、いないのかぁ。。」
捕らえられて、奴隷にされている人達の声だった。

セディは、暫く様子を見る事にした。
思った通り、、、暫くすると建物の中から、中札や、上札の声が伝わってきた。
「外の畑が、燃えている。。誰か、消しに行け。。」
中から、5〜6人の荒くれと下札が数人出てきた。
連中は、「叩き消せ。」
そぅ言いながら、竹箒を握って燃えている畑に向かっていった。

セディは、一先ずは安心した。
「手強い奴らのほとんどは、下に行った様だな。」
「よし、鍵を壊すか。」
緑の棒で、叩き壊すか、それともパチンカーで、吹き飛ばすか。
セディは、パチンカーの方選んだ。
鍵は、一発で吹き飛んだ。
まだ、気づかれていない。
今の内に、機敏に行動しなければ、、セディは焦った。
しかし、不思議と怖さは湧いてこなかった。
建物の中に侵入した。

天邪鬼から、奴隷部屋に向かう途中に見張り役の詰め所が有ると聞いていた。
セディは、緑の棒を構えて呼吸を整えた。
詰め所のドアは鍵は掛かっていなかった。
ドアを開けながら、、小さく喋った。「おい。鍵をよこせ。」
部屋の中には、中札が一人背を向けて立っていた。
「そこにあるだろうが、、、、、貴様、誰だ.........」
中札が、喋り終わると同時に、セディが首をへし折った。
「ボスが、言っていた鍵はどこか、、アッ、有った。。。」
奴隷部屋は組別に分かれているが、鍵は共通になっていた。
「これが、共通鍵だな。」

直ぐに、奴隷部屋に向かおうとした。
詰め所を出た途端、木枯らしに出くわした。
セディが一瞬早かった。木枯らしの喉に突きを入れていた。

奴隷部屋から、ざわめきが起こった。
「静かにしろ、直ぐに鍵を開ける。」
「騒げば、奴らに悟られる。」
奴隷部屋に向かって、小さく声を掛けた。
一番手前の奴隷部屋の鍵を開けた。
最初に出てきた男に、セディが話した。
「俺はセディ。。あんた達を助け出しに来た。」
「今、下では、俺のボス達が戦っている、奴らもその殆どは下に降りていった。」
「この鍵で、外の部屋も開けてやってくれ。」
「俺は、警戒に当たる。」
「外に出たら、降り口に向かえ。」
「出来るだけ、見つからないようにな、、」

男が、微笑みながら答えた。
「ありがとうよ。任しておきな、全ての部屋の鍵を開けてくるぜ。」
更に男が、他の者に声を掛けた。
「おーい。皆、奴らにこき使われて死ぬよりも、戦って死のうぜ。」
「皆、武器を取れ。」

セディが、建物の入り口に戻った。
脱出の騒ぎを聞きつけて、向かってくる奴らに対抗する為だ。

建物の奥から、荒くれが数人出てきた。
セディは、パチンカーで狙った。
一人の顔面を打ち砕いた。
荒くれが、鞭を出した。
走って向かってきた、パチンカーが間に合わない、、
二人目はセディの1m前で、パチンカーの餌食になった。
三人目が、セディに掴み掛かって来た。
セディの水平蹴りが入った、
その荒くれが、後方へぶっ倒れた。
荒くれは、倒れたまま、、奴隷となっていた人達によって、叩き殺された。

天邪鬼がセディに合図を送って暫くして、丘の頂上で火事の発生が確認された。
頂上から先に降りてきていた「元締め」の一人が、大声で叫んだ。
「五画場へ戻れ。これは、罠だぁ。。」
「階段を、降りてきている者たちへ知らせろ。。」
それと同時に、階段登り口の鐘が鳴り響いた。

天邪鬼は下に居る最後の刃と、戦っていた。
天邪鬼は、少しあせっていた。
「早く、頂上へ向かわなければ、セディ達が危ない。。」
刃の方は、もぉ破れかぶれになって掛かってきていた。
「死を覚悟しての決死の戦いを挑んで来ていた。」
魔長剣の扱いに長けている刃だった。
おそらく身分は、刃の中では低いであろう。
しかし、声を発するでもなく、全身の力を込めて切り込んで来る。

