■ 続編 「新:天邪鬼」第五話

※ 続編の第五話:「五画場攻撃」後編です。。

第五話前篇へ/ 第四章「成層圏」/ 第五章「制圧」/ 第六章「復活の町」

第五話:「五画場攻撃」後編

第五話第四章「成層圏」

球体バリアーのまま天邪鬼を掴み上げた巨大否妻は、
バリバリと電磁波を発しながら天高く舞い上がって行った。
しかし、
今度は、天空に舞い上がっても天邪鬼を離さなかった。
そして、
地上へ激突させる為の急降下もする気配を見せず、更に上昇を続けた。

天邪鬼の球体バリアーに、強力な電磁波を送りながらその巨大否妻と化した超神は、
天邪鬼を離そうとせず、対流圏を抜けようとしていた。

対流圏を抜けた時、天邪鬼の「緑の指輪」マザーリングが輝き始めた。
成層圏以上の環境に遭遇し、マザーリングの力が呼び起こされたのだ。
天邪鬼には、初めての感覚が沸き起こった。
「何だ。。この躍動感は。。」
体の節々が張り裂けそうな位に、力がみなぎる感覚に襲われた。。

成層圏に突入し、超神はその姿を超神竜に有体化させた。
成層圏では、さすがの超神も否妻の形態は作れないらしい。
成層圏の高度を更に上昇し、超神竜と化した超神が天邪鬼を離した。

天邪鬼は、落下しなかった。
超神が、初めて口を開いた。
有体化した時は人間と同じように喋れるし、目で見て物体を捕獲できるのである。
「天邪鬼よ。思ったとおり、成層圏まで連れてきても浮遊できる力を持っておるか。」
「しかし、只浮遊しているだけなら風船と同じ、代に向かってこれるか。」

天邪鬼が、テレパシーで返した。
「貴様如きに、負けはせん。」
「この風船を、破れるか?」
天邪鬼は、超神の弱点の精神面の弱さをついたのだ。

超神が、激怒した。
「グゥワー」
凄まじい電磁波を帯びた否妻を竜の口から発した。
まっしぐらに、天邪鬼に激突した。
天邪鬼は、瞬間バリアーに身を包んだ。
「ビッシィー」
天邪鬼の周辺に放電否妻が発生した。
通常は、成層圏では起こりえない現象であった。
天邪鬼は、数百m吹き飛ばされた。

超神が、またしても口を開いた。
「貴様、代を愚弄しおって。。」
「貴様を此処へ連れてきた、もぉ一つの目的は別にある。」
「五画場にいる貴様の仲間達を皆殺しにする為だ。」
「お前を地上に置いては、防御バリアーを張られて皆殺しの邪魔をされるのでな、、」
「ハッハハ。。。」
そぉ言い終わると、地上に向けて否妻を放った。
成層圏をビリビリと音を立てながら降下し、対流圏に突入した瞬間、、
「ビィイリィ、ビィイリィ、、」と雷音発しながら地上に落下した。
成層圏にいても、その巨大な落下物の威力は推測できた。
超神は、続けざまに否妻を地上に向けて放った。。

天邪鬼の脳裏にジュオ達の事がよぎった。
「ジュオ。無事でいてくれ。」
しかし、天邪鬼は強気であった。
「俺達には、使命がある。ジュオが負ける訳が無い。」
超神に、テレパシーを送った。
「こんな上から、メクラ撃ちしても無駄だ。」
天邪鬼が、イージスの棒を超神に向けて天邪鬼スペシャル重量波を放った。
イージスで増幅された重量波か否妻竜に激突した。
「ドッシュ」

「ハッハハハ。貴様如きの技は利かぬわ。」
否妻竜に化した超神が高らかに笑った。
「貴様は、代に近づく事も出来ん。」
「そして、代に傷を付ける事も出来んワ。」

天邪鬼も、負けてはいなかった。
「今のは、、、、ほんの挨拶代わり。」
「ほれ程己に自信があるなら、俺を見事始末してみろ。」
そぉいって、両手を広げて見せた。

またしても超神が激怒した。
「貴様。。」
今度は、青白い「うねりの有る渦」が向かってきた。
天邪鬼は、瞬間バリアー平面を張った。
「ビッシィー」
バリアーに亀裂が生じた。
凄まじい破壊力だ。
天邪鬼は、球体バリアーに身を包んだ。
平面バリアーが破壊された。
天邪鬼は、またしても数百m吹き飛ばされた。