天邪鬼に、焦りから隙が出た、
刃が、魔長剣を投げつけてきた。
天邪鬼は、剣を投げつけてくるなど予想しなかった。
剣を交わした、次の瞬間。。。
その刃が、体当たりで「羽がい絞め」に来た。
天邪鬼は、がっしりとベェアハッグに抱きしめられた。
もの凄い怪力で締め上げてくる。
そして、刃が叫んだ。。
「俺もろともスピルソードで串刺しにしろ。」

周辺にいた捨て札が、スピルソードを振りかざし体当たりしてきた。
刃を振りほどけない。

後方のジュオも叫んだ、「一時と二時のクロスボーは天邪鬼を狙って撃て。」
「ビュ、ビュ、ビュー」
羽交い絞めにされている天邪鬼に向かって、
スピルソードを持った捨て札、そして、クロスボーが同時に向かっていった。
ジュオには分かっていた。
「こんな事に負ける天邪鬼ではない。」

天邪鬼は、刃に羽交い絞めにされたまま浮遊した。
スピルソードを構えた捨て札が決死の体当たりをかましてきたのと同時だった。
そこへ、クロスボーが突き刺さった。
突入してきた7〜8人の捨て札は、クロスボーで串刺しになった。

空中で、天邪鬼も懇親の力を出した。
力比べだ。
刃も、腕が痺れてきていた。
天邪鬼が、気合と共に振りほどいた。
刃が、落下していった。
真上から、天邪鬼が蹴りを入れた。
「グッキィ」
刃の、あばら骨が砕けた。

天邪鬼が、ジュオに叫んだ。
「俺は、頂上のセディ達を救いに行く。」
「後は、頼むぞ。」

ジュオから返事が来た。
「全て承知。」

ジュオが、「星の剣」を抜いた。
そして、武闘隊のユックに指示出した。
「奴らを粉砕しろ。」
「クロスボー隊は、左右を狙え。」
「武闘隊は正面に突撃するぞ。」

武闘隊の隊長、特別隊副長のユックが、号令した。
「武闘隊員は、槍剣を装備しろ。」
隊員は、背に負っている棒を引き抜き、先に聖剣を取り付けた。
約、2.7mの「槍剣」が出来上がった。
長刀にもなる、ジュオが苦心の末作り出した武器だ。

ジュオが、合図の星の剣を振り下ろした。
ここ迄で、第二章の完了です。

ページの始めに戻ります。


第五話:第三章「超神出現」

ジュオは、
先ず階段上り口の「敵の詰め所」の占領を図った。
天邪鬼の情報で、
「地下室、もしくは地下道があるかも知れない。」
「占領すれば、この五画場の構造も分かるかも知れない。」そぉ、思ったからだ。。

ジュオの合図で、クロスボーが一斉に敵詰め所に放たれた。
それと同時に、ユツク率いる武闘隊が、槍剣を構えて突撃した。
「刃」を失い、捨て札の殆どはクロスボーに射抜かれていた。
荒くれと数人の捨て札が抵抗してきたが、槍剣戦法には刃が立たなかった。
ユックが、詰め所の中に入り、安全を確認すると合図の剣を振った。

他の武闘隊員も中に入って行った。
そして思ったとおり、地下室と地下道も見つかった。
ユックが、地下室から地下道に通じる部屋に防御壁を作らせた。
地下道から敵が現れた時の為の防御壁だ。
そして、地下室から詰め所に入る「入り口」には、、
ユックの考えた「仕掛け」も施した。

ジュオが指示した。
「各第一班は、この詰め所を中心にして凸陣を張れ。」
「各第二班のクロスボーの一部は階段の上から、向かってくる敵を狙え。」
「頂上から降りてくる敵にも気つけろ。」
「指揮はユツクが行え。」
「後の者は、俺について来い。この柵の入り口に向かう。」
ジュオは約30名ほどを連れて、柵の入り口へ向かった。

平和の盾特別隊副長
特別隊副長
ユック

その頃、頂上では、、、、
階段から舞い戻って来た、荒くれや、中札、上札にセディが囲まれていた。
奴隷にされていた人達も建物の出口付近で、セディと共に戦っていた。
荒くれは、武器を持たない人達を容赦なく殴り倒していた。
しかし、奴隷にされていた人達も負けてはいなかった。
スピルソードで貫かれても、なお向かっていった。
一人が足を掴み、一人が腕を掴み、更にもう一人が抱きつき、死に物狂いの戦いをしていた。
そして、動けなくなった荒くれを皆で殴り殺していた。

セディも、必死だった。
鞭の攻撃をかわしながら、奴隷にされていた人達に掛かって行く荒くれを始末していた。
「おい。武器を持った俺に掛かって来い。」
「それとも、、武器を持たない者としか戦いが出来ないのか。」
荒くれ共が、セディに向かってきた。
「貴様は、何者だ。殺してくれるわ。。」
セディは、向かってきた荒くれの腕をねじり上げながら、
他の中札や荒くれに蹴りを入れた。
残っている荒くれ達が剣を抜こうとしたが、、、、、、、柄を握っただけだった。

天邪鬼が、荒くれの首を刎ねた。
残った中札や、上札も天邪鬼が首をへし折った。
天邪鬼が、セディ達の救援に現れたのだ。
「少し遅くなってしまった。」
「セディ。皆を集めて、下へ降りれる準備をしろ。」
「それと、未だどこかの部屋に閉じ込められている人達はいないか確認だ。」

セディが、ホットした表情で答えた。
「ボス。この人達の話だと、女の人達も居たそうだけど、居なくなっている。」
解放された男たちが、
「ひょっとしたら、この建物のどこかに別の階段の抜け道があるのかもしれない。」
天邪鬼が、返事を返した。
「分かった。お前達はとりあえず、階段から下に降りろ。」
「セディ。この人達を下まで頼む。」」
「俺はその抜け道となっている別な階段を探す。」
「階段の降り口迄行ったら、ジュオ達がいる。」

セディが、胸を張った。
「心配しないで、俺たちは先に下へ降りて待っているから、、」
「皆も力を貸してくれ。」
男達にも声を掛けた。
男達が笑い顔で答えた。
「喜んで、力になるぜ。じゃ、先に下に降りよう。」

その時だ。。背後から、
最後に戻ってきた元締めが、天邪鬼に鞭を浴びせてきた。
「ピッシィ、ピッシィ」
「ハハハ。」
「貴様に、俺の鞭が交わせるか。。」
その元締めが、高笑いしながら鞭を振るってくる。

天邪鬼は、その元締めに見覚えがあった。
「ケシ坊の作業の時に鞭を振るっていた奴だ。」
天邪鬼は、三発目の鞭を手で掴んだ。
鞭を取り上げた。
反対に鞭で、その元締めを建物の壁へ追いやった。
そして、そいつに向かって言った。
「このまま、鞭の餌食となって死ぬか、、それとも、俺に掛かってくるか。」
そぉ言うと、天邪鬼は鞭を捨てた。
「来い。奴隷にされた人達の悔しさを教えてやる。」

元締めが、向かってきた。
天邪鬼が地獄蹴りを見舞った。
元締めの右足脛の部分へ炸裂した。
「グッキィ」
脛の骨が折れた。
「地獄蹴りを食らうと、笑いながら死ぬと言うほど痛い。」
それゆえ、、地獄蹴りと言う。
「ゲェ、、、ウォオー。。」
元締めが断末魔の悲鳴をあげた。

天邪鬼が、解放された男たちに話した。
「階段には、敵はいない。俺が掃除してある、安心して降りろ。」
そぉ言うと、セディに声を掛けた。
「セディ頼むぞ。」

そぉ言い残すと一人天邪鬼は、建物の中を奥へ進んだ。
「おかしい、誰も居ない。」
更に奥へ進んだ時だ、天邪鬼が立ち止まった。
「この壁は、怪しい。隠し部屋のようだ。」

天邪鬼が、壁にイージスの棒を突き立てた。
「ガッシュ」
大きな穴が開いた。
建物のほぼ中央付近の太い柱の有る壁の横に、大きな穴が開いた。
中に入った。

そこは、直径10mほどの螺旋階段となっている部屋だった。
天邪鬼は予想した。
「多分この階段は、一部の者しか利用出来ない決まりになっているのだろう。」
「作りが丁寧で、しかも頑丈な手すりがついている。」
「この階段からケシ坊主も運んだな、臭いが染み付いている。」
天邪鬼は、明かり火を探して来た。
階段の下を照らした。
まっすぐに下へ続いているが、
直径10m程もあり女子や子供でも容易く登り降り出来る構造のようだ。