そして超神は同じ「うねりの有る渦」を地上へも放った。
続けさまに、天邪鬼にこの渦が、連続して向かってきた。
成層圏ゆえ、岩や地面にぶち当たる事は無いが、
空気の密度が薄い為、その破壊力は地上よりも上回る。
天邪鬼には、手が出なかった。
防御に精一杯であった。

天邪鬼は必死であった。
「地上への攻撃を食い止めねば、、、ジュオ達が危ない。」
天邪鬼は、超神竜に向かって突進していった。
「殺られるかも知れない。」
球体バリアーなしで、
イージスの棒に有りったけのエネルギーを傾注し、超神竜に突撃したのだ。

超神が竜の尾を電磁波で被い、振り回してきた。
天邪鬼にぶち当たった。
天邪鬼は、その破壊力の凄さの為失神した。
しかし、天邪鬼が失神する直前、、、、「マザーフラッシュ」が作用した。
天邪鬼の闘気力が低い為、未だ随意に発する事は出来ないが、
防御と攻撃を備えた、マザーズ(マザーから授けられたマザースペシャル)が働いたのだ。

「マザーフラッシュ」が光った時、
超神竜が、小さく呻いた事を天邪鬼は意識が遠のく中で感じ取った。。
しかし、、天邪鬼は失神し、地上へ降下して行った。

超神竜は、何故か、、、
失神して成層圏を落下していく天邪鬼に否妻を放っただけで、後を追って行かなかった。
それどころか、有体化を中止して消えた。

落下していく天邪鬼に、容赦なく超神竜の放つた否妻がぶち当たった。
天邪鬼は否妻に包まれて赤く輝きながら、降下し続けて行った。

地上では、
ジュオの機転で、一発目の落雷を受けて直ぐに五画場の柵外へ脱出し町へ向かって走り始めていた。

第一発目は、五画場の頂上へ登る階段へ落雷し中腹から下の階段はそぎ取られ、
階段に陣を張っていたクロスボー隊員の数名が犠牲になった。
そして、二発目は、馬小屋付近に落雷し十数人が犠牲になった。
馬車を仕立てて、五画場を脱出しようとしていた人達を天空から巨大な否妻雷が襲ったのだ。

ジュオが、指示を出した。
「馬車には構うな、とりあえずこの場所から退避だ、、」
「五画場に残っていると、全滅するぞ。逃げろ。。」
既に、刃の長ヘルンをはじめ五画場を守っていた超神の手下共の殆どは、
ジュオ達によつて倒された後だ。
もし、ヘルンを倒す前に落雷が始まっていたら、、
その誘導によって、的確にジュオ達は狙われたであろう。
ジュオは、ゾッオとする思いに駆られた。

とにかく、この場から出来るだけ離れなければ、、、皆、走った。
ジュオは、セディに肩を借りて、、、それでも元気はあった。
落雷が続く中、
ジュオは逃げ遅れた者がいないか確認した後、最後に五画場を出た。

皆は五画場の中央入り口の柵を出ると町を目指して必死で走った。
後方の五画場は、落雷の嵐に見舞われていた。

柵と並行に走っていた道が少しづつ柵との距離を広げ、逸れ始めた位置まで来た。
追ってくる者はいなかった。
しかし、一つ心配があった。
ここへ来る途中にある炭鉱の入り口だ。。。
残った手先達が待ち伏せをしている可能性もある、隊列を組みなおした。
ユックが先頭になり、その後にクロスボー隊が続いた。
そして、捕らわれていた人たちを挟んで又クロスボー隊が最後尾を警護しながらの前進となった。

隊列を組みなおして、炭鉱へ向かい始めた頃、、、五画場の落雷が、止んだ。
静けさが戻ってきた。

副長のユックが、先鋒四人を確認の為先に出発させた。
暫く前進しだいぶ炭鉱に近づいた時、先鋒の一人が戻ってきた。
「副長。奴らが待ち伏せしている雰囲気があります。」
「人数は把握できません。」

ジュオが、捕らわれていた人達の中でブレツセの地理に詳しい者に訊いた。
「ここから、町へ向かう迂回路は無いのか。。」
ブレッセ生まれの男が答えた。
「少し遠回りになるが、西側まわりにもぉ一本道がある。」
「ここから直ぐ先に分かれ道がある。」
ジュオが、指示を出した。
「迂回路が安全かどうか、先鋒を出せ。」
「安全と分かったら、、」
「セディ。お前は、クロスボー隊の一部を連れてこの人達を町まで送れ。」
「俺達は、炭鉱を襲う。」
「ここで逃げ帰っては、後々、奴らになめられる。」

ジユオが幾分元気を取り戻した。
「炭鉱への攻撃の指揮はユツクが行え。」
「人数は、90名編成で攻撃隊を作る。」
「残りは、セディの指示で町へ戻れ。」
「町へ戻ったら、町の人達に遊撃隊員を募れ。」
「そして、町を守っている部隊と合流し船に残している兵糧運びを手伝え。」
「俺達の事は、心配要らん。」
「待ち伏せをする程度の奴らなら、程度が知れている。」

ジュオの指示が終わると、攻撃隊は炭鉱へ向かった。
ジュオがセディに声を掛けた。
「セディよ、後は頼むぞ。俺は、炭鉱へ向かう。。」
「町で、又合おう。」
そぉ言い残し、攻撃隊の後を追った。

天邪鬼は、成層圏を落下し続け対流圏に突入しようとしていた。
マザーリングが輝き続けていた。
そして、聖闘衣に隠れている腕の卍の傷痕が疼き出していた。
その激しい痛みによって、天邪鬼が覚醒した。
「俺は、生きているのか。。」
「このままでは、地上に激突死だな。」
天邪鬼は急激に「浮遊」エネルギーをUPした。
落下速度が急激に低下し、天邪鬼は緩やかに降下し始めた。

攻撃隊が出発してから、暫くして迂回路探索に行った先鋒の一人が戻ってきた。
「今のところ、異常はありません。待ち伏せの気配は見当たりません。」
セディは報告を受けると、
護衛に残ったクロスボー隊を二班に分け列の前後に配置して、
解放された人達の町迄の先導を開始した。
セディが皆に声を掛けた。
「隊員でない人も腕に自信がある人は、列の外側を囲み、何でも良いから武器になる物を持て。」
「出発する。」

その頃、
炭鉱への攻撃隊は入り口の手前で前進を止め、ユックが隊員に指示を出していた。
「奴らは、俺たちを確認次第、攻撃を仕掛ける戦術だろう。」
「五画場でダメージを受けていると予測を立て、落ち武者狩りのつもりだろう。」
「だが、手強い奴は少ない筈だ。」
「多ければ、奴らは正面から封鎖してくる筈だ。」

ジュオも読みは同じだったが、、、
「一つ心配がある。。」
「この炭鉱に残った奴らは、決死隊かもしれん。」
「主だった幹部は別なアジトへ移動し、決死覚悟の者達だけかも知れん。」
「その場合は、死に物狂いの攻撃を仕掛けてくるぞ。」

その点は、ユックも同じ事を考えていた。
「我らも、覚悟を決めて攻撃に掛かる。」
「武闘隊員もクロスボー隊員も半数づつに分かれて、攻撃を仕掛ける。」
「第一陣は、俺に続け。第二陣は隊長に従え。」

ユックが剣を抜いた。
「待ち伏せをしているなら、こちらから正面攻撃を仕掛ける。」
「行くぞ。」
45名の第一陣攻撃隊が動き出した。

炭鉱の入り口が見える場所まで来た。
クロスボーの射程距離まで前進した。
ユックが、大声で叫んだ。
「我々は、大陸から来た平和の盾の特別隊だ。」
「お前達が、炭鉱に潜んでいる事は分かっている。」
「素直に降伏しろ。」
炭鉱の入り口が開いた。
中から、一斉に矢を撃ってきた。
恐ろしいほどの矢が向かってきた。
恐らく、仕掛けが施してあり一度に大量の矢を放てるのであろう。

武闘隊が盾を組んで防いだ。
矢の射程距離は短い、到達するだけで威力は殆ど失われている。
クロスボーが、矢の隙間をついて放たれた。
クロスボーは十分に炭鉱の中まで入り込んでいった。
殺傷力を保持した状態で炭鉱の中へクロスボーが撃ちこまれた。

炭鉱の内部から十数人の武装荒くれ達が出てきて、左右からも矢を放ち始めた。

ユックが叫んだ。
「二時と十時の方向の敵を撃て。」

その時だ、
炭鉱入り口の反対側から矢が放たれた。
挟み撃ちにされたのだ。
前もって、入り口の反対側に戦闘員の荒くれ共を配置していたのだ。
その数、おおよそ40人。。
「ビュー、ビュー、ビュー、、、」