天邪鬼は思った。
「ひょっとしたら、、この階段はあの炭鉱へ繋がっているのではないか。」
そんな思いを巡らしていた時、、、、
「物凄い殺気を感じ取った。」
とっさに、持っていた明かり火を吹き消した。
「この階段の下から、手強い奴らが近づいて来る。」
「未だ奴らは、俺には気づいていないナ。」
「出来るだけ引き付けてから、重量波を放ってやる。」
天邪鬼は、神経を集中した。
「敵の数、おおよそ50名。雑魚はいない。選りすぐりの手強い連中のようだ。」
「頭目と思われる者一名。」
天邪鬼は更に、聴力に神経を集中した。

その階段の下の入り口付近からかすかな話声を捉えた。
それは、
刃の長「ヘルン」の声だった。
「この階段を登るのが早道だか、上に誰か居るやも知れん。」
「上で、待ち伏せされていたら不利だ。」
「ここには、5人だけ残れ。俺が合図したら階段を上れ。」
「その他の者は、丘下の出口から外の階段を登る。」

天邪鬼が、ハットした。
「丘下の出口とは、あの詰め所か、柵ので入れ口の地下室のどちらかだ。」
「この頂上へ登るという事は、この建物に何か重要な物が残されているな。」
「とにかく、急いで下へ戻ろう、ジュオ達が背後を突かれる恐れがある。」
「この階段は、ブチ壊してやる。」
天邪鬼は、精神を集中し闘気を高めた。
最高値に高めると、階段の上に浮上しその中心に位置した。

下のヘルンが天邪鬼の闘気を察知した。
下から、ヘルンの放った超衝撃波が浮上してきた。
天邪鬼も先刻承知していた。
しかし、慌てなかった。。呼吸を整えて、全神経を集中させた。
「シャッアー。。」
天邪鬼の作り出したエネルギーが、青白く光ながら下方に向かって放たれた。
螺旋階段を「バキィバキバキ」ともぎ取りながら、
ヘルンの衝撃波とぶっかった。
「ビッシィ」という、鈍く鋭い爆発音を発したが、その勢いは止まらなかった。
「バキィバキィバキ」という連続音を発しながら下に向かっていった。

下で、ヘルンの叫び声が響いた。
「皆、退却しろ。」

天邪鬼の重量波が下にブチ当たった。
「ドッスン」と言う、地鳴りが起こった。
丘に再び地震が襲った。
逃げ遅れたヘルンの手下十数名を巻き込みながら、地下道に大きな穴がえぐれたように開いた。
しかし、前と違い丘の内部には大きな揺れが生じたが、外の階段などへは響いただけだった。
反動で、頂上の五画場の建物の中央部付近が陥没した。

天邪鬼は、重量波を放つと急いで頂上の崖に急いだ。
頂上端の崖まで来ると、イージスの棒を地上まで伸ばし一気に下へ戻った。

下では、ジュオ達が柵の出入り口の壊し作業に掛かっていた。
天邪鬼が、叫んだ。
「第二陣のつわ者の群れが来るぞ。」
「詰め所の地下か、柵の出入り口の地下から来るぞ。」

それを聞いて、ユックは詰め所の地下に向かってクロスボー隊の陣を組んだ。
ジュオの方も、柵下の地下道入り口へ向かってクロスボー隊の陣を組んだ。
階段の上のクロスボー隊も周囲を警戒した。

その直後、、、、、
頭上から、巨大なエネルギーが否妻になって落ちてきた。
それは、、、
「ビリビリ、、、」と言う電気的な摩擦音を伴って落ちてきた。
天邪鬼は、瞬間的に頭上に大きな水平バリヤーを張った。
天邪鬼のバリヤーにそれは激突した。
天邪鬼のバリヤーが破られた。
「バッシィーン」
天邪鬼に炸裂した。
天邪鬼が火に包まれた。
火だるまの天邪鬼が、地面に叩きつけられた。
天邪鬼の近くに居た隊員数人も巻き添えを食らって犠牲になった。
超神が現れたのだ。