攻撃隊は後に盾を準備していなかった、、交わしきれなかった隊員が犠牲になった。
ユツクが叫んだ。
「怯むな。。」
「前進だ。。」
犠牲者は出たが、怯む事は無かった。
クロスボーを撃ちながら、少しづつ炭鉱入り口へ向かって前進して行った。

攻撃隊の背後の武装荒くれの一群の矢の攻撃は、止む事は無かった。
しかし、
武装荒くれの一群も、ジュオの率いる第二攻撃隊の事は予測していなかった。
ユックの攻撃隊を背後から追い詰める事に必死だった。
「ピュー、ピュー、ピュー、ピュー」
ジュオの率いる第二攻撃隊のクロスボーが、一斉にそれを標的にした。
「グゥエ、グゥェ、グゥエ、、、、」
ユック達の背後に迫っていた武装荒くれの一部は向きを変えジュオ達の方へ向かって来た。

ジュオが大声で叫んだ。
「ユック。背後は俺たちに任せろ。」
ユックが叫んだ。
「炭鉱の中へクロスボーを打ち込め。」
もぉ一度、ユックが叫んだ。
「武闘隊員は、俺に続け。」
ユツクが炭鉱の中に切り込んで行った。

その頃、
セディ達は町へ後少しの場所まで戻っていた。
道が、安全かどうかの探索に先鋒で進んでいる隊員の一人が、走りながら帰ってきた。
「セディ。。待ち伏せされていた。」
「手強い奴だ、俺達では歯が立たなかっ........た........」
そぉ言って、息絶えた。

セディが、号令した。
「クロスボーの布陣を組め。」
「そして、元の場所まで戻るぞ。。」
クロスボーの布陣を組み、元の場所へ引き返そうとした時、
前方に刃と見られる者が数人の捨て札を従えて現れた。

捨て札が、声を掛けながら近づいて来た。
「お前達は、全て俺たちの奴隷だ。逃げられると思っているのか。。」
「見たところ雑魚の集まりのようだが、、、良く、五画場を逃げれたものだ。」

セディが、叫んだ。
「撃て。。隊員以外は、元の場所へ引き返せ。。」
クロスボーが一斉に放たれた。
半数づつの連続射撃で、捨て札を狙った。
「グゥエ、、」
捨て札の一人が息絶えた。

「生意気な。。」
刃が、叫びながら衝撃波をクロスボーの布陣に向けて放ってきた。。
セディが叫んだ、、
「伏せろ。。」

しかし、
刃の衝撃波は、盾も無く無防備のクロスボー布陣にお構い無しに炸裂した。
クロスボー隊員の殆どが動かなくなった。

セディが、緑の棒を構えた。

刃が笑いながら、
「ほぉ。。そんな物で、俺に立ち向かってくるか。」
「なら、掛かって来てみろ。」

セディは棒を振り回しながら、燕返しに刃の喉元を狙って突きを入れた。
刃は上半身を反らせながら交わし、そのまま横蹴りをセディに撃ち込んだ。
セディが吹っ飛んだ。
セディが立ち上がろうとした時、再び刃の蹴りが横腹へめり込んだ。

「ウゥゥ。。」
セディが呻いた。
しかし、呻きながらも立ち上がった。
「来い。勝負はこれからだ。」

「口だけは、達者だな。」
「しかし、これでもぉ喋れなくなるぞ。。」
そぉ言いながら、刃の横水平蹴りがセディの溝おちに入った。

「うぅぅぅ。」
セディは、呼吸が出来なくなった。
その場で転げまわった。

刃が、セディにトドメの蹴りを入れようとゆっくりと近づいてきた。
セディは、悶絶しながら逃げられなかった。
刃が、蹴りの体制に入った。
「ピュッー」「ピュー」
数本のクロスボーが刃の足をかすめた。
刃の顔つきが変わった。
「未だ死に底無いがいたか。」
刃が振り向いて、捨て札に指示した。
「皆殺しにしろ。」

セディは、緑の棒を握り締め力を振り絞った。
「ボス。。助けて。。」
そぉ念じながら緑の棒を地面に叩きつけた。
「バッシィ」「バッシィ」
刃が、笑い出した。
「お前も、狂ったか。。」
「トドメだ。」
刃が蹴りをセディの顔面に入れ様と体制を変えた、、、しかし、一瞬早く何かが動いた。
「ベッキ。。」
骨の折れる音があたりに響いた。
天邪鬼が、地上に戻ったのだ、
緑の棒で地面を叩いた時の特殊な波長は、天邪鬼の居場所を問わず伝わって行く。
セディの横で、刃が転げまわっていた。

天邪鬼の地獄蹴りが刃のすねに炸裂したのだ。
残った捨て札が、同時に掛かって来た。
二人の捨て札は天邪鬼の左右のフックで首の骨を瞬時に折られていた。
天邪鬼が、セディを抱き起こした。

ここ迄で、第五話第四章の完了です。

炭鉱へ攻撃を仕掛けたジュオ達、突入して行ったユツク達の戦いはいかに。。
セディは大丈夫なのか。
外の人達は大丈夫なのか。
超神はいかに。。

ページの始めに戻ります。


第五話第五章「制圧」

セディは、直ぐに元気を取り戻した。
セディ以外にクロスボー隊員7名も軽傷で助かった。
天邪鬼はセディ達を伴って、引き返した人達の後を追った。

直ぐに追いつく事が出来た。
引き返していた人達が、天邪鬼の姿を見て安堵の表情に変わった。
天邪鬼の持つ「不思議な雰囲気」が安心感をもたらすのだった。

天邪鬼が、全員に声を掛けた。
「これから、ジュオ達の攻めている炭鉱へ向かう。」
「皆も、一緒について来てくれるか?」
反対する者など居なかった。
天邪鬼が元気よく気合を入れた。
「よし。。皆、気を引き締めて。。行くぞ。」

天邪鬼達が炭鉱の入り口付近にたどり着くまでに、そぉ時間は掛からなかった。
ジョオの率いるクロスボー隊員が外から来る敵を警戒し、
炭鉱の入り口を取り囲むように、陣を張っていた。
天邪鬼がセディに指示をした。
「お前はここで、この人達守りながら待機しろ。」
「護衛の人員は、俺が手配する。」
「俺は、炭鉱の中に入ったジュオ達を援護に行く。後を頼むぞ。。」

天邪鬼はセディに指示を出し、直ぐ炭鉱の入り口に向かった。
そして、
外敵警戒のため陣を張っているクロスボーの隊員に、セディ達の護衛を指示すると、、
中に入った。
「武器庫の様な部屋」へは未だ使えそうな武器も幾分残っていた。
そこを通り過ぎ、更に奥へ進んで行った。

天邪鬼は、
炭鉱の入り口に近づいた時点で炭鉱の奥深くで、未だ戦いが続いている事は察知していた。
ジュオにテレパシーを送った。
「ジュオ。。俺だ、天邪鬼だ。」
「深追いをするな。後は俺に任せろ。。」
天邪鬼は、急いで炭鉱の奥深く侵入していった。

炭鉱の奥で待ち伏せしていた木枯らしや捨て札を含む敵は、
激戦の末にユツク達によって倒されていた。
木枯らしや捨て札の放った「スクリュードライブ」等の術系の技は、
炭鉱内の色々な障壁が邪魔をして功を成さなかった。
更に、そのスクリュードライブがぶち当たった部分も損壊することなく頑強に残っていた。

それ故、ジュオが「ある事」を考え付いた。
それは、
「五画場からこの炭鉱まで全て完全制圧し、
炭鉱を町の人達の避難場所と、特別隊の基地にする事」を、思いついたのである。
これだけの建造物であれば、
超神が天空から否妻攻撃を仕掛けてきても、持ちこたえられると考えたのだ。

天邪鬼も同じ事を考えていた。
「アヘンなどの臭いはきついが、換気を良くし掃除をすれば防空壕の代わりになるな。」
「内側から更に補強すれば、まず崩壊する事は無いだろう。」

天邪鬼は、暫く進むとジュオ達と再び合流した。
ユック達も一緒だった。
天邪鬼を見るとジュオが、引き連れている部下に指示を出した。
「第二攻撃隊は、入り口へ戻れ。」
「ここから奥は天邪鬼が先に進みユックの隊が後に続く。。ここを完全制圧するぞ。」
天邪鬼も、声を掛けた。
「外には、セディ達が居る警護を頼むぞ。」