それと同時に、、、詰め所奥から
ヘルンの超衝撃波が詰め所を狙って陣を張っていたクロスボー隊に向かって放たれた。
ジュオが、大声を上げた。

「皆伏せろ。。」

その直後、又しても「バツシィーン」と言う爆発音が響いた。
ヘルンの超衝撃波に、天邪鬼が衝撃波をブチ当てたのだ。

天邪鬼は、立ち上がった。
聖闘衣の防御力が、超神の否妻から身を守っていた。
「マザー。。」天邪鬼の脳裏をマザーの面影がよぎった。

天邪鬼が立ち上がったと同時に、今度は巨大否妻が天邪鬼を掴みに来た。
瞬時に球体バリヤーを張った。
しかし、またしてもそのまま空中へ持つて行かれた。

超神のエネルギー体
超神パワー
巨大強靭な否妻攻撃

ヘルンが出てきた。
「貴様ら、天邪鬼がいなければどうにもなるまい。雑魚の集まりが、、」
「奴は、我らが主に潰されるわ。ハハハ。」
「貴様ら雑魚は俺が始末してくれる。」

ジュオが出てきた。
「ほざくな。」
「天邪鬼は、そんな柔な奴ではない。」
「お前こそ、先ほどの技で俺を倒せると思っているのか。。」

ヘルンの形相が変わった。
ジュオに向かって、超衝撃波を撃って来た。
ジュオにまともに当たった。
ジュオが吹っ飛んだ。

しかし、、、
ヘルンは、ジュオの率いる攻撃部隊を甘く見ていた。
隊員達は、このような場面に遭遇時の対処を日々ジュオに叩き込まれていた。
「ジュオの地獄の特訓」を受けた隊員たちであった。
ヘルンが、ジユオに魔法技を掛ける一瞬の隙を狙ってクロスボーを放ったのである。
ジュオの心配などお構いナシに、、、、
「ピューピュー、ピュー」
クロスボーが一斉にヘルンに向かっていった。
ヘルンが、クロスボーをバリヤーで防いだ、が、、、、一本はヘルンの右太腿へ鎧着の上から、
更にもぉ一本は左肩へ突き立った。
クロスボーを二本受けて平然としている奴は、「ヘルン」が最初であった。
恐るべしヘルン。

ヘルンが、怒り狂った。
「お前達、皆殺しにしてくれる。」
そぉ言うと、クロスボー隊に向かって、構えた。
再び、クロスボーがヘルンに向かって放たれた。。
今度は、全てヘルンが叩き落した。
「こんな子供だましで、俺を傷つけてくれたな。死ね。。」
「こんなもの、二度と利かぬわ。」

「ど、どうかな。。」
クロスボー隊の後方へ飛ばされたジュオだ。
隊員達が、活気付いた。
「おい。超神の手先よ。」
「俺は、魔王サーとも戦って来ている。お前如きの技では死なん。」
ジュオは、星の剣を杖代わりに立ち上がった。

ジュオは、魔王との戦いの後、、
セディ爺から授かった「魔法技に対する受け技」を磨き、その防御力を高めていた。
機会ある毎に、浮かぶ島の天邪鬼を尋ね、天邪鬼を相手に特訓を重ねていたのだった。
ジュオが、ヘルンに語りかけた。
「どうだ、俺と剣で勝負しないか。」
「それとも、怖いか。。」
ヘルンが乗ってきた。

魔長剣を抜いて、ヘルンが向かってきた。
「この死にぞこ無いが、剣の錆にしてやる。」
ジュオにとっては、大博打だつた。
立ているだけがやつとの状態だったが、
これ以上「魔法技」を使われたら、勝ち目が無かったのだ。
ハッタリ半分の賭けだつた。

しかし、
捨て札の魔法技「スクリュードライブ」が容赦なくクロスボー隊に向かって放たれた。
数人のクロスボー隊員が無残に吹き飛ばされて動かなくなった。

ユックの率いる武闘隊が、切り込んでいった。
武闘隊員は、
聖鎧と盾を構えてクロスボー隊を守る班と、切り込む半に分かれて戦いを挑んでいった。
近寄ってしまえば、槍剣を操る武闘隊員に分があった。
肉を切らせて、骨を切る戦法だ。

ユックが、号令を掛けた。
「隊長の事は心配するな。これしきで負けるような方ではない。」
「我々の敵は、捨て札ぞ。隙があれば射抜け、隙があれば切り捨てろ。」
「魔法技を撃たれたら、盾をしっかりと構えろ。。」
「人数は、こちらが多い。落ち着いて、立ち向かえ。」
捨て札に、隊員数人づつで槍剣を構えて向かっていった。