天邪鬼が先頭で薄暗い炭鉱の中を奥へと進んでいった。
少し間隔を置いてユック達が続いた。
最後尾は、ジュオが神経を尖らせ警戒しながら進んでいった。

天邪鬼は、既に殺気を感じ取っていた。
突然、暗がりから荒くれ三人が天邪鬼に切りつけてきた。
天邪鬼は、余裕を持つてイージスの棒で剣を叩き落し、肘撃ちを叩き込んでいた。
一瞬にして、三人を始末した。
荒くれの現れた後方から、
捨て札らしき者がスクリュードライブを天邪鬼にぶっけて来た。
天邪鬼は、捨て札のスクリュードライブ等お構いなしに前進して行った。
捨て札を見つけると、イージスの棒を叩き込んだ。
炭鉱のトンネル内から殺気が消えた。

天邪鬼が、皆に声を掛けた。
「たぶん今の奴らが最後だろう。殺気を感じなくなった。」
そぉ言いながら、更に奥へ奥へと進んで行った。

突然、、天邪鬼が止まった。
天邪鬼が、手で合図した。
「何かが居る。」
そこは、
炭鉱のトンネルが五画場の方向へ向きを変える四差路になっている部分だった。
ユックが部下に「カンテラ」を持って来させた。

そこには、今まで見た事の無い怪獣が二匹いた。
隊員がクロスボーで狙った。
天邪鬼が制した。
「マテ。。」
「こいつは、見た目は怖いが、非常に大人しそうだ。」

坑道モンスター
超神の配下
暗がり

天邪鬼が、巨大針もぐらの様な怪獣に口音を聞かせた。
「チェッ、チェッ、チェッ、チェッ。。」(この口音は、動物の心を和ます効果がある。)
口音を聞くと、一匹が警戒しながらも天邪鬼に近寄ってきた。
天邪鬼が、ひざまづいた。
天邪鬼がひざまづくと、警戒心を解いたように更に近づいてきた。
天邪鬼が手を差し出した。
手の中に入ってきた。
ちょうど子牛ぐらいの大きさで、眼はさほど見えないようだ、、
しかし、聴覚は発達している様だ。
残りの一匹も、ちょっと間を置いたが天邪鬼のところへ寄ってきた。
動物好きのユックも、口音を聞かせた。
ユックにも直ぐになついた。
隊員の一人が餌を与えると食べた。

天邪鬼が、
「こいつは聴覚が発達していて、暗いトンネルの中では番犬代わりになるかも知れんな。」
そぉ言って、頭を撫でてやった。
そして、ユックがこの怪獣を「暗がり」と名をつけた。

四差路になっている一方は、東南に伸びているようだった。
しかしこの通路は炭鉱としてではなく、何処かへの通い道として後から掘られたものだ。
とりあえず、安全が確認されるまではこの通路は警戒しておく必要が有る。

そして、もぉ一つは以前は石炭を排出したであろう地下の炭鉱へ降りる坑道だ。
ここは、廃坑になっていて暫く使われた様子が無かった。

東南へ伸びるトンネルの見張り隊を残すと、
天邪鬼達は更に五画場に通じているであろうトンネルを奥へ進んでいった。

トンネルの向こうに薄明かりが射してきた。
五画場にたどり着いた。
出口は、三箇所有った。
ヘルン達が出てきた詰め所側と、裏手側に一つづつ、
そして、もぅ一箇所は五画場頂上に上る中央の螺旋階段へ通じていた。
螺旋階段への通路は、先ほどの戦いで天邪鬼が破壊した状態のままだった。
詰め所側から外へ出た。

外へ出ると、外は、、驚きの声を上げるほど変わっていた。
超神の天空からの否妻攻撃で、柵や建物は全て破壊され尽くし、至る所でくすぶっていた。
地面には、巨大な穴が無数に空き逃げ遅れた馬の焼け焦げた死体が点在していた。

天邪鬼はイージスの棒を伸ばし、五画場の頂上へ一気に上がった。
頂上の建物は面影をとどめる事無く破壊され、未だ残り火が燃えていた。
周りにあった、ケシ畑などは焼け野原に変わっていた。
天邪鬼は、その光景見て逆に安心した。
「これだけ破壊したなら、ここの場所に未練を残す事は無いな。」
「奴らがここへ戻ってくる可能性も非常に低いだろう。」
そして、頂上を一通り探索確認し終えると地上に戻った。

ジュオ達も地上を確認していたが、敵の気配は全く無かった。
詰め所が残っていただけで、外の建物は形を留めないまでに破壊されていた。
超神の破壊力の凄さを改めて実感した。

ジュオが天邪鬼に声を掛けてきた。
「頂上はどんな様子だ。」
「下を見る限りでは、奴らはもぉ、ここへは戻る気は無いな。。」
「ここに居た奴らは、戦って死んだか、別のアジトへ逃げたと思うが、、、」
「天邪鬼。お前はどぉ思う。」

天邪鬼が答えた。
「俺も同意見だ。」
「奴らは、ここや炭鉱には戻ってこないと睨んだ。。」
「それに奴らは、、、まさか、我々が、砦にしようなどとは考えても居ないと思うが、、」

ジュオが、決断した。
「よし。決まった。」
そして、ユツクも呼んだ。
「ここの五画場は、天邪鬼に任せ、我々は引き上げる。」
「そして、旧炭鉱を我々の砦に改造するぞ。」
「隊員を10名残すので、天邪鬼頼むぞ。」

天邪鬼がジュオに声を掛けた。
「ここは、俺に任せておけ。」
「途中の四差路の南東へ通じているトンネルと地下へ降りる坑道は、要注意だ。
一時的に閉鎖して置いた方が良いと思う。」
ジュオがうなづいた。

天邪鬼は、
自分と共に残った隊員と一緒に、もぉ一度見落としが無いか、五画場の探索を再開した。

ジュオ達は、二手に分かれて炭鉱の入り口に戻った。
ユツク達は、今来たトンネルを引き返し、、
ジュオ達は、外の道を引き返した。
外の道の確認も兼ねて、二手に分かれて引き返した。
炭鉱の入り口にはジュオ達が先に着いた。

ジュオは直ぐ全員を集めて、今までの経緯を説明した。
「この炭鉱は、我々が完全に制圧した。」
「そして、この炭鉱そのものが建造物として実に丈夫に出来ている。」
「万一、超神の攻撃が有った時の防空壕として使える。」
「そこで、我々は炭鉱の入り口付近へ陣を構え、いざという時はここへ避難する。」
「これから、町へいるほかの者達へも連絡を取りここへ移動させる。」
「炭鉱の中をもっと、補強し掃除もする必要がある。」
「明日からは、この周辺に住む家を作るぞ。」
「全員の協力を頼む。。」

ジュオが話をしている時、
二匹の怪獣「暗がり」を連れて、、ユック達が帰ってきた。
ユツクが、セディに頼んだ。
「餌をやってくれ。腹をすかせているようだ。」
「俺は、町へ戻って外の人達をここへ連れてくる。」

ユックがジュオに報告した。
「四差路へは、警戒のため20名を配置しています。」
「あの怪獣は、慣れれば番犬の代わりが本当に出来そうですよ。」
「町へ戻り、移動の準備が出来次第ほかの者達をここへ連れてきます。」
報告を済ませると、ユックは20名ほどを連れて町へ急いだ。

その頃、
ジャントリアの北に位置するこの島三番目の街「バートル」で、
街の住民が行方不明になる事件が多発していた。

ここ迄で、第五を第五章は完了です。

姿を消した超神は、今何処へ。
五画場を奪われた超神の報復はいかに、、、、

ページの始めに戻ります。


第五話第六章「復活の町」

翌日、
ユックは、ブレツセの避難所へ第二副長ミンクスの警護隊20名を見張り役として残し、
ブレッセの町の人達を炭鉱の入り口に引率し帰ってきた。
二日後には生活物資の移送も完了し、そこを「復活の町」と名づけた。

万一の時の為に炭鉱の内部に避難場所(防空壕)を作り、坑道の補強工事にも取り掛かった。
町の人達も隊員に協力し旧ピッチで作業は進んで行った。

そして、三日後には、
特別隊が船に積んできた「武器、食料」も全て「復活の町」まて、搬送を完了した。

犠牲になった隊員の補充と増員の為、「荷物係り隊員」を町の人や、解放された人達から募った。
そして、準戦闘員「荷物係り隊員」として40名を補充した。

新しい特別隊概要
隊長 ジュオ
副長 ユック
第二副長 ミンクス
戦闘隊員 180名(内、クロスボー隊員90名)
準戦闘隊員 40名
合計220名となった。

炭鉱内の敵の武器庫に残っていた武器は、居住区を作る工事道具としても活用し、
町を守るための仕掛け道具に利用した。

炭鉱内の坑道はもう一度、徹底した捜査を実施し安全を確認し、
南東に伸びているトンネルは、安全の為完全封鎖した。
多分この通路を利用し別な場所へ、奴隷にしている女性達を移動させたのであろう。
万が一、
この通路から攻め入られる事の無いように天邪鬼とジュオが相談し封鎖したのだった。