更にユックが大声で指示を飛ばした。
「火矢で、詰め所の仕掛けを狙え。」
火の付いた特殊クロスボーが、先ほど「ユックが作った詰め所の仕掛け」を狙った。
火矢は正確に仕掛けに突き立った。
詰め所の中に居た捨て札たちは、「一瞬、とまどった。」
火矢が壁に打ち込まれ、「何かある」と予感した。
しかし、遅かった。
詰め所の奥の上から、「仕掛けクロスボー」が詰め所の中心を狙って発射された。
ユックが、「仕掛けクロスボー」を設置させていたのだ。
詰め所に残っていた捨て札は、大半がクロスボーに射抜かれた。

捨て札が魔法技を使えば犠牲も出るが、隙が生じる。。
その隙をクロスボー隊は見逃さなかった。
隊員達は闘魂魂では、決して、捨て札や木枯らし達には負けていなかった。

ジュオは、ユックの声が聞こえなかった。
必死で、ヘルンの剣を交わしていた。
体が痺れていた。
しかし、徐々にではあるが動きが軽くなってくるのが分かっていた。
「時間が要る、、」
ジュオが、ヘルンをからかった。
「おい。俺は、体が痺れている。俺を倒すなら今のうちだぞ。。」
「時間が経てば、お前に勝ち目はないぞ。」

ヘルンが、本気になった。
「俺を本気で、怒らせたな。」
ヘルンが、剣を綾の字に振りながら切り込んできた。
ジュオの思う壺だった。
幾らヘルンが強くとも、剣の腕ならジュオに「一日の長」があった。
間合いが近ければ近いほど、その差は開く。

ジュオは、先ほどクロスボーが突き立ったヘルンの右足の動きを読んでいた。
ジュオは、ヘルンの左側から右の軸足に体重が掛かるように、星の剣を逆手に持ち、
逆手の逆袈裟に切り込んだ、
ヘルンが、第一の剣は交わすと予想していた。
そのまま、逆手のツバメ返しで第二の剣を振り込んだ。
「ビッシュー」
ヘルンの胸元を掠めた。
「うぅぅ。。」ヘルンが呻いた。
ヘルンの着ていた鎧着の前がはだけて、血が飛び散った。
更に、返す剣をヘルンの腹めがけて突き込んだ。
ヘルンが、必死に交わした。
しかし、
ジュオの剣はヘルンの横腹をかすめ、横腹の鎧着も切り裂かれて、血が噴出した。
「グゥゥ。。」再びヘルンが呻いた。

ヘルンが後へ下がり、間合いを取った。
「お前の術中に嵌るところだった、剣の腕は大したものだな。」
「俺を誘ったな、、口も大したものだ。」
「しかし、もぉその手は食わん。」

ヘルンが、衝撃波を撃ってきた。
再び、ジュオが吹き飛ばされた。今度は、立て続けに電撃波も撃ってきた。
ジュオが動かなくなった。
ヘルンが、動かなくなったジュオに足蹴りを入れて笑った。
「剣が強くても、このざまは何だ。後の奴も皆殺しにしてやる。」
「お前達など、俺一人で十分だ。。」
そう言いながら笑った。
「ハハハ。愚か者が、、ハハハ。。。」
「ピュー」風を切る音がした。
「グゥフ。。。」
ヘルンが血反吐を吐いた。

頂上から降りて来たセディが、パチンカーでヘルンの喉を狙ったのだ。
魔王との戦いの時、ジュオが魔王の喉狙ったのと同じように、、、今度はセディが撃ったのだ。
ヘルンがジュオの側に座り込んだ。
ジュオが、星の剣の柄を握りしめた。
柄から星の「剣」の部分が飛び出した、そしてヘルンの胸を貫通した。
「セディ。。手を貸せ。」ジュオが搾り出すように喋った。
セディが、笑った。
「師匠が、、、、生きている。。」

ここ迄で、第三章の完了です。
超神に、又しても天高く掴み上げられた天邪鬼の運命は。。。。
ジュオは戦えるのか。。。
そして、解放された人達は、この五画場から脱出できるのか。。。

ページの始めに戻ります。


続きは後編でお楽しみ下さい。。「第五話後編」へ


wujingと天邪鬼の正門