封鎖の前に天邪鬼は、
セディ、それに地元の地理に詳しい町の人を伴って、どこに通じているか調査した。
トンネルは南東へほぼまっすぐに伸び、およそ5kmほどで出口になっていた。
出口は、カモフラージュの為「落石注意」の大きな看板に覆われ、
人が近づかないように、鉄の鎖が施されていた。

出口のある場所は、
ブレッセの町北側を通っている「バートル」へ通じる道へわずかの距離に位置していた。
「バートルの街」は、この島第三番目の大きな街である。

天邪鬼は、
「バートル」にも異変が起きている事をこの時予感した。

新しく移住した「復活の町」周辺では、何も変わった事は起きなかった。
毎日、五画場とブレッセの町の探索は欠かさず行う事になった。
ブレッセには、
第二副長ミンクスが隊員20名と共に暫くの間「見張りと連絡係り」として滞在する事になった。
丘の街に陣取るコクの本隊へ伝令として向かった四人の隊員が、 ブレッセに戻ってくるまでの間は町に残る事になったのだ。

天邪鬼は、
敵のアジトは恐らく「バートル」に有ると予測し、
ジュオと相談し、先にセディと共に「バートル」ヘ乗り込む事にした。
そして、何よりも不気味に感じている事は、超神の動向であった。
成層圏で超神にぶち当たって気絶して以来、超神は気配を消したままだった。
天邪鬼にとっては、このことが一番の気掛かりだった。

その頃超神は、成層圏を只浮遊していた。
天邪鬼を少しばかり甘く見ていたのだ、
まさか、、
自分に、少しでもダメージを与えてくるなど予想すら、、していなかつた。
超神の精神力の幼稚さから来る、「心のダメージ」を受けたのだ。
物理的なダメージは極、極わずかであったが、、
有体時に受ける物理的ダメージに、精神がショックを受けていたのだった。

超神は有体化を解除し、地上の部下に指令を出し、
自らは、更なる完全復活を目指し成層圏を精神浮遊していた。
「天邪鬼よ。次に出会った時が、お前の最後と知れ。。。」
しかし、
超神の心の中では、天邪鬼の事はさほど重要な事ではなかった。
そのことが、天邪鬼やジュオたちにとっては幸いしていた。

ジュオは、
この「復活の町」の完成を急ぎ、一般の人達の安全を確保する必要が有った。
そして、
隊員とは別の「自警団」を結成させ、
町の守りと、自らの安全を確保させる仕組みを作る必要が有った。
バートルに有るであろう「次なる敵のアジト」攻略作戦開始の前までに、 その体制作りが急務であった。

その頃、
バートル郊外に在る古い洋館風の建物の中では、
黒幕で超神十人衆の一人「モーンズ」が、元締めや上札達を集め、
超神の指令を伝えていた。
他に、刃と更に、、、、「修羅」が居た。
この「修羅」こそ、「超神の戦いの武器」とも言うべき存在なのだ。
「修羅」は数人居て、全て超神十人衆達であった。

モーンズが、元締めや上札たちに指示を出した。
「逆らう者は容赦なく殺せ。」
「大人しく従う者だけが生きる事が出来る、、、この事を人間達に分からせろ。」
「五画場を襲撃してきた奴らは、その内、、必ずこの街へやって来る。」
「その時は、奴らが死ぬ時だ。」

「五画場如きを、、陥落させたと喜んでいるであろうが、、、、」
「既に、あの場所の役目は終わっている。」
「それ故、取らせてやった事など、奴らには分かるまい。。ハハハ。。。」
高らかな笑い声が不気味さを漂わせていた。。。。

天邪鬼とセディを待ち構える手ごわい奴らが新たに出現した。
天邪鬼とセディがバートルへ出発する前夜の事であった。。。

ここ迄で、第五話の完了です。
続き第六話は近日公開予定です。。。

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wujingと天邪鬼の正門